サバのカルマ

人間は生き物の命をいただく以上、

カルマ（自分は宿業と認識）を多く背負うらしい。

最近もまたカルマを一つ背負った

焼きサバの切り身を食べ損ねて腐らせてしまった

あのとき箸を伸ばしておけば、捨てることにならなかったのに

夜遅く帰って、冷蔵庫を開けたら焼き魚の残りが目に入る

魚食べるの面倒、明日の朝にしよう、とそのとき、

あのサバの切り身が頭をよぎった

また同じことを繰り返してしまう

もう同じ過ちを犯すのはごめんだ、

もうこれ以上カルマを背負いたくない

おもむろに切り身に手を伸ばす

しかし冷え切った切り身を食べるのは気がすすまない、

冷えた白身魚の切り身は弾力が強すぎて口当たりも悪くなりがち

なによりそのまま食べると魚臭さが気になる

疲れて帰った重い身体を奮い起こし、フライパンを手に取り熱する

オリーブオイルを好みの量垂らし、

冷え切った白身魚をフライパンに入れて二度焼き

まずは皮目から焼き始める

匂いはそこまで広がらない、換気扇つけてるし

とりあえず温めて食べたい

オリーブオイルと魚の油なら夜に摂っても罪悪感は少ない

３〜４分ほど焼いて、柔らかくなった身をほぐしながら皿にあける

冷めないうちに「いただきます」

あ、おいしいかも。

オリーブオイルと魚の油が意外とマッチして洋食っぽい味に変化

皮から焼いたのが正解だった、皮がパリパリで美味しい

いつもなら苦手な皮目が今夜は絶品、オイルの香りがしみて上品な味だった

二回も火を通してるから骨も柔らかくて気にならない

我ながらうまく焼けた、夜遅くに魚を頬張ってご満悦

私をここまで動かしたのは、あのときのサバの後悔があったから

残り物も少しのアレンジで美味しくできることがわかった

食べるだけでなく、調理をもっと工夫してみよう

時短も研究してみよう

そうやって

もうあのサバのようなことはするまい、と心に誓う

それでは、皿洗いするとしようか

追記

カルマについてはコチラを拝見、色々感じることあり。

まじめな話、食材を捨てること、無駄にすることに麻痺し、なにも感じないことが一番まずい
この分野こそ個人の日々の「心がけ」でだいぶ変わると思っている