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チームの働き方をアジャイルに

私は23年4月よりDX推進室と人事部を兼任しています。今回はおもにDX推進室で起こっていたこと、今チャレンジしていることとそこから起こった変化について書いていきます。


DX推進室とは

丸井グループでDXを推進するにあたり、優れたUI/UXをデザインできるデジタル人材がいない、という大きな課題がありました。そこで株式会社Goodpatchさまと共創して、株式会社Mutureというジョイントベンチャーが22年4月に誕生しました。そしてDXの取り組みをさらに加速させていくためDX推進室が22年9月に新設されたのです。
*丸井グループのDXへの取り組みはこちらもぜひご覧ください

Mutureメンバーの仕事の進め方や働き方はこれまでの丸井グループにはないことだらけで、様々な領域で丸井グループ社員に伴走してDX支援をしていただいていますが、これらの取り組みを確かなものにするためには私たちは自走できる組織になる必要があります。また、大きな組織においてDXを進めていくには「開発体制」「業務環境」「情報セキュリティ」「人材」「働き方」と、あらゆる領域からのアプローチを同時におこなっていくことが求められます。複雑に絡み合い、一筋縄ではいかないことばかりで自分達だけの力では成し得ることはもちろんできないため、Mutureや社内の各部署と対話・連携しながら一歩ずつ進めていくのが私たちDX推進室の役割です。


チームがうまく回ってない・・?

正直にお伝えすると、4月から9月までの半年間はあまりチームがうまく回っていなかったと思います。
DX推進室は組織としてちょっと特殊な成り立ちで、当時は専任者が1名のみで、室長含め残り8名が兼任者という構成でした。それぞれ経営企画部・M&Cシステム・人事部を兼任してます。(23年10月からは専任者が2名になりました!)
私自身、異動した直後で新たな環境に慣れてなかったせいもあり、とにかく時間に追われてしまい「とりあえずタスクを進めていれば良い」「本当はお互いに助け合いたいけどその余裕がない」という状況になっていました。
毎週定例のミーティングをセットされていたのですが、「別案件と被ったので欠席する」「進捗確認の場になり、特段案件がなければ発言しないで終わる」「案件がないなら集まる必要もないのでそもそものミーティング自体リリースする」ということがあり(いずれも私自身よくやってしまってました‥)、チームとしてのつながりが希薄になっていたように思います。本当は困っていることを相談したい、ただ雑談したい、と思ってても、それすら出来ない状況になってました。専任のメンバーから見れば非常にもどかしい状況だったと思い反省しています‥。


アジャイルな働き方

これまでの丸井グループでは、計画通りに着実に進めていく、いわゆるウォーターフォール型の仕事の進め方が主流でした。変化のスピードが遅く、アウトプットや達成すべきことが明確に決まっている場合(例えば店舗や商品づくり等)には適していますが、正解がなくゴールが可変していくような不確実な状況(UIUXや社会課題等)においては、アジャイルな進め方が求められます。
アジャイルとはソフトウェア開発の手法のことだけではなく、非システム領域含む、組織全体のあり方にも適応されるものですが、基幹系システムを得意としてきた丸井グループには知見がない領域です。そこで外部の講師をお招きしてアジャイルに対する理解を深めるためのワークショップを開催していただきました。この日をきっかけに、私たちは働き方を振り返るとともに、チームがうまくいってなかった感覚を共有しあい、本音で対話することができました。そして、アジャイルな働き方へ自分たちがチャレンジしていくことを決めました。

チャレンジ①インセプションデッキ

アジャイル開発において、プロジェクトを成功させるために大切なものが”インセプションデッキ”です。プロジェクトが始まる前に関係者全員で作成するドキュメントで10個の質問から構成され、チーム内で共通認識を持たせることができる重要な役割を担います。本来は10個すべてに回答するのですが、私たちはDX推進室としての存在意義を明らかにし、チームの拠り所をつくるべく「我々はなぜここにいるのか」の問いを分解して、全員で言語化していきました。

  • 私たちのお客さまは誰なのか?

  • なぜ私たちなのか?(なぜあなたなのか?)

  • なぜDX推進室が必要なのか?

1回のミーティングではもちろん終わらず、何度も集まり、みんなが納得できるまで話し合いをしたプロセス自体にも大きな価値があったと思います。

「我々はなぜここにいるのか?」

チャレンジ②プロダクトとプランニングポーカー

DX推進室では大きく3つチームに分かれています。
これまでは「管理職のメンバーが各チームの責任者となり、タスクごとに適切だと思う担当者を事前にアサインしてメンバーの意見を聞いて確定する」というチーム編成の仕方をしてました。
それを今期からは3チームをそれぞれ一つの”プロダクト”とみなして、管理職は”プロダクトオーナー”となり、その価値の最大化を推進する役割を担うことに変更しました。また、社内グレード上は管理職であっても、プロダクトによってはいちメンバーとしてアサインされることもあり、まさに縦横ナナメにつながる関係性になっています。

それぞれのタスクを誰がやるかは、プランニングポーカーという手法を用いてみんなで決めました。2か月間のタスクの大変度合いを「せーの」でカードを出し合い、何人必要かを見積もります。そのうえで、どのタスクをやりたいかを手挙げ式で決めていきます。

タスクごとにカードで必要人数を出し合い、ばらけた場合は話し合ってすり合わせる

チャレンジ③フェイスtoフェイス

兼任者が多いチームなので、出社してても普段はバラバラのフロアにいるため業務外のコミュニケーションが取りにくい環境にありました。そこで10月からは、週に1回の定例ミーティングは原則出社でリアルで開催するようにしています。
オフラインで集まると、コミュニケーションにちょっとした余白が生まれて雑談がしやすく、オンラインでは得にくい”場の温かさ”みたいなものも肌で感じることができ、回を重ねるごとにメンバー間のつながりが構築されているように思います。
最近では、苦手(?)だった振り返りミーティングも開催し、少しずつですが自分達らしく出来るように試行錯誤しています。

上記の3点以外にもいろいろとチャレンジしていますが、長くなってしまうのでまたの機会に書かせていただきます‥!


チームに起こった変化

個人的な見解ですが、この2か月で起こった変化です。

  • あだ名で呼び合うようになった

  • コミュニケーションをとる相手が増えた(質の拡大)

  • チーム全体のコミュニケーションが増えた(量の拡大)

  • 困っている人がいるとき、率先してフォローしあえる

  • 違うと思うことを、お互いに言いあえる

  • くだらないこともつぶやける

  • 笑顔が増えた

チーム内のコミュニケーションがリアルでも非同期でも増えることで、個人の暗黙知が形式知となり、チーム全体に浸透していってると感じます。
これはあくまで自己組織的なチームへの土台であり、ここからチームとしての成果・価値創出へ繋げていくために、試行錯誤をしていきます。

長くなってしまったので今回はここまでにします。
なお、上記の取り組みは専任メンバーが中心となり設計してくださり、チームみんなで一つずつ納得しながら進めていった成果です(私がやりました、みたいに伝わってたらと思い補足させていただきました)

実験を繰り返すなかでうまくいかないこと、モヤモヤしたことなどはまた別途書いていきたいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。


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