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12時間連続マラソン茶会報告 ~4月、Clubhouseの片隅で起きたこと~   お茶好きトーク#1



クラブハウスは、終わったのか?

 クラブハウスはもう、「オワコン」なのだという。 
 訳知り顔のウェブ記事が、人のうわさが。 
 クラブハウスにあるのは「有名人の話を一般人が聞いている部屋」「自己啓発系の部屋」「趣味の集まりの雑談部屋」ばかりなのだそうだ。 
 そんな場所にはもう多くの人が飽きてしまい、次々とこのアプリから離れていくばかりだ、と。 
 果たしてほんとうにそうなのか。 
 クラブハウスの片隅で、肩を寄せ合って毎日のように(いや、ほんとうに毎日毎日)、「あること」についてひたすら語り続けている「私たち」は、いったい何なのか。 
 肉声だけでつながるSNSで私たちが語り続けるもの。
 それは「お茶」、である。

 クラブハウスが日本で大きな話題になった一月下旬ごろから。少しずつアプリの中に集まり始めた「私たち」は、ひたすら「お茶」について語り続ける一群だった。茶農家、製茶業者、茶師などの生産者。茶商、喫茶店経営者などの提供者。さらには紅茶教室教師、日本茶インストラクター、評茶師、茶藝師などなど、お茶まわりのありとあらゆる職業、専門家の人々がまずいる。
 そして、職業は別に持つお茶愛好家たち――それも一筋縄ではいかない、異常な熱量でさまざまなお茶を追いかけ、金銭感覚の麻痺した大枚をお茶にはたき、常軌を逸した量を喫するつわものども。
 そんな一群が日夜を問わず徘徊する……おそろしく酔狂な場所が、クラブハウスの片隅にはある。
 そしてクラブハウスがなければ適わなかった出会い、起動しなかったプロジェクト、存在しなかったイベントがここにはあり、それらは今も進行形で発生し、進化し、結実しているのである。
 そんなクラブハウス内のイベントひとつを、今回はレポートしてみようと思う。
 4月3日、土曜日。昼の14時から翌深夜2時まで。
「春の12時間マラソン茶会」と題され、クラブハウス上で延々12時間お茶を飲み、語り合う会が催された。


ひたすら茶を語る、12時間

 ここで音声SNSと呼ばれる<クラブハウス>を簡単に説明しておこう。
 登録したユーザーは誰でも、「ルーム」を作ることができる。話したい内容、テーマをタイトルをつければ、自然とそのテーマを語りたい人、聞きたい人が集まってくる。そのときクラブハウス内に居合わせた人ならば、既知未知問わず、誰とでも話ができるのだ。

 その日開かれたルームのタイトルは「☕春の12時間マラソン茶会☕ 午後2時~午前2時。スケジュールはクラブのメインページに。オーディエンス歓迎」。
 12時間マラソン、といっても、延々脈絡なくお茶の話をするだけでは芸がない。1時間にワンテーマ、計12のテーマを設定し、スケジュールに沿って話をしていく、ということになった。
  12時間の<時間割り>は、以下の通り。

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          (Tea Drop Timeより)

 参加者はテーマごとに各自、手持ちのお茶を飲む。そして飲んでいるお茶を音声で紹介し合う。ゆっくり時間をとって飲むことができなければ、テーマに関しておすすめのお茶を挙げるだけでもOKだ。
 もちろん12時間全テーマ参加してもいいし、興味のある時間だけ顔を出してもOK。またスピーカー(話し手)として参加しなくても、「このジャンルは知りたいな」という時間を、オーディエンス(聞き手)として聞くだけでもいい。たとえば和紅茶に興味がある人は、入室して耳をそばだたてさえすれば、今人気のある、みんなが飲んでいる、おすすめの和紅茶の情報が聞ける、というわけだ。
 立ち上げたひとつのルームをとにかく開きっぱなしで、12時間。テーマに沿って、ひたすらお茶の話をし続ける――いかがだろうか? クレイジーだろうか? 
 事前にこの話をお茶関係のルームで「企画しています」「日程が決まりました」「ふるって参加してください」と話す時。<12時間マラソン茶会>という言葉を発するだけで、いつも若干の笑い声が起こった。「なにそれ?」「どういうこと?」「ほんとにやるの?」そんな笑いだっただろうか。とにかく始める前は、参加者の誰もがそんな気持ちだったのだ。「ほんとうに12時間もできるの?」
 企画者、発起人である筆者(かむら)さえも……。
 しかしどんなことでも、企画さえすればすぐにできてしまうのが、クラブハウス。
 やりますよ、と告知さえすれば、自然に人は集まる。小人数でも、集まった人だけでこじんまりと語り合えばいい。場所を探す手間もいらない、お金もかからない。そんな手軽さをどんどん利用し、自分なりのやり方で、語りたいことを語り合えばいいのだ。


