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私がブラジルの虜になった理由🇧🇷| 21/54ヶ国目 | 世界一周ふりかえり

★世界一周21ヶ国目、ブラジル
★滞在日数:2023年2月5日〜21日(17日)
★かかった金額:¥197,815/2人

世界一周を振り返って、私が心から最も好きになった国はどこか。

それは、南米の大国、ブラジルだ。

訪れたのは2023年2月、夏の真ん中だった。
私をブラジルの虜にした魅力を、思い出と共に紹介したい。


ブラジルの好きなところ①多様性に溢れている

ブラジルは多民族国家だ。

私は新しい国に行く時、まずは外務省の各国の基礎データが掲載されているページで基本情報を仕入れていく。その中に、「民族」というカテゴリが大体あるのだが、ブラジルのページにはこう書かれている。

欧州系(約44%)、アフリカ系(約10%)、東洋系(約0.4%)、混血(約45%)、先住民(約0.6%)(ブラジル地理統計院、2022年)

ブラジル基礎データ(外務省ページ)

混血45%とは、なかなか見ない表記だ。
歴史の中でどれだけの人種が混ざり合ってきたのかが伺える。

人種の多様さは、入国してすぐに感じ取れた

街で見る人の肌の色、髪の毛の質や色、顔立ち、体型・体格、実に様々だった。

ブラジルは世界最大の日系人居住地でもあり、日本人である我々も特に目立ったりしない。
どんな風貌の人でも馴染める空気で、極端なアウェイさを感じさせず、非常に居心地が良かった。

多様さは人種だけでない。
セクシュアリティも様々で、それがオープンである雰囲気をビシバシ感じた。

道を歩いていて、店先でキスし合ったり、手を繋いで歩いているゲイカップル・レズビアンカップルを見かけることはとてもたくさんあった。
(人権として本来当然であることだが)彼ら彼女らは至って堂々としていて、特に周囲も何か気にしたり変な目で見たりすることも、私が見ている限りはなかった。

服装もそう。ラテン系の国では露出が多い傾向があるが、ブラジルは特にすごい。
夏だからというのと、後述するがカーニバルのシーズンだったこともあるのか、日本人からしてみればそれはほとんど下着ではないかという格好で歩いている。笑

下に履いているのはピンクの網タイツと黒のパンツだけだったり、
上もほとんどビキニだったり、
男性は上すら着ていないし、上半身のタトゥーがファッション。(これだけ裸になるならタトゥーもするよと納得)

どんな体型でも気にすることはなさそうな感じで、自由で好きなファッションを楽しんでいる。

カーニバルの日の地下鉄の駅

露出が多いことを注意されたり批判されたりする日本の文化とは大違いで驚くと思うが、世界にはこういう場所もある。

どんな肌の色であることも、どんな人を好きになることも、どんな格好をすることも、自分は自分であり、人から気にされるべきことではない。

そういった「自分は自分であって良い」と言わんばかりのエネルギーを、私はこの国から強く受けたのだった。

だから私は、この国が大好きになった。

ブラジルの好きなところ②楽しむために生きている

ブラジルといえば、

「サッカー」と「リオのカーニバル」

を思い浮かべる人も多いだろう。

2月はその「リオのカーニバル」が行われる季節。

「リオのカーニバル」というと、それこそ露出度の高い派手な格好をしたお姉さんがサンバを踊りながら練り歩くパレードだと思っている人も多いかもしれないが、実はあれは単なるパレードではなく、れっきとした「コンペティション(競技大会)」なのだ。

ブラジル全土から予選を勝ち抜いた上位のグループが競う決勝大会、それが「リオのカーニバル」で、「サンボードロモ」というカーニバル専用スタジアム(!)で行われる。



夜の22時スタート、朝の6時終了という驚きの時間設定で、それが2部リーグの決勝2日間、1部リーグの決勝2日間と連日開催されるというクレイジーなスケジュールだ。さらに、毎日朝7時からはストリートカーニバルといって、スタジアム外の一般のストリートで人々が踊り騒ぐ祭りが開催される。

カーニバルの期間は国民の祝日となっており、人々は仕事を忘れてカーニバルに集中する。

しかも実は本カーニバルの前1週間はプレカーニバル、後1週間はポストカーニバルとも言うらしく、とにかく約3週間の間ブラジル中がお祭りモードになる。

なんということだ!

