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そのへんのOLのカジュアルお遍路のすすめ 20 楽々編(徳島④)
結果的に安易に流れたけど、苦渋の決断だったから!
安易にタクシーに決めたわけじゃないから!
しかし神山町コミュニティバスがなくなっていたのは予想外だった。
22日目 徳島
第12番 焼山寺
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徳島駅前13番乗り場から神山高校行きに乗って、終点下車。そこから歩く。
徳島バスは全域フリー乗車券があって、一日に往復するならばそれを買った方が安い。
https://sp.tokushima-bus-ticket.jp/tabs/home/merchandises
神山町を歩いていると何故だか吉野を思い出した。
町を流れる鮎喰川の下流は吉野川だ。吉野川のお向かいに紀ノ川の河口があり、紀ノ川を遡ると吉野川にたどり着く。
符号みたいな対応関係に不思議に思って調べてみると、紀ノ川の上流吉野川は昔は広範囲、もっと下流の丹生都比売神社あたりまでを呼んでいたのだそうで、それ以上はわからない。吉野の名前自体は飛鳥時代まで遡る。
そういう古代史浪漫に頭がとっぷり浸っているので、焼山寺(一日がかり)に行くなら、神山町内にある上一宮大粟神社に行きたい、と計画段階で寄り道を考えていた。
神山高校から焼山寺まで歩いて上り下りして上一宮大粟神社に行くと、帰りのバスに間に合わないかもしれない。神山高校から上一宮大粟神社はそこそこ遠い。
よし。タクろう。
豪遊だ!
ちなみに往復+大粟神社で7500円汗
実に豪遊だった。
山道くねくね大分上がる。
駐車場からは徒歩10分くらい、ゆるやかな登りの山道を歩いて行く。
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なかなか絶景。
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途中、時々石仏がある。
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着いた!
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本堂は山門から少し上がった正面だ。
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太子堂はその右隣。
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ちなみにここは車やタクシーで来ると、駐車場代が500円なので注意が必要だ。山の上のお寺は道路整備費とか駐車場代を取るところが多い。
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由来に妖怪(?)が出てくるの面白い。
神山から登ってくる途中に、初めて逆打ちをした人のお墓があった。
なんでも、罰当たりなことをした人がそのために本当に罰が当たって、それを免れるために遍路を何周も回って、ここで力尽きて行き倒れだのだそうだ。死ぬ間際に弘法大師にまみえて救われた、という伝説がある。その持っていた杖が杉として育った。持っていた石は石手寺にあるらしい。え? 松山の?
自転車でバタバタ回ってたので気づかなかった! だから石手寺なのか!
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帰りの参道、なんだか明暗が美しかったのでパチリ。
23日目
11番から1番は、自転車で回れないことはないのだけど、レンタサイクルがないというか、高い。
というわけで歩いて半分ずつ行くことにした!
第11番 藤井寺
季節的にフジは咲いていなかったが、藤の木が寺の名の由来らしい。
鴨島駅からてくてく40分ほど歩いて行く。
途中から趣のある田園風景になり、遍路宿も点在する。
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12番が車以外だと公共交通機関を使っても一日がかり、歩きなら二日かかるので麓の宿が必須なのか。いつかやりたい歩き遍路のために覚えておこう。
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大師堂。
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本堂。どこから来たのか道々は私以外誰も歩いていないのだけど(冬は歩き遍路の季節じゃない)お寺に入ると大賑わいだ。
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大師が植えたにしては若いのでこれじゃないのかな。
藤棚があった。
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境内から焼山寺までの遍路道があると案内があったのだけど、この道かなあ?
第10番 切幡寺
残りは徒歩なので楽々と思ってたんですよ……。
まさかの、藤井寺~切幡寺間、徒歩2時間半!
さすがにそんなに歩くと飽きるわ。
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吉野川を渡ったときはちょっと気分上がったけど、ここからでも確か1時間40分とかかかったような。
藤井寺からは2時間半だけど、最寄り駅の鴨島駅からでも歩いて2時間だからね(>_<)
鴨島駅から藤井寺も歩いているので、これだけで15キロくらい歩くことになる💧
途中から上り坂になる。まあまあ大変。最後の階段330段でとどめを刺された。これの前に歩いてなければ330段くらい平気そうだけど、15キロ歩いた後の330段はきつい。
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切幡寺の由来は機織り娘が大師のために織っていた織物を切り取ってくれたことらしい。その娘は観世音菩薩になったと言うが、元から化身だったのか、大師のおかげで観世音菩薩になったのかわからない。
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こちらが大師堂。
帰りは駐車場の方から降りた。Google先生は一本先の道を案内したが、駐車場に上がる道の方が楽そう。
あと、全体でも十軒と見かけてないお遍路グッズのお店が駐車場に上がる道の方にはあるので、買い足したいものがある時もこちらの道の方がいいな。
第9番 法輪寺
体力の限界はここできた。
疲れたしか言葉が出てこなくなった。
道はとても楽だったのだけど。
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お遍路用の鞄が皆様真っ白。使いたてのほやほや。
車遍路なら一日目、歩き遍路でも二日目あたりの位置に法輪寺はある。
私も次回はこの装備で順打ちでまわりたいな。
四国一周してきて思うことには、四国っておいしくて楽しい。ただの観光よりお遍路の方が魅力をよく知れる。ちょっと大変だけど、得るものは多いな。自分の体力と精神力の限界を知って、労ることと鍛えることを考えるようになった。