めざせ! 春のお茶会王

 ただし今回は、さすがに<12時間茶会>。事前の準備はある程度必要だった。
 まず、メインの司会をつとめるモデレーター。企画者である筆者(かむら)が全テーマ常駐はするが、さすがに12時間話し続けはきつい。ダージリンや中国茶など、得意分野を持っている人、モデレーター経験の豊富なメンバーたちが、途中でメインの司会を交代しつつ続けていく体勢をざっくりとと整えた。
 そして参加意欲を高めるために、かんたんなポイント制度も作った。1テーマでひとつ、お茶を紹介すると3ポイントもらえる。その時間に参加できない人、会話で参加をすることが難しい人は、他のSNSでの参加も可。Twitter、インスタグラム、LINEのオープンチャットに<♯クラブハウス12時間茶会>などのハッシュタグをつけて投稿したら、スピーカー参加ができなかった回も1ポイント。1テーマでスピーカー参加、SNS参加両方しても、3ポイントのみ。つまり最高で36ポイント。最も多くポイントを獲得した人が、「春のお茶会王」となるのだ。

(事前の企画ルームにて)
A子さん「なに、お茶会王って(笑)」
かむら「お茶会王に俺はなる! って言いながら、がんばって参加するのよ。みんなが!」
A子さん「お茶会王になったら、なにかもらえるの?」
かむら「……みんなに褒められるよ。お茶会王、すごいねえ、って」
A子さん「えー、何ももらえないんだ」
B男さん「あの……うち出しましょうか、賞品」

 そんな流れでなんと、〈お茶会王〉には賞品まで出ることになってしまった。いわばスポンサーがついたのである(賞品は平岡園の烏龍茶(写真上)、緑茶、和紅茶セット。スターブリッジティーティー(写真下:撮影Tadahitoさん)のドリップバッグセット(アッサム、ジャスミン、ウーロン))。
 これはすごい!

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 かくして前代未聞のオンライン<12時間マラソン茶会>の幕は切って落とされた。
 ここからは怒涛の12時間をひたすら追っていきたい。クラブハウスは原則として録音等記録が禁止されているが(当時)、今回は参加者の了承を得てメモをとっている。
 

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☕14時~ セイロンティー全般(ブレンドやフレーバーもOK)☕
~いちばん紅茶らしいところから~

 かわきりはセイロンティー、つまりスリランカ産の紅茶の時間。
  もっとも紅茶らしい、多くの人に馴染み深いだろうお茶として、スタートアップのテーマに選ばれた。世界三大紅茶のウバをはじめ、ディンブラ、キャンディなど7大産地と呼ばれる地域がある。紅茶好きならば産地ごとの味わいを楽しんだりもするが、今回はスリランカ産のお茶ならば、ブレンドでもフレーバーティーでもOKだ。
 以下、登場順に参加者が今飲んでいるお茶、おすすめのお茶を紹介していきたい。
 *<>内は紹介した参加者名(敬称略)、()内はティーブランドや茶商、販売店など。「」内のコメントは主に紹介者のもの。

