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整備士のフライトジャケット|おとぎ話|宙に謳え

 目を覚ますとコワクが朝食を作ってくれていました。

 今日はフルメンテナンスの日。電力供給も通信も遮断され、人造人間たちも停止し街が動いていません。

 2人は着替えて、キャンピングカーで森へ行くことにしました。

 森の中には墜落した戦闘機がありました。

 戦闘機に興味津々なコワク。
 近づいてみると、機内から物音がします。
 整備士の老人が修理していました。

 何かコワくに向かって話しかけますが聞き取ることができません。
「おじーちゃん、入れ歯が合ってないよ」
 おじいさんは何か喋るたびに入れ歯が外れてしまっています。

 くわえタバコのままレンはキャンピングカーにある簡易的な工具をおじいさんに渡しました。
 それから何度もおじいさんが話しかけるたびにレンは何かを渡したり手伝いました。
 「言ってること分かるの? レン?」
 「いや、わかんないよ」

 レンとコワクは焚き火で夕食を作り、おじいさんも誘いましたが断りました。

 それから、戦闘機はエンジンが掛かり、コワクは喜び、おじいさんは腰をトントンしました。
 もう、夜明けが近い空の色をしています。
 レンはフライトジャケットをおじいさんからもらいました。

 レンが目を覚ますと、辺りは森の奥まで朝日で満ちています。
 コワクは夕食の残りで朝ご飯を作っていました。
「そのジャンパーどうしたの?しかも、ボロボロ〜」
 レンはいつの間にか見ず知らずのジャンパーを羽織っていました。
 レンはコワくに昨夜あった事を説明しました。

「私もなにか貰いたかったなー」
 と残念そうにしながら朝ご飯を食べます。
 レンはフライトジャケットを脱ぎ、コワくの肩にかけてやると喜びました。





※このページの画像は全て生成AI画像です※

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