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【詩】天国と地獄

ぼくは、スクリーンの前に座っていた

ひと昔前の小さな映画館のよう
客席には ぼくひとり

フィルムが回転する音と同時に
スクリーンにカウントが映し出された

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静かに映像がはじまる

そこに映っているのは
ぼくの人生

ぼくが言ったこと
ぼくがやったこと
ぼくが与えた影響

ぼくの影響を受けた
ぼくの知らない人生が
今、知らされる

ああ これが 天国と地獄か

ぼくは 静かに目を閉じた



*------*------*------*

天国と地獄は、場所じゃない。
これは有名な話なのかもしれないけれど、
ぼくは先日、弟と電話で話していて教えてもらった。

魂が身体から離れたら、
スクリーンで自分の人生を見る。

そこに映し出されるのは、自分の人生だけじゃなく、
自分が影響を与えた人の人生も。

その人たちの人生を見たときに、どう感じるか。
それが、天国か地獄なのだと。

なるほどね。
考え方は人それぞれだけど、
行き先の書かれた切符をもらうより、
こっちの方がぼくは納得できるな。
そう思った。

詩よりも、こっちの方が長いな。
ま、いいか。それも、人生。


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