🍀エッセイ🍀 〜60歳になったら年寄り〈老人〉を山に捨てに行く【姥捨山伝説】〈長野県千曲市〉をふと思い出した〜 知ってますか？〜〈ｶﾌｪ89〉

ふと、今では60歳なんてまだまだ現役で、元気な世の中なのに、長野県千曲市に伝わる【姥捨山伝説】の１つを思い出した。

知っていますか？。

昔、国王〈殿様〉から〈働けないような年寄り〈老人〉は不要だから捨てよ〉というおふれ〈命令〉で孝行者の息子は60歳になった母親を背負って姥捨山に捨てに行ったんだよね。

途中、母親は、帰り道息子が道に迷わない様に木の枝をポキポキ折りながら登って来たのだけど、その母親の優しさに孝行者の息子は母親を捨てられず家に連れて帰って床下に隠していたんだよね。

そして、しばらくすると我が国に隣国から〈解けなければ攻め込む〉と難題を突き付けられるんだけど。それが、

《灰で縄を綯〈な〉いなさい》

困り果てた国王〈殿様〉は、国中におふれを出し良い知恵は無いかと聞いたんだよ。

その話を聞いた息子は母親に話すと母親は、

《藁を塩水に浸して、その藁で縄を綯って焼けばよい》と聞かされそれを板の上でやって持参するんだよ。

国王〈殿様〉は喜び褒美を与えたんだ。

するとまた

《叩かないでも鳴る太鼓を作れ》

するとまた、母親が

《太鼓の革を剥がし、その中に蜂をたくさん入れて、また革をはればよい》と聞かされ、また息子は差し出したんだ。

するとまた

《玉〈竹の説もある〉の曲がりくねった穴に糸を通してみよ》

するとまた、母親が

《片方の穴の周りに蜂蜜を塗り、もう片方の穴から蟻に糸をつけて入れればよい》と聞かされ、また息子は国王〈殿様〉に伝えたんだよ。

主には、この３つの難題なんだけど、

《大きさも姿もそっくりな馬の親子の親を当てよ》で、〈桶に餌を与えると馬は子供に先に餌を食べさせる〉という事。

《太さの同じ一本の木の先と根を区別せよ》で、〈水に浮かべると根の方が下に沈む〉という事。等

そんな難題を、次々説いてしまう賢い国を攻めても負けてしまうと隣国からの攻撃は無くなり、国王〈殿様〉から

「褒美を取らせる。望みを遠慮なく申してみよ」

と言われ、息子は実は「······」母親を捨てられず隠していた事や、この知恵は母親から聞いた事を話すと、国王〈殿様〉は、息子の思いやりや母親〈老人〉の知恵に感動し、これからは年寄り〈老人〉を捨てないというおふれを出し、家族仲良く暮らして行ける事になった。《内容はちょっと違った諸説あります》

そんな話なんだけど、昔は60歳だと足腰も弱くなり動けなくなる感じだったんだろうけど、今の60歳って本当にお元気そのもの。

もし、今60歳の親を山に置いて来ても、親の方が早く家に戻って居るかもしれないですね。

人は、確かに身体は衰えるけれど、知恵や知識は備わっているのだという事。

ふと、歳を重ね身体が衰えても、誰でもみんな若かった頃があって、いろいろ思うよね。

身体が若い頃より動かなくなって、覚える事も鈍く、忘れやすくなるけれど、誰でもそうなるという事。

もちろん、何歳になっても現役バリバリの人もいるけれど、殆どの人は少しずつ衰えて行く。

でも、それでいいんじゃないかな。

優しい高齢者も居る、若者を毛嫌いする高齢者も居る。

優しい若者も居る、高齢者を毛嫌いする若者も居る。

でも、いいんだよ。

みんな、そうだったんだから。

みんな、そうなんだから。

いろいろあるからね。人生や世の中って。

誰だって、毎日笑って楽しく暮らしたい。でも出来ない時がある。

思うように行かなかったり、辛く悲しく寂しい時、素直に笑えない時もあるよね。

本当は優しくしたいのに出来なかったり、本当は優しくされたいのに意地を張ってみたり。

でも、わかっているんだよね、本当は。

素直になりたい、でもなれない。

約80年の人の人生の中。

いろいろあるよね。

若い時はわからないかもだけど、歳を重ねると、いろいろ思うんだろうね。

若かった頃や、今を。

そして、思うんだろうね、私の人生って何だったんだろうなぁってね。

何なんだろうなぁってね。

そして、いろいろな笑みを浮かべるんだろうね。

大笑いだったり、ふっと微笑んでみたり、苦笑いしてみたり。

ふと、60歳になる時に人は何かを思うのかなって、思うんだよね。

　〜そんな事を思うひととき。

　　コーヒーに癒やされながら。

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