アナザースカイ
憧れの場所。
想い出の場所。
忘れられない場所。
自分を変えた場所。
生まれ故郷とは違うもう一つの故郷。
一番大好きな場所。
「アナザースカイ」の定義は人それぞれ異なるだろう。
でも、1つだけその定義に共通点がある。
それは、
原点であること。
いま、自分自身が、ここに立っていることのきっかけになっている場所が
「アナザースカイ」なんだと思う。
だから、誰にも分かり合えない色んな想いが詰まっている。
特別だけど、特別という言葉だけじゃ全然物足りない。
もっと、もっと、、もっと、、、自分にしか知らない言葉で表現するような場所。
アナザースカイに「出会う。」とか、「出会わない。」とかじゃない。
創った自分でさえも気づいていないかもしれない、自分しか知らない秘密基地。
私のアナザースカイはパリだ。
小学2,3年生の時にその秘密基地を見つけた。
テレビで、パリの別世界のように美しい街の路地をみたその一瞬で釘付けになった。
日本の様々な色や形が並ぶ住宅街、不自然に統一されている銀色のビル、、、まだそんな日常の景色しか知らなかった私は、まるで物語の絵のような世界が現実に存在していることを知った。
それから少し経ったあと、絵本にしか出てこないような壮麗なパリ・オペラ座劇場をみて、その一瞬でその写真に引き込まれた。
その場所で、その舞台で、バレエを踊りたい。
私は絶対にパリに行く。
そう決めたとき、
もうパリ以外に私の視界を捉えることはなかった。
ただただ、幼心にパリオペラ座の壮麗な劇場の舞台の真ん中で踊りたかった。絵本のようなパリの街の世界に入りたかった。
そうして、私はフランス・パリにとりつかれ、高校2年生の夏、その夢の一部分を叶えた。
2年間もがき苦しんだ末に手に入れた1週間のパリ滞在。
パリ・オペラ座をみたとき。
パリの街をみたとき。
セーヌ川からパリの夜景をみたとき。
時間も思考も何もかもが止まった。
何秒・何分・何時間ずっと見続けてもそこから一歩も動けなかった。
今でも現実だと全く思えないほど、その当時もずっと夢の中を彷徨っているかのように、現実だとは到底思えなかった。
パリのバレエレッスンに参加したとき、
バレエの原点に立ち返ることができた。
1週間のパリ滞在は、何ものにも、誰にも共有できないものだった。
今では色んな別世界の景色があることも、美しい舞台があることも知っている。
けれど、パリは私にとって特別以上の感情を色褪せることなく持ち続けている場所だ。
そして、その感情は景色も形も色も私以外誰にも分からない秘密基地。
だから、
パリは私のアナザースカイ。