ゆういち

30代の既婚ゲイ+HSP@関西:結婚をしても、未だにどうしても忘れられない人がいます。…

ゆういち

30代の既婚ゲイ+HSP@関西:結婚をしても、未だにどうしても忘れられない人がいます。行き場を失った苦しい感情や日記を書いていこうと思います。画像は好きな芸能人の山崎育三郎さんです。趣味は読書・藝術全般・ピアノです。

マガジン

  • たいち君の場合

    高校時代からの友人「たいち君」について、今まで書き溜めていたものを推敲・アレンジしたものです(R18な部分もあります)。僕は彼に翻弄されながら、恋愛感情を持ちました。その感情は未消化のままで、いまだに燻っています。僕はいまでも彼が好きです。

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既婚ゲイの(ラフな)横顔

ラフなご挨拶・自己紹介ができていませんでしたので、書かせていただこう思います。最初のご挨拶と自己紹介は、余りにも力が入りすぎというか、鼻息の荒さばかりが目立つ、大変お恥ずかしいものでした。 名前:ゆういち(3x歳:175*62*3x)、FR/EN/GR、学術修士(国文学専攻) 僕は男も愛します。結婚をしても(してしまっても)、いまだに忘れられない男性が三人がいます。僕は今でも三人を、特にその中の二人を愛してゐます。詳細は最初の自己紹介に書きました。 仕事:会社員です。英語

    • 既婚ゲイの近況

       例の「静岡の出張」から帰ってきてから、いまに至るまでの約一ヶ月間、僕はさまざまなことに翻弄されていた。色々なものを飲み込み、ため込んでしまって、ストレスに塗れて(まみれて)いた。こういう時は、内圧を限界にまで高めてから、爆発するように書くに限る。それは単に、悩みやストレスを客観的に見ることができるから云々ではなく、「嫌なもの・苦しませるもの」と異なる土俵で戦うことができるし、ねじ伏せることができる。尤も、これは、マスターベーションなのかもしれないのだけれど。  僕の指先は

      • たいち君の場合(8)

        深夜いつもの「遊び相手」を探していたとき、偶然にも、あの時の相手を見つけた。たまたま彼も、近くに引っ越していたらしい。話は早かった。今度は逆に、僕が彼の部屋に行くことになった。僕のマンションからは少し距離があった。歩調を強めて歩いた。相手にたいち君を重ね合わせ、あの冬の日に、相手を貪り尽くした時の快感を思い出した。彼のマンションまでの距離は、もう一度それ求めてやまない欲求を何度も反芻させ、心と中心を疼かせ、脈動させ、破裂させるには十分すぎる距離であった。 リエゾンが切れかけ

        • 既婚ゲイの動悸

          ある密やかな目的のために、木曜日(7/16)から土曜日(7/18)までの三日間を静岡で過ごした。仕事は休んだ。妻には「出張に行ってくる」と言って家を出た。前日の水曜日は午後から会社を休んで、コツコツと「出張」の準備をした。あれを持って、これも持って——、身の回りの準備は簡単なのだけれども、持っていく本と聴く音楽を選ぶのには、いつも時間がかかる。 その時々の目的に適っていて、雰囲気を盛り上げるような、そして、僕の今の——敢えて「今」と書いてみよう——感情を波立たせるような本と

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        既婚ゲイの(ラフな)横顔

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        • たいち君の場合
          8本

        記事

          既婚ゲイの結婚式

          昨夜はひどい暴風雨だった。バチバチと雨粒が窓を叩く。「雨の歌」どころではない。ラジオを聴いていた。九州・熊本では被害が甚大らしい。友人が熊本にいる。何か過ぎる(よぎる)ものがあって、心配になった。連絡を取ろうと思ったけれど、しかし、躊躇ってしまった。ラジオを止めた。お風呂上がりだったので、ノンアルを飲みながら、外を眺めていた。今度はノートを(noteも)広げながら、色々と考えていた。目の前には、本が散らかっている。 日付が変わった。今日は誕生日だ(った)。何かに誘われるよう

          既婚ゲイの結婚式

          たいち君の場合(7)

          あれ以来、お互いに連絡を取り合うことは無くなった。いまだに彼があのマンションに住んでいるのかすら判らない状態であった。僕は大学院で転科したのでキャンパスが変わった(二年ぶりに戻った)。 引っ越すことになった。たいち君が紹介してくれた、あの場所から。変に緊張した彼が来て、変なケツ論を出した「あの部屋」から——。三月の初旬、下宿先が決まった。そのことを彼に連絡しようと思った。連絡を取るのは本当に久しぶりであったので、メールを送る瞬間は「返信が無かったらどうしよう」なんて緊張した

          たいち君の場合(7)

          既婚ゲイの「僕」

          「ノルウェイの森」を思い出して、急にやりたくなってきた。 外でやりたい。豪雨の中で(ただし蒸し暑い豪雨の中で)交わるのも、なかなか洒落ていると思う。声も聴こえないし、周りから見えない。気にすることは何にもない。やりたくてたまらない。メリメリと搔き分けるように、相手に中心を挿れたい。 色々な人に「村上春樹の“僕”っぽい」と言われる。誰かが言うと「そうそう!分かる分かる!特に「ノルウェイの森」の“僕”っぽいよねー。雰囲気とか色々ねー」なんて盛り上がる。ハルキストがその場にいると