<あき*>サバラガムワ・ポトトゥワ茶園(ムレスナティー)  
――12時間茶会記念すべき一杯目は、スリランカ低地・サバラガムワ、ポトトゥワ茶園の紅茶。あき*さんの主宰するLINEのお茶オープンチャット界隈で、一時期大流行したお茶だ。ルフナよりボディは軽めで、黒糖のような甘味が特徴的。「初めて飲んだ時の甘い風味にやられました。ストレートで飲んでもほんとに美味しい。あっさりめのロットのものは、茶葉をいっぱいに使ってミルクで淹れると、また甘さが戻ってきますよ」
<mica>ティーブック パパイヤマンゴー(バシラーティー)
――スリランカティーの人気ブランドのお茶。ひまわりやベニバナなどが入ったフレーバーティーで、ブック型の缶も可愛くて人気だ。
<CHIKAKO>ヌワラエリヤ・ペドロ茶園(日東紅茶)
――CHIKAKOさんは日東紅茶のオンラインティーセミナーに参加(抽選で当たりました!)。これはセミナーでの教材で、スリランカから空輸されたフレッシュなお茶だ。一般発売は7月だとか。「ゴールデンイエローの水色と、鼻腔を抜けるような香りが魅力です」
<Darjeeling>ディンブラOP(TWG)
――TWGはシンガポールの高級ブランド。「これはストレートではすっきり個性的なおいしさ、ミルクにしてもコクや甘味がしっかり出ますね」DarjeelingさんはTWGのディンブラとともに、ウバもお気に入りだとか。


<Sayaka>ラトナピュラ(マリアージュフレール)
――セイロン7大産地外の希少産地! マニアックなお茶がもう登場してしまった。SayakaさんはYukiさんといっしょにお茶合宿をしながら12時間茶会に参加中。「この時間、お茶菓子はムッティス・クーヘンのバターサンドです」


<Ryosuke>キャンディ ジェームス・テイラーズティー(紅茶専門店ディンブラ)
――紅茶も緑茶も守備範囲が広いRyosukeさんは湘南出身。スリランカティーのスペシャリスト、磯淵猛さんの藤沢のお店のお茶が登場した。
<Hitomi>ウバ・ウバハイランズ茶園(ティーズリンアン)
――「いい意味で薬局の匂いのするお茶ですね」Hitomiさんが他のお店で買ったウバよりも渋みがぐっと少なかったウバ。7大産地、ここでもう5産地が登場した。
<Yohko>ヌワラエリヤ(ミツティー)
――「蜜のような香りとゴールドの水色が気に入っています」横浜のミツティーはスリランカティー専門店として人気。紅茶を買えるお店もさまざまで、この時間はセイロンに強いお店を見つけるヒントにもなりそうだ。
<諒大>レモンアールグレイ(ムレスナティー)
――ムレスナは種類豊富なフレーバーティーでおなじみ。諒大さんはレモンアールグレイをシュークリームと合わせて堪能中。

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<圭位子>ティーセンターブレンド(北欧紅茶)
――紅茶好きにひそかに支持者の多い北欧紅茶(ティーセンターオブストックホルム)のお茶。ヌワラエリヤ、ウバ、ディンブラのブレンド。単一産地ではないセイロンのブレンドティーでノンフレーバー(つまり最も紅茶として流通しているスタンダードな紅茶)、実はここで初登場。北欧紅茶のブレンドティーは、セイロンがベースのものが多いようだ。
<dunkeld3>セイロンオレンジペコー(ヒギンス)
――ちょっとレアめなヨーロッパブランドのお茶が続く。土曜日ながらお仕事中のdunkeld3さん、実際飲んでいるのはセブンイレブンのアールグレイだけど、と言いつつ、好きなセイロンを紹介。産地の明記はないが、おそらくルフナのOPではないかと予測。
<Fukuto>サバラガムワ・ニュービタナカンデ茶園AOBA Tea
――川越でお茶のお店AOBAを春に開業したばかりのFukutoさんは、お店のお茶で参加! 5月はクラブハウスでAOBAのお茶を全員で飲むオンライン茶会を開催予定だ。(写真:YUKI)

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<Ryoko>ヌワラエリヤ(teteria)
――Ryokoさんは大西進さんの主宰する紅茶ブランド、teteriaのファン。「ヌワラエリヤは飲むたびに香りに驚くお茶です。春の香りの中に桃のようなフルーツ香が……鼻腔を駆け抜けていきます」


<INDEN>錫蘭紅茶
――カフェを経営するINDENさんのもとにサンプルとして送られてきたお茶。台湾のブレンダーがブレンドしたと思われるセイロンティーだ。実はセイロンが苦手というINDENさんも、「これは普通においしい!」

 セイロンティーは14のお茶が登場。産地別では7大産地のうち、なんと6産地が揃った。ウダプセラワだけ登場がなく、惜しい……。実は時間中に紹介できなかったが、モデレーターかむら(筆者)がウダプセラワ・ラッキーランド茶園を飲んでいたので、ひそかに7産地揃っていたのであった。

