確実に相手の印象に残る方法
想像してみてください
あなたは、
東京ビックサイト級の
デカい展示会に
仕事で行きます
何か商機はないか
新しい人脈は作れないかと
一生懸命ブースを巡ります
その度に名刺を渡され
パンフや資料を山ほどを持たされ
周れば周るほど、いったいどこをどう周ったのかだんだん訳が分からなくなって
会場を出る頃には疲れ切って
手元に残った名刺の束、顔も何も覚えていない
誰の印象も残っていない
記憶にない
私たちは毎日、
ものすごくたくさんの人と
ものすごくたくさんの情報に
晒されているので
その中で、誰かの印象に
自分のことを残すというのは
想像以上に難しいのです
それでも、
記憶に残りたい
良い印象を植えつけたいと思ったら
どうすればいいのでしょうか?
実は結構、簡単です
キョーレツなオンリーワンを発揮することです
ナンバーワンじゃなくていいです
オンリーワンになればよいのです
(どっかで聞いたことあるな)
私の中で
キョーレツに印象に残り
心に焼きついている
スーパーのレジのおばちゃんがいます
(私も立派なおばちゃんなので、親しみを込めて「おばちゃん」と呼ばせていただきます)
その方の、何がキョーレツなのか
頭で考えていることが
全部、弾丸トークになって
飛んでくるところです
いつものスーパーに行きます
例のおばちゃんのいるレジに
商品の入ったカゴを置きます
「いらっしゃいませ、お待たせしました!」(声大きい)
「◯◯、□個、△△△円」…(以降全て復唱で確認)
「あっ、お客さま、傘はカゴにかけたままで大丈夫ですよ」
「◯◯は2つ、2つでよろしいですね?はい2つ」
(元々カゴには2つしか入っていない)
レジ袋つけます?あ、マイバックご持参ですね」(自己完結)
「お会計◯◯円になります。ポイントカードお持ちですか?あぁゆっくり出していただいて大丈夫ですよ、ポイントつけないと勿体無いですからね、はいつけました、ありがとうございます」
「ビール券ご利用ですね…ちょっと待ってくださいね…これいくら分だったかしら…ビール券もいろいろ種類がありますから、発行年によってもちがうんです、そうなんですよ、私覚えていられなくて、申し訳ありません…はい、確認しました、ビール券ご利用ありがとうございます」
「あっ、優待券もお使いになりますか?これ1000円で100円引きなので、あと130円ちょっとお買い物すれば、合計2000円になって200円引きになりますがどうしましょ?…あ、大丈夫ですかそのままで。じゃ一枚券をお預かりして、はい残りはまたぜひ次回にお使いください」
「残りはクレジットカードですね、はい…じゃお隣の支払機でお願いします、あっ、ご移動ゆっくりでいいですよ、次に待ってる方いませんから、はい、ありがとうございましたぁ!」
ざっとこんな感じです
おそらく、普通にレジを打つ方の
3倍はしゃべってると思います
ちょっと慌てたような
ものすごい低姿勢の話し方で
私が、このおばちゃんに出会ったのは
今の住まいに引っ越してきた5年前
最初は、
その弾丸トークっぷりに面食らいました
なんて、よくしゃべるおばちゃんなんだ
レジの工程を
全部口に出している
しかも、
お客さまへの声かけが
やたら細かい
傘はそのままでいいです、とか
別にどうでも良いことだし
優待券なんて
正直、そこまで提案する
必要ある…?
もしかしたらこの方は
レジ係のパートを
始めたばかりなのかもしれない
慣れない仕事だから
つい、考えてることが
全部声に出ちゃうのかも
(しかも声大きい)
やたら低姿勢なのは、
まだ自己評価が低いから
申し訳なさそうな声になっちゃうのかも
そんな
「仕事に慣れようと頑張っているレジのおばちゃんの姿」を私は勝手に想像して
心の中で、密かに
「頑張って…!」と応援していました
「いつか慣れたら、もっと落ち着いて、お仕事できるようになりますよ…!」
心の中でそっと話しかけてみたり
その方がいるレジにわざと並んで「あ、大丈夫です」「こちらこそありがとうございます」とか言ったり
そして5年経ち、今
おばちゃんのトークスタイルは全く変わりません
むしろ、弾丸に磨きをかけて
あの手この手で、お客さまに役立ちそうな配慮の言葉をどんどん投げかけてきます
別に仕事に慣れていなかったわけでも
自己評価が低かったわけでもなく、
あの弾丸トークスタイルが
おばちゃんにとって「標準」だったわけです
ここで大切なのは
5年もの間
私の印象に確実に
おばちゃんが残り続けていたことです
スーパーとおばちゃんの印象は
ほぼ一体化し
あのスーパーに行けば
あのおばちゃんがいる
いない時は無意識に探し、
いる時は遠目で眺めて、
隠れファンのように
見守っていたことです
大きなスーパーなので
おばちゃんは他にもたくさんいます
しかし
あのおばちゃんほど
キョーレツなオンリーワンを放っている
方は、いません
あまりの言葉の多さに
「ウザい」と思うお客さまもいるかも知れません
でも、少し考えればわかるはずです
オンリーワンの弾丸トークは、
お客さまに少しでも役立ちたい
お得に便利に買い物をしてほしい
おばちゃんの熱い想いが溢れ出した結果なのだと
確実に良い印象しか残りません
キョーレツなオンリーワンは
ただ、目立てば良い・人と違えば良いということではありません
人柄の良さ
私のことを一生懸命考えてくれている想いの熱さ
それが伴って、初めて
キョーレツなオンリーワンが
忘れられない素晴らしい印象を残すのです
まずは、相手のことをしっかり考える
次に、あなたにしかない表現の仕方で
思いっきり伝える
きっと、大量の名刺の束のなかで
キラリと一枚輝いて、抜き出してくれるはずです