第8番 熊谷寺
法輪寺からなら40分ほどで着くので、2時間半を体験した後ではぬるいぬるいと疲れ果てつつ気合いを入れて向かったものの……。
駐車場からがけっこう長いね💦
駐車場に納経所がある。
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仁王門は駐車場の手前にあったと思う。
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駐車場からはこんな道をてくてく歩いて行く。
子連れのお遍路が多かった。
写真の子は、お遍路さんの子どもかも? 道路を掃いていた。徳を積むときっと将来何かの役に立つよ。多分、徳というのは自分を成長させるためにある。
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本堂。大師堂は左の階段を上っていく。 熊谷の熊は熊野権現の熊らしい。
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もう夕方に近く、暗くなってきたので、二天門に明かりが灯った。
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めっちゃ雰囲気あるな。
今日はここまでにして帰ろうと思ったら、徳島までの交通手段がなかった。
15時半。7番に行く時間はある。体力が限界なだけなので。だが、鴨島駅まで歩くと1時間半。7番は50分で着く。7番からバス停までは20分。どう考えても7番にいった方が歩く距離は短い……。
第7番 十楽寺
逆打ちだとずっと下り坂だったので、順打ちだとずっと上り坂で辛そう💦
熊谷寺からは徳島自動車道と併走する一般道を歩いて行く。全然市街地ではないので、日が暮れたらどうしようと不安だった。四年前の香川の、白峰寺からの帰り道の暗闇はトラウマだわー。よく見ると街路灯はあるので、東京ほど明るくなくても、なんとか歩けそうではある。山の中のお寺を歩き遍路する時を考えると、遍路は5月あたりがベストシーズンなのかも。
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津照寺にもこんな感じの門があったような。
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本堂。納経所は正面の建物入り口すぐで、奥は宿坊になってる模様。
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こちらが大師堂。
歩き遍路の一日目は第7番 十楽寺か、近くの第6番 安楽寺で宿泊するのが普通みたい。第7番まで20キロあるけど。法輪寺までそのくらい歩いたけど、かなり体力削られてへとへとだったので、5番あたりまでが都会育ちのその辺のOLの限界かも。
第6番 安楽寺
十楽寺で16時40分で、安楽寺まで徒歩15分。行けるか!?
バス停に行く途中にあるので、間に合うなら行きたい。
へとへとに疲れていたはずなのに、走った(>_<)
なせばなる!
間に合って、無事一日終了。
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また中華風の門だわ!
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温泉山という名の通り、温泉が湧き出している。
宿坊に泊まると温泉に入れるみたい。
本堂はちょっと神社ちっくな作りだ。拝殿のような建物が手前にある。
納経所は本堂の中にある。
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塔が綺麗。
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本堂の右手奥に大師堂がある。全体的に整っていて気持ちのよいお寺だ。
楽々だと思っていたのだけど、しばらくぶりに歩いたせいか残存体力なし。
明日で結願なのだけど、あと5寺、行けるかなあ?
なおー。
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31キロwww
相変わらず一切痩せてません!
自転車でも徒歩でも30キロ超えると体力の限界が来るね……。
上一宮大粟神社
神山町まで行ったので! むしろこのためにタクシーにしたので!
上一宮大粟神社に行ってきた!
上一宮大粟神社は延喜式の八倉比売神社の可能性があるらしい。八倉比売は大宜都比売だと、大日寺前の一宮神社に書かれていた。
祭神は大宜都比売。
明治時代に埴生女屋神社に一度改められたが、後に現在の社名に改められた。
で、その埴生女屋神は何者かと言うと、前回に書いたが、小松島の大神子海岸近くに建島女祖命神社という神社があって、ここで埴生女屋神が祀られている。埴生女屋神は埴山姫とも言うが、建御名方の妹神だそうで、建嶋女祖命下照姫だそうだ。
安房忌部氏の系図を見た感じ、八倉比売は稚日女っぽかったけど、こうなると下照姫になって、またも親子同一神。
大宜都比売の神話的にも稚日女の神話っぽかったので、どちらを信じれば良いかというと、系図の混乱もあるかもしれないが、少なくとも阿波と紀伊では大宜都比売は下照姫なのかな。
ただ、熊野の家都御子神は大宜都比売の子ということじゃないかなと考えると、やはり稚日女も大宜都比売と呼ばれていたように思えるし……。
(まだ妄想は止まない)
とりあえずその上一宮大粟神社だ。
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バスの車窓からもこの立派な鳥居は家並みの向こうに見える。
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こちらが神門。
阿加流姫関係の神社に来るとよくあるこの鄙びているのにぞわぞわする感じ、鮮烈な神域の空気、ここもだ。
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社殿!
神主さんは月次祭の時にはいらっしゃるけど、普段はお仕事を持ってらっしゃるそうで不在だとか。(土日はいることもある)
御朱印は麓のしずくストアで書き置きを受けられる。
麓というのも、ここは小高い丘になっていて、なかなかすごい階段を上っていく。
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大きな石を積み上げて作られた階段で苔むしていてちょっと怖い。
ここは一宮神社の元宮で、一宮だったのは下流の一宮神社でここでないのだろうけど、なぜここにこの神社が作られたのかは気になる。
社伝によれば伊勢の多気から馬に乗ってこの地に来て、この地に粟を広めたのだそうだ。
伊勢から来たのは丹生都比売と同じなので稚日女だけど……。
ここからいくつも山を越えた北西10キロ、越えるのは1日がかりだし道がなければ遭難するだけなので、古代人が超えたとは思えないが、そこに忌部神社がある。
神山町の雰囲気は奈良の吉野に似ている。神山町を流れる鮎喰川は下流で吉野川に合流する。その合流する手前の最後の山が気延山と一宮神社のあるところで、弥生時代の遺跡もそこに集中している。