はじめに
以下のnoteの続きである。
VCの出資先の特許の状況って俯瞰できればおもしろいなと思い、本ブログを書くにあたった
グロービス・キャピタル・パートナーズについて
HPを軽く眺めると、ディープテックからコンシューマーサービス、IoTなど幅広く投資しており、以前分析したANRIとは少し毛色が違うと感じた。
グロービス・キャピタル・パートナーズの投資先について特許情報俯瞰分析の準備
検索式
検索式の作り方の詳細は過去の記事をみていただきたい。
こちらのHP情報から、現在投資している企業をソート・抽出し、検索式を作成した。
特許情報の取得には以下のLens.orgを活用した。
データ出力結果は以下のようになる。
グロービス・キャピタル・パートナーズの投資先について特許情報俯瞰分析の結果
出願数(ファミリー単位)推移(優先権主張日)
現在の投資先は2019年くらいから出願が増加しており、技術ポートフォリオの広がりやランニングコスト維持から、直近の投資が肝になっている投資先が多くあるのではないだろうか?
出願人 出願数ランキング
出願数が多い出願人を示している。
第一位はGMS。金融包摂型FinTechサービスをグローバルに展開している。
両遠隔起動制御IoTデバイス「MCCS」、データ分析プラットフォーム「MSPF(モビリティサービスプラットフォーム)」の開発も行なっており、グローバル展開を目指したベンチャーである。
シリーズはDとのことで、かなり成長している。ベンチャーのシリーズに関しては以下を参考にしてほしい。
投資先特許分類ランキング
投資先特許分類ランキングをとった。
見てみると、ANRI株式会社と同じでやはり、G06が多い。これは、やはりIoTなどのテック系が多いからだろう。
しかしながら、ANRI株式会社と異なるのは、B25やB60が上にきていることである。
B60はおそらく、GMS、
B25はたとえば、Telexistence株式会社が出願している。
Telexistence株式会社は、ロボット工具のような製品をリリースしているからだろう。
特許の例もこちらに挙げておく。
横軸:被引用数(平均) 縦軸:ファミリー数 バブルサイズ出願総数
横軸:被引用数(平均) 縦軸:ファミリー数 バブルサイズ出願総数のマップを描いた。右上に行くほど、その企業のポートフォリオに市場性があり、海外出願を含めて特許・技術に投資をしていると考えられる。
GMSも同様に大きな存在感
BONXもその他と比べると被引用数(平均)が高い
BONXは、「音声コミュニケーションプラットフォーム・ヒアラブルデバイスの企画・開発・販売」を行なっている。
横軸:被引用数(平均) 縦軸:ファミリー数(平均) バブルサイズ出願総数
ワードクラウド
テキストマイニングを参考程度に示す。
前回と同様に以下を使用する。
キーワード頻出数ランキング
共起ネットワーク
出願数が多いので、当たり前になるが、上記3社(AI MEDICAL SERVICE,BONX,GMS)の内容が色濃く示されている。
終わりに
いかがだっただろうか?
ANRI株式会社の出資先の分析比較すると、成長している企業はファミリー数が多い特許を保有していることから、グロービス・キャピタル・パートナーズの出資先の成長状況の幅は広いと考えた。
この成長幅の状況を考慮した、ポートフォリオの俯瞰は、VCの出資先の海外出願や出願数の幅をみる分析をしてもよいかもしれない。
たとえば、
グロービス・キャピタル・パートナーズは、
出願数のMAX-MIN:28、ファミリー数のMAX-MIN:143
ANRI株式会社は、
出願数のMAX-MIN:27、ファミリー数のMAX-MIN:157
これにラウンド情報(たとえば、シリーズA〜Cそれぞれ重みづけして、それの平均をとるなど)を加えてもよいかもしれない。
これを含めて、他のVCの出資先分析から特徴などがうまく出て、各VCの戦略が伺えればおもしろいかもしれない。
以上