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 しかし1テーマ目から単一産地のお茶がずらり! もっとお手軽なセイロンティーでもOKなのだが、マニアックな茶園ものばかりにおののき、発言できなかった参加者もいたかも……。
 クラブハウスは音声だけのSNSだが、プロフィールのアイコンを一時的に変えることで画像を見せることができる。茶葉やお茶のパッケージ、自慢の茶器でのティータイム写真などが1テーマ目からずらりと並び、圧巻だった。セイロンティーの時間、参加者数は37人(最多時)。

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🍵15時~ 緑茶全般(抹茶、ほうじ茶なども)🍵
~進撃の緑茶勢~

 12時間12テーマもあるのに、日本茶は緑茶と和紅茶の2時間だけ。
 当初はほうじ茶の時間なども予定されていたが、参加者に紅茶勢が多かったのであおりを食らってしまった。数少ない日本茶の時間を盛り上げようと、Twitterで参加を呼びかけてくれた緑茶好きも!

<圭位子>ミャンマー・シャン州の緑茶
――しかしいきなり日本茶でない緑茶が登場! 2テーマ目もマニアックなお茶ばかりとなるのか? 実はミャンマー、ベトナム、コロンビアなどなど、レア産地のお茶を飲む時間も当初企画されていたのだが、12テーマに入りきらず……。近いテーマの時間にじゃんじゃん飲んでください、という形になっていたのだ。
<Sayaka>森乃茶園の煎茶(静岡・森町)
――お茶合宿中のSayakaさんとYukiさんはお茶菓子もいっしょにレポート。煎茶には季節を先取りした生菓子を。「仙川駅前の和菓子屋さん、餡の輪の<藤の花の練り切り>を合わせました」


<Fukuto>平岡園の煎茶(埼玉・狭山)
――川越のお茶屋さんFukutoさんは、クラブハウスで知り合った狭山の茶農家、平岡忠仁さんの茶畑を数日前に訪問。「忠仁さん、ものすごく親切にいろいろ教えてくれました。茶畑も以前僕がいた静岡の茶畑と違って興味深い発見がいろいろでした」
<根本健太朗>浅蒸し新茶・蒼風(鹿児島・徳之島)
――なんと4月初旬だというのに、今年の新茶が登場! 「徳之島は新茶が早い産地ですが、今年はさらに何日か早いようです。3月にはもう出てきてましたね。これは新茶の香りをくっきり残すために最後まで仕上げていない浅蒸しで、特に早生なので生っぽい香りがします」左利きの根本さんの使う左利き用急須も話題になった。
<諒大>加賀棒茶(野田屋茶店)
――「これが今日、いちばん紹介したかったお茶!」諒大さんの住む金沢では、訪問販売で各家庭に売りに来てくれるとか。
<ちゃんこ>香駿(丸七製茶)
――蒼風に続いて単一品種茶が登場。「これは甘いものに合いそう。うちでは水出しにすることも多いお茶です」ちゃんこさんは香港より参加。
<INDEN>SUPER SENSE(TEA ERA)
――京都・和束の玉露のティーバッグ。TEA ERAはクラブハウス仲間のなおきーぬさんの立ち上げた日本茶ブランド。クラブハウスが縁で、INDENさんのカフェでも販売されている。

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<CHIKAKO>静7132(長野園 茨城・猿島)
――クラブハウス仲間、Ryosukeさんにおすすめされて購入したお茶。ノンフレーバーだが桜の香りのする緑茶で、この季節には人気がある。「いただく前に茶葉を少し口にして、広がる香りと味を楽しむといいですよ。まずは冷水で淹れて、雫茶のように味わうもおすすめ」(Ryosukeさん)
<Asami>さえみどり・荒茶(鹿児島・種子島)
――本日ふたつめの新茶。しかも日本茶インストラクターのAsamiさんが裏ルート(!?)で手に入れた荒茶。携帯お茶セットを持参して海辺でお茶会中。波の音を聞きながら野点で新茶とはうらやましい……。(写真:Asamiさん)

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<Miho>伝統本玉露さえみどり(八女茶くま園 福岡・八女)
――Mihoさんの紅茶教室では、朝比奈、宇治、八女の玉露の飲み比べレッスンをしている。八女のさえみどりは一番人気になることが多いとか。
<かむら>抹茶 秘蔵伝来(星正園 福岡・八女)
――八女の玉露が出た流れで、モデレーターかむらも参戦。意外にもお抹茶を淹れたのは私だけでした(家族に淹れてもらった……)。星野村の玉露羊羹とともにいただいております。

