人は誰でも〈優しく〉、そして誰でも〈冷たい〉。心の中で〈ふふっ〉っと笑えたらいいね。〈カフェ32〉
私は店でも自分でコーヒーを入れて飲む。お客さんが居ない時とか、それにお客さんと飲む事もある。何故って、コーヒーが好きだから。このブレンドコーヒーが好きだから。
そうね。いくら自分の店とは言っても仕事中になるのかな。普通、店長さんみたいな人は、仕事中に店でコーヒーはあまり飲まないのかな。
どちらかというと、一緒に飲むとなるとクラブやスナックみたいなお酒を共にするお店。
でも、私は飲みたくなれば飲んでいる。お客さんが一緒に飲みたいと言えば飲んでいる。更には一緒に勝手に飲んでいる。
それって、たまたま来るお客さんが〈優しい〉から?。
そうね。
確かに〈優しい〉お客さんばかりかもしれない。だけど、お店がそこにあって入る場合、先ず〈嫌な雰囲気〉だとか〈この店嫌い〉と思う店には基本入らないと思う。
だから、普通みんな〈優しい〉。少なくても嫌そうな態度をして〈嫌われたくて〉入って来る人はあまり居ないと思う。
ただ、お酒が入っていたり、誰かに仕方なく連れて来られた場合は好んで入って来た訳じゃ無いから、気に入らなきゃ〈もう来ないでおこう〉となるかもしれない。
もちろん、入る時は良いイメージで入って来ても雰囲気とかが違ったりしても、もう来ないのかもしれない。
反対もある。
どんなに始め感じがいいお客さんでも、騒いだり苦情を言って来られたら、その言い方にもあるけれど一瞬〈冷たさ〉を感じてしまう事がある。
そう、人は殆どは自分自身の感情やイメージで行動する。そしてそれは自分自身にとって〈得〉になるかならないかの為に。
そんな事は無いよ。
そう思うかもしれないけど。
例えば、好きな人が出来たとする。その人に好かれたくて一生懸命アピールをする。今まで表した事も無いような〈優しさ〉で。相手が望みそうな物や事を与えたり、親切にしたり。
〈わぁ、なんて優しい人〉ってね。
だけど、いざ付き合ってみたら〈あれっ、こんな筈じゃ無かった〉。そう思ったらもう相手に興味も無くなり更には嫌気さえ生じて来る。
すると、あんなに優しかった人は全く違う態度になる。
〈ごめん、別れよう〉ならまだいい。率直で。
〈貴方は本当に優しい。だけど私には勿体ないくらい。これからはお友達で居たい〉みたいな興味も無いのに変な〈優しさ〉アピール。自分は悪くない、悪く思われたくない。ある意味の偽善者。
それでもまだいい。
最悪なのは〈音信不通〉。嫌いになったから、興味が無くなったから知らん顔。音信不通にする方はいいかもしれないけど、された方は〈心配〉や〈不安〉になるだけ。好きだったなら余計それは深くなる。
どうしたのか?。何かあったのか?。嫌われたのか?。例えば、喧嘩したり何か理由があるなら納得いく場合もあるだろうけれど、それでも、どれだけ悩み、傷つき、自分を責めたりするだろう。
そう。
人は、〈自分自身にとって〉が基本になる。いくら相手の事を思っての行動であったとしても、全ては、相手が〈納得〉しなければ〈優しさ〉ではない。
相手の事を思って離れたとしても、相手が納得していなければ、本人は〈優しい〉いい人と思い、相手は〈冷たい〉酷い人と思う。例え、どんな事情にしても。
よく、私は〈優しいです〉と言う人がいる。
う〜ん。誰がそう言ったのか?。自分がそう思っているのか?。
決めるのも、そう思うのも、それは言っている本人では無くてか関わる〈相手〉が決め思う事。
だから、〈優しさ〉とか〈冷たさ〉は誰にでもあるし誰にでも与えてしまうと言う事。
本人が気づかないうちに。
だから、私は人の〈優しさ〉に素直に感謝し嬉しく思い、もし私から見て〈冷たいなぁ〉って思っても、なるべく〈ふふっ〉っと笑って過ごせたらいいなぁって思っている。
相手が悪い訳でも無く、もちろん自分自身が悪い訳でも無い。ただ、いろいろなタイミングが合わなかっただけ。そして、〈縁〉が無かっただけの事と。
どんなに気に入ったお客さんでも、来なくなる事もある。お客さんにもいろいろ事情がある。感情以外でも引っ越しや仕事関係等で。それでも、〈明日から引っ越すんですよ〉なんてわざわざ言いに来てくれるお客さんが居たら、本当に嬉しい。でも、それさえも出来ない事情さえある事もある。
それはもちろん〈冷たい〉訳では無いけれど、離れ行く人にはなるべく心の中で〈ふふっ〉っと笑顔になれる関係で居たいと思う。
〈縁〉があればまた逢える。
それを楽しみに。
人は誰でも〈優しく〉
そして
人は誰でも〈冷たい〉
そんなものなのかもしれないね。
一人静かにコーヒーを飲みながら、ふっと微笑んでいる。そんな時間もいいなぁなんてね。
それでも、やっぱり誰かを待っている。
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