DXを実現するたった一つの重要なこと
DXの本質
インターネットを検索すると、業務改善とDXは異なるものだという主張を見かけます。私はこの主張に全面的な賛成ができません。なぜなら、私はDXを以下のように捉えているからです。
目的を達成するために最新のデジタル技術を取り入れて実現する。
最新のデジタル技術を取り入れた結果、ユーザーの行動や考え方が変わる。
ユーザーの行動や考え方が変わった結果、文化が変わる。
例えば、コロナ禍によって大きく変化したものが在宅勤務の浸透です。上記の例に当てはめてみましょう。
状況:コロナ禍による不要不急の外出制限、身体的接触の制限。
出社せずとも業務遂行できるようにするため、Web会議システムを導入する。
Web会議により在宅のまま会議や商談が可能になる。会議書類や資料が電子ファイルとなり、ペーパーレス化する。また移動時間が無くなることで業務効率が上がる。
インターネット回線さえあれば場所に関係なくどこでも作業できるため、地方移住やわーケーション等、従来とは異なった価値観で働く人が増えた。
実際のところは変化に伴って新たな問題も発生するため必ずしも変化が良いとは言えませんが、DXの本質であるデジタル技術による文化の変容についてご理解いただけたのではないでしょうか
昨今、DXはD(デジタル)よりもX(変革)が重要であるという声も聞かれるようになりました。デジタル技術はあくまでの道具であり、変革も道具を取り入れた結果でしかありません。大切なことは「目的を達成しているか」なのです。
DX実現には目的の明確化が必要
DXによる変革は目的達成の手段を最適化した結果にすぎません。DXにおいて重要事項としてみなされているデジタル技術も、目的達成の手段にしか過ぎません。最も重要なことは最適化する目的(または達成すべき目標)なのです。
例えば業務なら、
作業場所に囚われずに仕事ができるようにしたい(限定されない就業場所)
紙とハンコを使用せずとも仕事ができるようにしたい(ペーパーレス化)
作業を自動化することで生産性を向上したい(機械化)
提供者のスキルに関わらず一定品質のサービス提供を可能にしたい(標準化) 等、
実現したい目的があって初めて実現手段を検討することができるのです。
昨今ではDXが目的化しているような話を耳にしますが、改めて実現したい業務の目的を明確にし、目的を達成するための手段・手順を検討していただきたいと私は願っています。
目的を達成した結果として人々の行動様式や文化が変わること、それがDXの本質なのです。
次回へ続きます