時計も読めない頃

きっと僕らは、時計の読み方も文字の読み方も何も知らないあの頃がいちばん幸せだったのかもしれない。
知識に頼らず、己の感じたままに表現していたあの頃こそが僕が帰りたい場所なのかもしれない。
「純白」。この言葉がいちばん当てはまる時だった。恥も見栄もなく、心の準ずるままに生きていた。
地元に戻れば私のルーツを見つけられると期待していたのかもしれない。けど、私自身がこれまでの集積のレンズを外さないことにはそんなものは一生かけても見つけられない。ただそこにあった事だけが分かるだけで、その時に見えていたものは見れない。

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