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<Ryosuke>鬼の白骨 (奥富園 埼玉・狭山)
――お茶マニアのRyosukeさん、狭山に行って生産者から直接買ったお茶! 「とにかく茶缶を開けた時に立ち上る香りが凄いんです。ほうじ茶的な香ばしさのある緑茶、と言われていますが、甘い香ばしさってこういうことか! と感じてほしい」
<Fukuto>釜炒り緑茶 ふじみどり(静岡・川根)
――さすが茶商! 聞いたこともない品種の、しかも釜炒りを紹介してくれた。「ふじみどりって、出自などがよくわかっていない品種なんです。独特のハーブみたいな香りがしますね。中国の緑茶、龍井茶にちょっと近いかな」
<Hitomi>特上煎茶ときわ木(山本園 福岡・八女)
――九州から参加のHitomiさんは地元の八女茶をプッシュ。「近所のいつも利用しているお茶屋さんのお茶ですが、なかなかいいお茶ですよ。お茶づけのお茶にしても美味しい」今回、産地では八女茶と狭山茶が人気。(写真:Hitomiさん)

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<Tadahito>はるもえぎ(うずまき屋)/天日干しふくみどり(大西園製茶工場)
――狭山茶生産者のTadahitoさんからは品種茶2種が紹介された。プロの選ぶ美味しい緑茶とは? 「うずまき屋さんのはるもえぎは旨味が濃厚で、かつ、爽やかな香りでおすすめです。ふくみどりは全国手もみ茶品評会で何度も日本一になった中島毅さんのお茶。くっきりと花の香りがするんですよ」
<Joannie>京番茶(出島園/京都・京田辺)
――ホノルルから参加のジョアニーさん。「こちらはもう21時なのでカフェインの少ないお茶がいいかな。そしてホノルルは雨なので、お番茶がちょうどいい感じです」ジョアニーさんはハワイにいながら藤枝の紅茶なども個人輸入して楽しんでいる。
<Darjeeling>モルゲンタウ(ロンネフェルト)
――こちらは中国緑茶のフレーバーティーで、マンゴーや薔薇の香りのお茶。なんと最初と最後に日本茶以外の緑茶が登場。海外メゾンの緑茶も、フレーバー緑茶も、最後の最後に初登場でした。Darjeelingさんのアイコンのすてきなお茶、実はダージリンではなくモルゲンタウの写真だというのは、クラブハウスではちょっと知られたエピソード(写真:Darjeelingさん)。

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 この時期なのに新茶、またレアな品種茶なども続々登場。セイロンに負けじと緑茶もなかなかマニアックな時間に。<緑茶>という同じテーマでこれだけの産地、季節、品種、さらには製法のお茶が揃い、しかもひとつもかぶりがない……。登場茶数18、参加者数33人(最多時)。聞いているだけでも刺激的な一時間となった。


☕16時~ インド(ダージリン以外。アッサム、ニルギリなど)☕
~アッサム以外にもあるの?~


 さて、紅茶に戻ってインド、ただしダージリン以外(ダージリンだけ別枠なのは、ちょっとした忖度?)。アッサム、ニルギリなどが有名どころだが、果たしてどんなお茶が飛び出してくるか。

<INDEN>アッサムティーラテスターブリッジティー
――カフェを経営者INDENさんは、お店の人気メニューを紹介。そう、今回の12時間マラソン茶会の賞品を提供してくれている白金台のカフェだ。ティーエスプレッソマシーンで作るというアッサムティー、「香ばしさがなかなか好評です」(写真:RYOSUKE)

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<Ryosuke>ニルギリ(ジークレフ)
――Ryosukeさんは人気紅茶専門店のお茶をペアリング視点で解説してくれた。「ニルギリは甘じょっぱ系の食事に合いますね。すき焼きなんか最高! ニルギリのすっきり感が脂や砂糖を流してくれるうえ、清涼感、ハーブ感のあるお茶なので、香りの強めな春菊ともマッチします」
<CHIKAKO>アッサムCTC(カレルチャペック)
<Sayaka>アッサム(エディアール)
――「後味が甘くておいしいんですよ」と、Sayakaさんとお茶合宿中のYukiさん。「淹れ方がいいのかな!」と、淹れ手のSayakaさん。エディアールも紅茶好きでなければ聞きなれないブランドかも。東京ならば新宿伊勢丹の地下で手に入るという。
<Darjeeling>ニルギリ・ハブカル農園Frost Tea(リーフル)
――その名の通り、Darjeelingさんはダージリン好き。このあと19時からのダージリンタイムを仕切ってくれる予定だ。「ダージリンに偏っているので、それ以外は知識が足りないんですが」といいながら、この時間初めての茶園ものをあげてくれた。


