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真の深刻劇場はここでした、親子の絆って。未だ自問自答してます。 13

親にしてもらえなかった事をしてやれないのは親のせいなの?

※アメブロで2014年に書いた「自分史」を加筆・再考し掲載しています。


引越し前日の昼前。

長男は子ども家庭センターの人のところへ
出向いていきました。

わたしはもう新しい家に運び込まれるものや
自分で運び込むものなどの手配があり
一緒について行ってやることはできません。

ここまできておいてなのですけど、
わたしはものすごい罪悪感にさいなまれていました。

これまでの人生。
両親に言われてきたことには
ものすごく反発してきた割に

最後は実は「自分で決めて」
親の言う通りの進路や仕事を選ぶ
人生をおくってきました。

つまり
「親のいうなりの人生」のようにして生きることで
よくないことが起きると

「親のせいにして怒りを募らせる」
という思考がすっかりクセになっていたのです。

引っ越しの準備の一人でいる
新しいなにもない部屋で

またもやグルグルグルグル
そんなことを考えていました。

「なんであたしこうなっちゃうんだろう…」

今回の引越しのように
「迷わずすすむ」ためにはいつも
両親から逃げるように事をすすめるわたし。

ずっと昔にもありました。

いつも黙って行動することで
周りの人を結局巻き込んで大変なことにしていました。

そして
いつもどうしてこうなるのか
当時は全くわかりませんでした。

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昼すぎに
子ども家庭センターの方から電話がはいりました。

ギリギリになって
すぐに住み込みで働けるところはほとんどありません。
そして、たったひとつ待っていてくれた職場も
長男は断ったと言うんです。

長男からその後電話がはいりました。

一人暮らししている友だちの家に
しばらく厄介になったあと家を借りる。

仕事は前してたところがまた来てって言われてるから。

長男にはわずかではありますが、
新しい生活を軌道にのせるまでには十分なほどの相続分を
渡すことを話していました。

仕事をしながらなら、住むところを借りるくらいのお金は
十分にあるのでなんとかなるというのです。

うーん…。

家庭センターの人は言いました。

「こんな風にまでなっても最後まで、『自分』ではなく『他人がなんとかしてくれる』と思っていますね。

でも、もしかしたらそうやって生きながら変わっていく人間もいる。

お母さん、もう少し待ちましょう」

正直
「まだ待つのかよ・・・・」と思いました。

「待つ」意味がよく
わからなかったです。

もう、いっぱいいっぱい待ったよ・・・・・ってね。

そのころのわたしの「待ってる」は

「監視する」「信用しない」「わたしにとって困ったことはしない」「私の思い通りになること」

そんな感じ。

自分が長男のために
「やることはやった」「もうこれ以上は無理、無理!」
という世界におりました。

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家に帰ると長男の荷物は

少しなくなっていて
もうすでに友だちの家に半分持っていったといっていました。

ことのほかサバサバしていて

わたしもやっとホッとしました。

△▼△▼△▼△▼

引っ越し前夜。

17年住んだ家を
一部屋ずつ見回ってみました。

もう未練もなにもないと思ったけど
こどもたちや主人と生活した証はちゃんと残っていました。

最後に
息子たちの部屋にそっと入ったとき

寝返りをうった長男が
寝言を言いました。

そのときのことは忘れません。

「おとうさん…。」

胸がはりさけそうでした。

主人を相変わらず許せないわたし。

長男にも愛想つかせて手放すわたし。

みんな苦しんでいるのに
自分「だけ」が苦しんでいるかのように
自分の思い通りに周囲を動かそうとするわたし。

当時、もしもわたしに
亡くなった主人のはなしを
もっとこどもたちとできる心があったら

なにか、変わっていたのかもしれないと
ふと過ぎりました。

でもね
すぐ心の声が返してきました。

「そんなことできるわけないやろ

自分の思ってないこと口にするほうが
ずっとずっとわたしによくないわ。」

と。

そう

お金のことも
彼女のことも

まだまだなにも
私の中では解決していなかったのです。

それでも

息子たちの気持ちを思うと
心がちぎれてしまいそうな痛みでしたが

とにかく、母親としてはもちろん、
人間としてもわたしは

とてもとても未熟でした。

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次の日の朝はやく

三人で
家の前で

円陣組んで(何故?)

長男は意外に元気に
去っていきました。

あっけないほど・・・・・。

こうして

次男に
「老けたよね」と言われながらの引越しが終わり

いよいよ
次男との二人の生活が
はじまることになります。

2012年12月12日のことでした。

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