【詩】帰り道
コンビニの買い物袋を持って
さっき通った道を帰っていく
買うものを考えていた道
考え事を置いてきた帰り道
さっき通った時
この信号は何色だっただろう
気づかなかった公園
少年がブランコから飛び降りる
少年はあきちゃったみたいだけど
ブランコはまだ揺れている
失恋したみたいに
僕が気づかずにここを通った時
少年はまだ赤ん坊だったかもしれない
ベンチに座った老人は
絵かきに憧れた青年だったかもしれない
空はまだ青い
交差点で立ち止まる
僕の足の下を
車の影が通過する
地面から浮いてないことを確認する
信号がかわる
横断歩道の真ん中で
コンビニ袋を持っていない
僕とすれちがう
僕が考え事をしている間に
僕はいつかの僕と
何度もすれちがっているのかもしれない
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