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🎄ママ!メリークリスマス🎅《勇樹》さんがやって来た🎁あの限定シュークリームゲット🍰一緒に食べましょう🧁〈カフェ74勇樹7〉
街はなんだか騒がしい。
そう、気がついたらもうすぐクリスマス。
イルミネーションや、いろいろな店舗もクリスマスカラーだ。私もなんだかんだ言って店のドアの前に〈クリスマスリース〉を飾った。店の中にはカウンターに小さな〈Xmasツリー〉を飾った。
なんだか、それだけで嬉しくなる。
赤と緑色って、なかなかビビットな感じよね。
特に好きな色じゃないけど、クリスマスにはやっぱりこれよね。
カラン、カラーン。
入って来たのは、勇樹さんだった。
在宅勤務になって、殆どはここでパソコンで仕事していたけど、最近は姿が見えなかった。師走で忙しかったのかな?。仕事、出勤していたのかな。
「ママ、久しぶり。仕事が出勤になっちゃって、会社も気まぐれで、そんなんでいいんだから適当ですよね。でね、例の限定シュークリーム買えましたよ。今度は、ママのも」
「あら。嬉しいですね」
そういって、勇樹さんはカウンターの真ん中に座った。手に持っていた限定シュークリームの箱をカウンターに置いて。
「ママ、一緒に食べましょう。ちょっと早いメリークリスマス」
「そうですね。ありがとうございます。今、コーヒー入れますね」
私は、勇樹さんのオレンジ色のパンダのマイカップにコーヒーを入れた。
「もちろん、ママもコーヒー飲んでね」
「ありがとうございます」
そうして、勇樹さんと二人で《メリークリスマス》。
たまたまお客さんは他には居なかった。と言ってもいつも満席になるような店ではないけど。
勇樹さんは、静かにシュークリームの入った箱を開けると限定シュークリームが4個入っていた。
「あら、もしかしてまだ家には帰ってないの?」
確かに、良く良く見たらスーツ姿だった。それに、シュークリームが4個。
「はい、前回みたいに食べ損ねないように先にママと食べようと」
「いいの?」
「いいんですよ。だから奥さんには2個買いましたから。私はまた冷蔵庫に入れて寝た振りして奥さんに2個食べさせますよ」
「あらあら、なんだかんだ言って優しいんですね」
勇樹さんは、限定シュークリームを私が出したお皿に2個並べてくれた。
「きっと、美味しいですよ、ママ。食べましょう」
「ありがとう。いただきます」
ちょっとシューの部分が硬めでゴツゴツしている。そのシューをかじると中から濃いめの黄みが濃くバニラビーンズがポチポチのクリーム。
味は、ほのかに甘いかな。
うーん。確かにコクがあるかも。コンビニのシュークリームより。
「美味しいですね」
私が言うと
「はい。美味しいです。良かった、ママに喜んで貰って。それに、今更気づきましたが、Xmasツリーあったんですね」
カウンターに置いてある小さなXmasツリーを見て、勇樹さんが言った。
「一応、クリスマスですから」
「そうですね。メリークリスマス、ママ」
「ありがとう。メリークリスマス」
私は、勇樹さんが買って来てくれた限定シュークリームを美味しく頂いた。
「ママと食べると、前のコンビニのシュークリームも美味しかったなぁ。美味しさって、そのものもあるけど、場所や誰と食べるかでも違うのかもしれないですよね。やっぱり、誰かと喜んで貰いながら食べるのって嬉しいですよね」
勇樹さんは、そう言って笑った。
「そうですね。不思議ですよね。美味しさって、舌で感じるのは当たり前だけど、目や脳でも感じるんですよね」
「そうそう、だからお店の雰囲気って大事なんですよ。どんなに美味しいって言われてもお店の雰囲気が悪いと行かないし、逆にお店の雰囲気がいいと、多少美味しくなくても行くんですよね」
ちょっと意外だった。男性の勇樹さんから聞く話しだとは思わなかったから。
「そうなんですか?。意外ですね」
「そうですか?。私は意外にお店の雰囲気が第一なんですよ」
「へぇ。そうなんですか。やっぱりロマンチックなんですね」
私がそう言うと、
「いやいや、そんなんじゃないですけどね。ここは一番」
「あら。ありがとう」
そんな話しをしていると、二人とも限定シュークリームは食べ終わっていた。
「ママ、ごめん。もう行くよ。シュークリーム心配だから」
勇樹さんは、そわそわしている。
「もしかして、私に限定シュークリーム食べさせる為に寄ってくれたの?」
「ママ、シュークリーム好きだって言ったからね」
「ありがとう。本当に美味しかったです。それなら早く帰ってあげて」
「ママ、こちらこそ、ありがとう。また、ゆっくり来るから」
勇樹さんは、そう言ってちょっと足早に帰って行った。もちろん、私のコーヒー代も置いていってくれた。
コーヒーを入れて5分も居ただろうか。
早かった。
限定シュークリームが4個入っていた。
ここで2個食べて、残りの2個を奥さんにかぁ。
前回、冷蔵庫に勇樹さんと奥さんの分の2個買って来て入れておいたら、2個とも奥さんが食べてしまった。だから、帰る前にここでシュークリーム好きの私と限定シュークリームを一緒に先に食べた。
うんうん。嬉しいかな私は。
それで、あのシュークリームの箱は4個入りの大きさだった。
2個ここで食べたから、なんだか箱が2個にしたら大きすぎるよね。
また、冷蔵庫に入れておくって言ってたけど。奥さん何か気づくのかなぁ?。
「プッ!」
ちょっと、可笑しくなってしまった。
何かしらバトルを繰り返す、勇樹さん夫婦。
ちょっと、今度来る日が楽しみ。
もうすぐクリスマスかぁ。
みんな元気かな。
そんな事を思いながら、カウンターの小さなクリスマスツリーを見ていた。
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