《新訳》ハイパワー・マーケティングを読んでみた!-第1章あなたの飛行計画-ビジネスの極意「卓越論」を理解しよう
はじめに
マーケティングの名著「ハイパワー・マーケティング」の新訳版を読んでみました。この本は、フォーブス誌が選ぶ米トップ5のコンサルタントで、メンターのメンターと称されるジェイ・エイブラハムの世界的ベストセラー『Getting everything you can out of all you've got』を新たに全訳し直したものです。
本書は非常にボリュームがあるため、今回は第1章「あなたの飛行計画」のp.31~p.35に注目し、その洞察を現代のマーケティング、特にウェブマーケティングの文脈で解説していきたいと思います。
そして、「この読んでもみた!」シリーズの読者ターゲットは、これからマーケティングを勉強したい人、もしくは、1年目~2年目など初級マーケターの方です。ぜひ何か感じるものがあってくれればと思います。
「卓越論」とは?
まず、「卓越論」という言葉を聞いて何を思い浮かべるでしょうか?卓越??他よりもめっちゃ優れている?論??という感じですよね….著者ジェイ・エイブラハムが定義する、「卓越論」とは、ビジネスにおいて他者と明確な差をつけるための戦略的な考え方を意味します。ポイントは、単なる技術や製品の優位性ではなく、もっと深い「哲学的なアプローチ」に基づく戦略を持つことです。
この「哲学的なアプローチ」とは、単に商品やサービスを売ることにとどまらず、クライアントの本質的なニーズや価値観を理解し、それに基づいた長期的な関係を築くための戦略です。具体的には、以下の4つの要素が重要です。
1.クライアント中心の視点
クライアントを単なる商品購入者ではなく、あなたがその成功や満足を支援すべきパートナーと考えます。これにより、彼らの長期的な利益や成功を考慮した提案やサポートを行います。
2.表層的なニーズの裏にある本質を見極める
顧客が求めているものの背後にある真の目的や欲求を理解することが重要です。例えば、ドリルを買う人はドリルそのものが欲しいのではなく、それを使って「穴」を開けたいのです。その「穴」をどのように提供するかが、あなたの戦略の核心となります。
3.長期的な価値創造
短期的な利益追求ではなく、クライアントに対して長期的な価値を提供することを目指します。これにより、クライアントは信頼感を持ち、あなたとの関係を続けたいと思うようになります。
4.競合他社が見過ごす視点を持つ
多くの企業は表面的な競争に注力しますが、卓越論では、他社が気づいていない市場の隙間や顧客の潜在的ニーズを発見し、それを満たす方法を考え出すことが重要です。
クライアントの「真のニーズ」を理解する
「卓越論」を実践するための第一歩は、クライアントの「真のニーズ」を理解することです。多くの場合、クライアントが表明するニーズは、その本質的な欲求の表層に過ぎません。マーケターとしての役割は、その表層的なニーズの裏にある本質を見極めることにあります。
先ほどの「ドリルを買う人は穴が欲しい」という例を思い出してください。クライアントがドリルを購入する背景には、例えば新しい家具を作るためだったり、家の修理をするためだったりと、さまざまな目的があります。それらの目的を理解し、それに最適なドリルを提案することが、クライアントの真のニーズを満たすということです。ここで重要なのは、クライアント自身がまだ言語化できていないニーズや欲求を先読みし、それを満たすためのソリューションを提供することです。
この考え方は、マーケティング全般に応用できます。たとえば、ウェブマーケティングにおいては、単に商品を売るための広告を打つのではなく、ターゲットオーディエンスの真のニーズを理解し、そのニーズを満たすためのコンテンツを提供することが求められます。これにより、ただの「顧客」ではなく、長期的に関係を築ける「クライアント」を得ることができるのです。
「卓越論」の現代マーケティングへの応用
現代のウェブマーケティングにおいて、「卓越論」をどう活かすかについて考えてみましょう。インターネットが普及し、情報が瞬時に広がる現代では、顧客が求めるものは単なる商品やサービスではなく、もっと深い価値や体験です。ウェブマーケティングにおける成功は、いかにしてクライアントの真のニーズを捉え、それに対して独自の解決策を提供できるかにかかっています。
具体例として、オンラインストアの運営を考えてみましょう。多くのストアが価格や商品ラインナップで競争していますが、卓越論を応用することで、他のストアとは異なる価値を提供できます。例えば、商品選びに困っているクライアントに対して、パーソナライズされたレコメンデーションを提供することで、彼らが本当に欲しい商品を見つけやすくするというアプローチがあります。また、購入後のフォローアップや、商品の使い方を紹介するコンテンツを提供することで、クライアントの満足度を高めることができます。
さらに、コンテンツマーケティングの一環として、クライアントが抱える問題に対する解決策をブログや動画で提供することも効果的です。これにより、クライアントはあなたのビジネスを単なる「販売者」ではなく、信頼できる情報源として認識し、結果として長期的な関係が築かれるのです。
さいごに
今回紹介した「卓越論」は、全てのマーケターにとって非常に重要で、必要不可欠な考え方です。特にウェブマーケティングにおいても、この戦略的な思考がクライアントの満足度を高め、ビジネスの成功につながる鍵となります。クライアントの「真のニーズ」を理解し、それに基づいた価値を提供することで、クライアントのビジネスを成功に導くことができると思います。
次回は、「クライアントの顧客生涯価値を計算する」の部分を取り上げようと思います。この解説がマーケティング初心者や初級者にとって、このシリーズが役立つガイドとなることを願っています。
エンディング後の裏話し
定価2,100円。現在ではAmazonで10,000円以上で取引されている本書。(30,000円以上の値をつけていることも...)
実は、旧訳は数年前に読んだことがある。新訳は読んだことがなく、何とか読みたかったがなんせ高くて....私が住む区の図書館にもあるらしいが、ずっと貸し出し状態。ほんとにあるのか??怒
痺れをきらし、お盆休みに読むために、12,000円で購入。高かった〜。笑 実はバットストーリーはこれで終わらず、お盆休み用に購入したのに、仕事が忙しくお盆休み返上!
なので、毎日少しずつ読んでます。。
ここまで読んでくださった方、よろしければ定価の約6倍で買い、お盆休みなしの私にこの記事のスキをください。笑