カーニバルのために国民の祝日で連休となり、朝から晩まで飲んで踊って騒ぐ人々を目の当たりにして、私は素直にそう思った。

ちなみに彼らは大事なサッカーの試合も仕事を中断するそうだ。

ブラジル人に言わせてみれば、「当然じゃないか!」というところだろう。

そうやって熱中する彼らを見ていると、人は何のために生きているのかを教えてもらえるような気がした。
好きなものがある、熱中する。普段は働き、好きなもののためには休む。
彼らから湧き出す「楽しむために生きるエネルギー」は凄まじいものだった。

さらにいうと、あれだけ大きい国土で人口は2億人以上もいるのにも関わらず、
これだけエンタメが多様化している時代において、国民のほとんどが「サッカー」と「カーニバル」にはこぞって熱中するということ自体にも、シンプルさというかまっすぐさが感じられて、個人的なお気に入りポイントの一つでもあった。笑

それでも気になること…凄まじい格差、麻薬密売に加担する少年

ここまで述べたように大好きなところがたくさんあるブラジルだが、もちろん全てが完璧ではない。

ブラジルの”ここはやっぱりちょっと・・・”をあげるとすれば、やはり経済格差と治安だ。

ブラジルは、人口の上位1%が国の富の半分を所有し、一方で人口の約半分は月収が1万円ほどで生活するという、想像を絶する格差が存在している。

その理由には、そもそも開発ができていないエリアとの地域間格差や、教育にアクセスできないことによる負の連鎖といった様々な理由があるようだ。

ちなみにブラジルはiPhoneの価格が高い国世界トップ3に入っており、スマホのスリ・強盗は数え切れないほど発生している。(リオのカーニバルで気をつけなければいけないこと第一位がスマホのスリ。)
逆にいうと、iPhoneを持っているブラジル人を見たら、間違いなく格差ピラミッドの頂点にいる上位数%の人ということだ。

ブラジルの貧困を象徴する「ファベーラ」という地区がある。
いわゆるスラム街で、黒人奴隷解放後に居住地を失った黒人たちが丘に不法に住居を建てたのがはじまりで、現在も不法住居のまま多くの人がそこに住んでいる。
リオ市内ではなんと市民の4人に1人はファベーラに住んでいるという.

ファベーラにある家。雨水を溜めるためのバケツが屋根にあるのも特徴。

旅行者は決してファベーラに勝手に入ったりしてはいけない。
なぜなら、ギャングのアジトになっているからだ。勝手に入ろうものならスパイだと見なされ銃口を突きつけられることもある。
だから入る時にはツアーか、現地をよく知るブラジル人と一緒でなければいけないが、私たちはひょんなきっかけで、リオにある大きなファベーラを、ブラジル人の友人と歩くことになってしまった(そのつもりはなかったのに…)。

不思議なことにファベーラというのは意外にもギャングたちによって治安が保たれており、ローカルフードのお店や日用品店などがあっていたって日常の風景があった。
しかし、当たり前のように、ライフルを担いだ少年にすれ違ったりもした。彼らは、ギャングの麻薬密売の見張りをさせられているという。

生きるために、武器を担いで麻薬密売に加担しなければならない少年たち。
かたやファベーラの丘の下に立ち並ぶシャングリラホテルやヒルトンホテルなどの高級ホテルの景色。
このパラレルワールド感。あまりに不条理な世界線に、言葉が出なかった。

右側がファベーラ、左側が高級ホテル街

それだけ貧困層が多いと、政府・パブリックの機能として、どうしても貧困層支援に寄るので、中間層からすると満足ではない部分も多いようだった。
ブラジルの友人に聞くところによると、公教育の品質は最悪で、相当な貧困家庭でない限りは、頑張って私立に行かせようとするのが一般的だとか。(年間120万円くらいはかかる)それがまた教育格差につながり、社会格差・経済格差につながっていく負の連鎖。

夜になると、盗電で電気を引いて灯す家々の電球の明かりで、ファベーラの丘がキラキラと輝く。
その景色を遠くから眺めながら、この格差をどうすることもできない無力さにうちひしがれた。

***

多様なバックグラウンドをもち生きる人々の姿や、楽しむことに全力であるパワーや、生まれた場所が違うだけで突きつけられる不条理な構造などに触れたブラジル滞在。

私を突き動かすものがこの国には詰まっていた。
ブラジルでの経験は、間違い無く私の旅後のキャリア選択にもつながっている。

綺麗な言葉で片付けることはできないけれど、いろいろな形で「生きるエネルギー」を伝えてもらった気がして、私はブラジルという国に心から惹かれた。

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