<Hitomi>アッサム・ナホルハビ茶園ファーストフラッシュ(ジークレフ)
――福岡でティールームを営むHitomiさんの紹介で、アッサムの茶園が初登場。「ファーストフラッシュ、アッサムにしてはちょっと淡いんです。淡くてちょっと、グリーンな風味」
<Fukuto>メグハラヤ(フォートナム&メイソン)
――マニア中のマニア、Fukuto氏がまたレア産地のお茶をぶっこんできたぞ。アッサムとバングラディシュの間に位置するメグハラヤ州のお茶だそう。「アッサムのコクとダージリンの香りを持ち合わせた紅茶ですね」それは飲んでみたい……。
<Miho>アルナチャルプラデシュ(マリアージュフレール)
――レア産地話が続き、アッサムとブータンの間に位置するというアルナチャルプラデシュ州の紅茶も紹介された。「甘い香りのお茶です。アッサム茶樹が発見された土地なんですが、生産量が少なくて、100グラム7000円ほどします」
<みかまる>アッサム・トンガナウン茶園(コンパス)
――ハーブティーブレンドマイスターのみかまるさんも、このテーマから参戦。レア産地からアッサムに戻ったものの、また聞きなれない茶園が登場した。「ミルクティー、ストレート、どちらでも美味しいアッサムです」
<Tadahito>ネパール ジュンチヤバリ農園ウィンターフラッシュ(ジークレフ)
――「ネパールでもいいですかね?」と遠慮がちに紹介してくれたTadahitoさん。正確に言うとインドではないが、今回ネパールを紹介できる時間がないのでOK。日本茶の専門家が選ぶ紅茶、さすが人気茶園のなかでも繊細で間違いなく美味しいシーズンを推してくれた。


<Mineko>ドアーズ・ブッタルジョーラ茶園
――まだまだ流通量の少ないドアーズの紅茶が好きだというMinekoさん。「ブッタルジョーラのお茶は女性的、という感じがします」。ドアーズのおすすめ、買えるお店などをもっと知りたいとのこと。
<あかね>アッサム・シロニバリ茶園(ルピシア)
――おなじみルピシアのお茶がここで初登場。どんなお茶でもあるお茶屋さん、アッサムの種類も豊富だ。「ルピシアならアッサムのブレンド、<カルカッタオークション>もおすすめですよ」
<ようこ>アッサムCTC(カレルチャペック)
――おなじみの日本のお茶ブランドが続く。「カレルチャペックのアッサムは濃く淹れると美味しい!」
<諒大>紅茶花伝(コカ・コーラ)
――おもしろいもので、通なお茶を飲む人がひとり出ると通なお茶の紹介が続く。身近なお茶が続くと次の人も……そんな流れができるようで。「紅茶花伝はダージリンとアッサムのブレンド……OKですよね?」OKです! 
<圭位子>インド紅茶専門店シルバーポット
――圭位子さんからはお茶単体ではなく、インド紅茶の買えるお店の紹介。中国茶の専門家だが、一時期はシルバーポットの紅茶をひたすら取り寄せ、飲んでいたとか。
<Mariko>アッサム(新宿高野)
――紅茶専門店ではないお店にも、あなどれないお茶はある。Marikoさんは成城石井などでも買える<TAKANO ゴールドラベル>というシリーズをご紹介。「このシリーズ、ニルギリも美味しいですよ」

 登場茶数15。うちアッサム9、ニルギリ2、その他産地が4。参加者数46人(最多時)。マニアック紅茶勢、お手軽紅茶勢と硬軟取り混ぜたお茶が並んだ1時間。「インド紅茶縛り、ダージリン抜き」……少し責めづらいテーマだったはずだが、それぞれのスタンスでインド紅茶を堪能した。


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管理者 かむら 

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