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美術館の作品は、ベッドの中で完成する

わたしは現代美術館によくいく

美術館で見たもの、感じたもの、
その時ふむふむと思っているものは、
私にとっては

要素(elements)を拾い集めている時間に過ぎない

なんならじっくりみていたら想像が飛び散りはじめて、笑けてくる

え、なんだ、ただの棒じゃないか
ただの線じゃないか
とすんっと後ろに引く感覚もある

その作品に関心を向けている自分を
外側から少し恥じてしまうような
そんな心と共に見ている

でもそんな「我に帰ってしまった」自分の視点もこの場では楽しんでいたい
そんな気持ちも時に垂れ流しながら
さまざまな作品と向き合う時間が
なんともむず痒くてすきだ

なかなかそのままの作品を
その場で感じるのは私には難しい

その場で見ている他の人の質感だったり、
進む道順などに気を取られて
やはり美術館内で心は遮断しているものだから
他者と共にみることで感覚に入り込む作品もあるのかもしれないが
私の場合大抵は
もちかえる

美術館で拾った質感や目に映った映像を
心の錨にひっかけながら持ち帰って

眠る時に繋ぎ合わせたり そのままにしたり
解放したり 沈めたりする

夢に出て来て自分のもとにくる時もある

何日、何年も経ってふと蘇ってくることもある

意味で理解するのでも感覚でわからなくても
心の四つ角の隅に残っているものの、
その勝手な反応に身を委ねて楽しむ

美術館の楽しみ方
見て何になったか、それは自分でもわからないこともある
それが、それも、おもしろいなと思うので

明日もよくわからない作品に出会いたい

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