          既婚ゲイの「僕」

          既婚ゲイの居場所

          昨日は3時過ぎまで眠れなかった。「明日は在宅だから、まぁいいや」なんて思っていたけれども、頭が冴えているわけでもなく、かと言って身体は少し怠いし、疲れ気味なのに、どうも寝付けない。モヤモヤ・イライラしてきて、2時過ぎに少し走りに行った。珍しく涼しかったし、誰もいない街中を(好きなサカナさんを聴きながら)走るのは気持ちよかったのだけど、さて帰ってきて、熱いシャワーやミストを浴びても、いまいちサッパリしない。 ベランダのテーブル席でノンアルを飲みながら、好きな「もののけ姫」や「

          既婚ゲイの居場所

          たいち君の場合(6)

          お互い近くに住んでいるにも関わらず、僕たちのリエゾンはますます細くなっていった。彼が就職活動で苦しんでいる頃、ある日僕は、所用でいつもの駅に行った。上り電車のプラットホームで、たしか階段近くで電車を待っていた。そのとき僕は、ブラームスが作曲したヴァイオリン・ソナタの1番「雨の歌」を聴いていた。もともと僕でも知っていた曲だけれども、たいち君は、チェロとピアノ用に編曲された「雨の歌」があることを教えてくれた。僕はその時、そのチェロ版を聴いていた。 これは最晩年のブラームスが、思

          たいち君の場合(6)

          既婚ゲイと(も)家なき子

          今日はオフ(妻は不在)で、天気もとても良かったので、知り合いのデザイナーさんと早めのランチをした後、そこのサンドウィッチを片手に、書店・古書店巡りをしたあと図書館に行ってきました。街中に出てみると、コロナは収束、街も人も、色々なお店も「もはや自粛ではない」といった雰囲気で、改めて驚きます。本当ならば「不要不急」の外出なので、控えるべきところだったのでしょうが、久しくお会いできていなかった(こっちの雰囲気がビシビシと出ている)デザイナーさんとのランチということで、街を歩く(好み

          既婚ゲイと(も)家なき子

          既婚ゲイの滲む涙

          あさなくまさんのtwitterアカウントとお書きになるイラストが大好きです。出版されたコミック・エッセー「あさな君はノンケじゃない!」も買いました。わかる!わかる!なんて思いながら、何度も読み返しています。僕の書斎の机に、専門書(英独仏語の原書とか)や色々な本に混ざって、何事もないように並べられています。今はラカンの「四基本概念」と谷崎選集(新潮社のあれ)の間に挟まれて、ちょこんと座っていはる。 この記事のトップ画像はそのエッセーの一コマです。この表情にグッと来ます。この一

          既婚ゲイの滲む涙

          たいち君の場合(5)

          「#いま私にできること」と言うハッシュタグを見つけた。 表現することは物を救うことであり、物を救うことによって自己を救うことである。三木清「人生論ノート」より 高校生の時に読まされました。大学生の時はよく読みました。 「いま私にできること」とは、やっと確保できた時間(now)で、辛い思いを吐き切ることだと思う。吐き切って、自己=過去と現在の私を救う——、これが「#いま私にできること」だと信じて「たいち君の場合」を続ける次第です(殆どポルノ小説です……)。 たいち君の場合

          たいち君の場合(5)

          たいち君の場合(4)

          大学に行くために、いつもの駅に向かった。この駅には北口と南口があって、一つだけある改札を抜けて右に曲がると北口で、左に曲がると南口に出る。僕はいつも北口から改札に入る。北口の階段を降りていると、南口の方向から、なんだか見たことがあるシルエットを見つけた。たいち君であった。ふらふらしている。駆け寄ってみると、風邪をひいてしまって、病院に行ってきた帰りらしい。息が荒くて、熱い。顔も赤い。すぐ帰って横になるように言って、僕は近くの例のコンビニに駆け込んだ。 ヨーグルト、ポカリ、ウ

          たいち君の場合(4)

          たいち君の場合(3)

          あの夜の出来事の後、たいち君に急に彼女ができた。僕が知っている相手で、かつて同じサークルにいて、確か僕と同じタイミングか、少し遅れて辞めた女の子(仮名・みどりちゃん)だった。彼女も違う大学から、僕のいたサークルに入っていた。彼がどのような理由で彼女を選んだのか(同様に、彼もどのようにして、彼女から選ばれたのか)は判らないのだけれども、少なくとも「見た目」の点だけで言えば、彼女には大変失礼なのだけれども、とてもアンバランスだった。成宮君似(少し崩した感じ)と小柄・寸胴・エラが張

          たいち君の場合(3)

          既婚ゲイの眼光

          休日がとても辛い。最近の平日は外勤が多くなってきたので、妻と顔をあまり合わせなくて済む。在宅勤務でもずっと書斎にこもっているので、顔を合わせなくて良い。休日はそうはいかない。これがまた疲れる。イライラする。妻は「久しぶりに外出しよう」と袖を引っ張るが、僕はずっと部屋にこもって本を読んだり、趣味と副業を兼ねた翻訳とか物書き(何かを書いているときが本当に好きなんです、僕)に集中したい。つまり、会いたくない。 勉強とか読書の邪魔も平気でしてくる。 「それは、私たちの時間を割いてま

          既婚ゲイの眼光

          たいち君の場合(2)

          前回の出来事があっても、僕たちは普通に(いや、僕は内心ハラハラしながら)友達として会い、ときどき夕食を作ってもらったり、一緒に飲みに行ったりしていた。そのまま泊まりもしたし、音楽の話をしながら、いつの間にか二人で寝てしまっていたこともあった。 コーヒーの香りで起きた。ロフトで(たぶん一緒に)寝ていた。ロフトからリビングを見下ろしてみる。先に起きていた彼は、フランス語のリスニングCDか何かをかけながら、フランス語の勉強をしている。カーテン越しに明るい光が差し込んでいた。おはよ

          たいち君の場合(2)