はじめに
知り合いの角渕さんに、角渕さんが所属する弁理士法人 レクシード・テックが主催のイベントに誘われた際に、VCのANRI株式会社について気になったので、色々しらべていると、VCの出資先の特許の状況って俯瞰できればおもしろいなと思い、本ブログを書くにあたった。
イベントについて
本イベントは以下の内容で行われるとのこと。
実におもしろそうな内容だったので、参加してみる(このブログを出した後に参加することになる。)
イベントタイトル
「脱炭素技術×スタートアップ~IP分析から見えてくる事業成功のヒント~」
主催(共催)
・弁理士法人レクシード・テック
・ANRI株式会社
セミナー対象者
・脱炭素技術で起業を考えている方(大学関係者、スタートアップ関係者、大企業で新規事業を検討中の方)
・脱炭素技術のスタートアップに興味のある投資機関の方
・(脱炭素技術に限らず)知財分析でどんなことができるのか知りたい方
開催日時
7月31日(水)17:00~18:30(セミナー)、18:30~18:45(質問受付)、~19:15(主催者との交流)
詳細
ANRI株式会社について
ANRI株式会社は、未来からバックキャストで考え、50~100年後の未来を作る会社を金融の仕組みを使って成長させたいと、アーリー・ステージの投資、ファーストペンギンにこだわっている。とのこと。ディープテックの投資も盛んとのことっだ。
参考:https://www.kandc.com/vc/comparing/anri/
投資の仕方もユニークなようだ。
「一貫してシード投資をメインの投資領域として注力」
今後もう少しVCについて勉強したいと思う。
ANRIの投資先について特許情報俯瞰分析の準備
検索式
ANRI株式会社は合計250社の出資先があるようだ。まず検索式というか企業名の抽出がかなり面倒である。
なので、HPから全体コピペして、、、
GTPにぶちこんで、こうじゃ!!という具合で企業名を抽出
検索式は以下のものとなる。検索式の長さの制限から検索式を二つに分けている。
特許データベース
特許データベースは以下のLens.orgを使用した。
入力する検索式は、以下のように専用queryに適応させてLensに入力した。
ここだけの話、似た企業名を含むノイズが多かったため、調査したりしてノイズを間引くことでデータクレンジングを行い、
「259ファミリー」の母集団となった。
こちらをエクセル形式で分析した。
ANRI株式会社の投資先について特許情報俯瞰分析の結果
データ分析は、Googleスプレッドシートで行った。ピボッドデーブルを活用した。
出願概況分析
C(化学)、A(生活品)分類が多く、バイオが多そうなのは、データからもわかる。
G01(測定)、G06(計算)で計算、プログラム、ビジネスモデル系が多い様子である。
半分近くがG以外だからディープテックが多いので、IT系だけじゃない出資先(ディープテック系)が多いかもしれない。
PROVIGATEの出願数が突出して多い。
横軸:引用数(合計)vs縦軸:被引用数(合計) バブルサイズ:出願数
このマップでは、
横軸:被引用数(平均)vs 縦軸:ファミリー数(合計) バブルサイズ:出願数
このマップでは、
仮説としては、例えば、「PROVIGATE」は、(対ANRI株式会社の出資先企業を前提としたマップなので)
テキストマイニング
以下の無料テキストマイニングツール「User Local」を使って、特許の「タイトル」と「アブストラクト」を入力し。ワードクラウドと共起ネットワークを行った。
ワードクラウド
共起ネットワーク
特許分類の分析の通り、情報系、分析・測定の技術(IoT?)が多いことが伺える。また、医療系、量子化学、電子材料系のKWも垣間見える。
終わりに
いかがだっただろうか?
ANRI株式会社の出資先は、ディープテックの中でも、IoT、医療、バイオが中心に出資している様子が伺えた。
また、特許の出願状況から、出資先企業の市場参入度合い(いわゆる進捗?)も検討できた。
VCの投資先ごとのポートフォリオや特許から俯瞰できる、技術進捗度を比較することもおもしろかもしれない。