見出し画像

真の深刻劇場はここでした、親子の絆って。未だ自問自答してます。 12

両親への怒りの力で進む私である限り本当の幸せは訪れないから

※アメブロで2014年に書いた「自分史」を加筆・再考し掲載しています。


両親が帰ったあとの部屋は静まり返っていました。

引越し間際で
家の中は食べるものも殆どなく

「なにか食べなきゃね・・・・」
と言葉にだして

なんでそんな言葉が出るんだろうと思いました。
全然おなかなんかすいてない。

こんな私でもお母さんだから?
自分で自分を笑いました。

画像1

家を売ると決意してから

自分なりには
いろいろ考えてすすめてきたつもりでした。

が、結果的には
こんなことになるなあ。

「なにやっても両親にはわかってもらえない」

自分がわかってもらえるように
関わってきていなかったことは
もう、ずうっとあとにわかりましたが

でも当時は

両親になじられたことで
私自身一番されたくなかった状態と
自分の感情「全否定」された感覚に陥り。

まさに「真っ暗な中にひとり」
な気持ちになっていました。

なので、
そんな中息子たちにごはんを呼びかけた自分に
笑っちゃったんですよね。

▼△▼△▼△▼△

子ども達は二人とも無言でした。

あのときこどもたちはなにを考えてたのかな

今となってはわからないけど
両親と仲良くできないわたしに対する
思いがいろいろあったんじゃないのかな。

わたしはわたしの思いだけで
両親への怒りを大きくしていたけど

わたしの代わりに
ふたりの息子たちを

保育所に迎えにいき
ごはんを食べさせてくれ
休みの日はいろんなところに連れて行ってくれ
熱がでたといっても一度も嫌な顔をせず
快く孫たちの面倒をみてくれていた両親。

こどもたちは知っていたはずです。

でも、当のわたし自身はそんなことこれっぽっちも
思うこともありませんでした。
ひたすら「被害者」でした。

画像2

随分時間がたっていました。

私がご近所挨拶から戻ったのが17時半くらいだったから、
もう5時間以上。

疲労困憊をとりあえず超えて

自分の部屋に戻った長男に声をかけるために部屋にいきました。
正直かける言葉はみつかりませんでした。

責める気持ちもなければ
だからといって一緒に住もうとは思えません。

でもこのままで
今日を終えてはいけないと思いました。

長男は音楽を聴いて
ベッドに座っていました。

わたしをみて
「これから俺どうすんねんや。」
というのです。

「あんたにはじいちゃんの言葉を聞かせたくなかったんよ。

そしてもう(子ども家庭センターの)○○さんのお世話になるしかないよ」

長男は言いました。

「・・・・わかった。明日行くわ。」

ようやく。

ようやく
長男が自ら動くと思いました。

あと2日しかないけど。

でも、自分で働く、生活する。
ようやくホンキになったのだと。

「がんばるねんで」
とわたしは初めて長男を抱きしめました。

長男はポトポト涙を落としました。

その時、確かに思いました。
この子も抱きしめてほしかったのかもしれないなと。

でもね
まだそのとき私は
長男への思いより
自分が楽になりたかったです。

ほんとどうしようもないよ、私って人間は。

画像3

リビングに戻ると
次男が泣いていました。

訪ねてきた長男から話を聞いた
わたしの母からうちに電話があって

次男がうっかり
次どこに住むのかも言ってしまったのです。
(住所をいってはいけないよって言ってたら○○の前って
とてもわかりやすい説明を言っちゃったんですって・笑)

次男の中学校ではトップシークレットで
この計画が進む中で

「住むところが長男にばれておなじようになったら
もう次男だけでも別場所に避難です」

と言われていたことを次男も知っていたからでした。

そして

わたしが両親としていた話を聞いたのと
その後、わたしが長男の部屋で長く話しているので

この引越しをしても
また長男が一緒に住むことになるのでは
と思ったようです。

わたしもですがそれ以上に

次男の長男に対する怯えようも
もうギリギリまで来ていました。


私は言いました。

なあ、
たくさん考えたよねー

新しい家も
一緒に決めて

こうやって住んで
こんな部屋にしよう。

もうお金がなくなったりしない。
痛い思いもしない。

ふたりで
平和に生きていこうなーって
約束したもんな。

なにも、変わらへんよ。

…次男は安心して眠りました。

自分がしたことではありながら
わたしは身が切られるようでした。

△▼△▼△▼△▼


わたしの二人の大切な息子たち。


どっちも大切だったはずなのに
どちらのしあわせも願っているはずなのに

「長男を切り捨てる」ことで
踏み出すという決断を

わたしは結局変えなかったのです。

そしてその決断を突き動かすのは

わたしの中の
「両親への怒りや悲しみ」でした。

引越しまであと2日。

いいなと思ったら応援しよう!