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とある名門校の指導法

ユーシロです。

突然ですが、問題です。

上の写真は、とある名門校の校舎内です。どこの名門校でしょうか?


正解は・・・


灘高校


でした~~~!!

灘高校は全国で名が知れている名門校で、また、その系列の灘中学校も全国で名が知れている学校で、受験界では「灘に合格すれば、東大理Ⅲ(=医学部医学科)、京大医学部の入試は簡単」と言われるくらいの超最難関です。

受験界には、「東大合格御三家」と言われる高校が3校あるそうで、それが以下の通り。

東京都私立開成高校
東京都国立筑波大学付属駒場高等学校
兵庫県私立灘高校

そして、この3校はそれぞれ

東京都私立開成高校→東大合格者数日本一
東京都国立筑波大学付属駒場高等学校→東大合格率日本一
兵庫県私立灘高校→東大、京大の医学部合格者数日本一

となっています。

灘高校がもっとも送り出している

東京大学理科Ⅲ類(=医学部医学科)と京都大学医学部医学科は、日本でもっとも偏差値が高い学科の2トップです。

特に、東大理三(医学部)は定員90名のところ、灘高からは毎年20数名が合格するので、学年の4人に1人は灘高生になります。

開成高校も、筑波大附属駒場高校(筑駒)も、医学部合格者は1桁なので、他の2校の倍以上の合格率です。


なぜ、灘高校だけがそんな圧倒的な数字を叩きだせるのか?

実はここに、明確な秘訣がありました。

それは、上の図の灘高の職員室前の廊下の写真です。

これを見て何か気付きましたでしょうか?

そう、廊下が広いのもそうなんですが、机と椅子が廊下の窓際に広がっているんです。

なんでも、灘高生はともかく、中学生も授業終了後に、ここに集まって、生徒同士で勉強を教えあうそうです。

生徒同士で考えても分からない点は、すぐ目の前の職員室に控えた先生が解説する。

先生がつきっきりで教えない、というのがポイントです。

これは研究からも解明されてるんですが、人は誰かに「教える」時に、自分の脳内の情報が一番整理されます。

人に教えてみると、いかに自分が曖昧に理解していたかを痛感します。

例えば、

「えーっと、、つまりこれはね・・・」
「うーん、、なんて言えばいいのかな・・・?」

という感じで、もし言葉に詰まるなら、自分の中でも上手く整理して、理解できてないということです。

1人で勉強してたらスルーできても、教える立場になると、それでは理解してもらえません。

そして、「先生」の立場だったら、最悪理解できない「生徒」のせいにできます。

でも、灘高生の場合、相手は「同級生」なんです。「理解できないお前が悪い」と言って、責任逃れをすること出来ません。

結果、相手に理解してもらうために、自分が誰よりも「理解」しようと考えるようになります。

人に教えることのメリットは、それだけではありません。

アウトプットすることで、知識の定着率も半端じゃなく上がります。

何か知識を習得したいなら「インプット→アウトプット→フィードバック」の3つのサイクルをいかに早く回すかが大事になります。

さらに、生徒同士で解決しない問題は、すぐそばの職員室の先生を頼ることができます。

つまり、生徒同士で「インプット→アウトプット→フィードバック」が出来るだけでなく、教師からのフィードバックも出来る体制が灘では整っているのです。

ここで大事なのは、教えてくれる人との「距離感」です。

これが予備校とかだと、分からないことを講師に聞こうとしても、その講師が校舎にいないと、講師の先生が来るまで保留することになります。

この待っている間は、モチベーションを下げます。分からない状態が長く続くほど、不快感は高まり、次第にどうでもよくなります。

そして、仮に講師と同じ建物にいても、距離を感じたら、気軽に聞けません。

中には、人見知りする生徒だっています。そんな生徒は、職員室に足を運ぶのだって、エネルギーを消耗することになります。

でも、職員室の前なら、事情が違います。教師が分からなそうな顔をした生徒を見かけても、すぐに声をかけることができます。

インプットなんて、教科書やら参考書やら読めば、誰でも勝手に出来ます。


大事なのは、いかにアウトプットとフィードバックがすぐにできる環境を整えるか、です。


確かに、灘高校は優秀な教師をヘッドハンティングするなど、教師の質にも力を注いでます。

しかし、それなら予備校に通う他校の生徒から、もっと東大合格者が増えてもいいはずです。

正直言って、「教え方」の質なんて、あるレベル以上になれば、そこまで変わりません。

どんなに教えるのが上手い人でも、教え子が「アウトプット」しなければ、教えたことはすぐに忘れられてしまいます。

日本の大学・大学院はそういう場を積極的に作るべきだと僕は思います。

例えば、講義内容は全て動画にして、先に見せておく。そして、実際の対面講義では、全て質疑応答、もしくは、参加者同士のワーク中心で、徹底的に「アウトプット」と「フィードバック」の場にする。

講義はするものの、アウトプットやフィードバックが一切ない講義なんて、聞く気にもなりません。


数年前から、灘高校生が日本の名門大学に進学せず、海外の名門大学に進学しようとしますが、その理由の一つが「アウトプット」と「フィードバック」の環境かもしれません。

灘高校のように、生徒が勝手に育つ環境を作れば、紹介や口コミで勝手に入学希望者も増えると思いますよ。

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