あの時の約束
人とのつながりを久しぶりに感じた一日だった。
こまちゃんという友人がいて、昨年、闘病の末、亡くなった。
長い闘病だったから、人と話したくない日もあろうかと思って連絡しないでいたら、ちょうど、私の病気の手術の頃に亡くなった。
こまちゃんはすごく愉快な人で、会った瞬間「あ、この人大好き」と思える人。30代の人が多い職場で私の2歳年上だったから、二人で同世代ネタで盛り上がっていたことを覚えている。亡くなられたと聞いて、「若い」と思ったけれど、この人はずっとたくさんの人の心に留まり続ける人だとも思った。そんな人生の終末を向かえる人がどれほどいるだろうか。
昨年、仕事を病気で休んだ後にしばらく療養している時間があって、その時に目の見えない人の外出を支援する「同行援護」の研修を受け、同行支援サービスに登録していた。その後は仕事を始めたりして、なかなか実際の同行援護をすることがなく、1年近く過ぎていた。先週、同行支援サービスから仕事依頼があり、土曜日に近隣でウォーキング1時間とあったので、これならできそうだなと引き受けてみることにした。
ご自宅に行ってみると、利用者の方は凄く綺麗な素敵な人で、話しやすく色々と話していると共通の知り合いがいることがわかった。
その人がこまちゃん。ふたりともそのことに凄く驚いて、話しながらしばし呆然としてしまった。こんなことってあるんだな...。
ウォーキングをしながら二人でたくさんこまちゃんの話をした。このご縁が続けばいつもこまちゃんの話をすることになるだろう。
昨日はこまちゃんに会えた気がして、幸せな気持ちで帰路についた。
家に帰ってからこまちゃんが亡くなる1年前のLINEのメッセージを久しぶりに見てみた。「今度、公園でコーヒー飲みたいな〜」とこまちゃん。
このささやかな願いは叶わなかったけど、この知り合った方とこまちゃんのことを話しながら公園でコーヒーが飲めるかもしれない、と思った。
人と人のつながりは、その人の身体がそこにいなくなっても続くんだなとそんな幸福に包まれた秋の日だった。
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