怪我の功名、体の痛みと引き換えに見えてきたのは11か月間この地で生きた証。
はじめまして、(この町で見る)月食。
の、はずが・・・
はじめまして、(この町の)救急車。
と、なってしまった話を。
先日、夕日のとても綺麗に沈んだ日、もう1年弱も続けていて恒例となっている毎週水曜日の町の方たちとのランニングに向かった。
待ち合わせ場所に着くと、ちょうど日没。広い広い日本海に真っ赤な夕日がゆっくり沈んでいくところを見ることができた。ベストタイミング。
みんなではしゃいで記念撮影も。これも毎回恒例!
だけど、この日の本命は夕日ではない。月食だ。
少し雲が出てきたけど大丈夫かなあ
20時すぎごろだったから途中少し休憩しながら走ればちょうどいい時間に戻ってこられるかなあ、なんてわくわくしながらいつも通りスタート。
この日の目的はもうひとつあって、なんと、「柏崎潮風マラソン」のオンライン走行期間であったのだ。
いつもは持たないスマホを片手に、専用アプリを起動させて走ることに。
スタート時には明るかった空も、走りゆくうちに暗くなり、19時半を過ぎたころにはほとんど真っ暗になっていた。
途中、時間調節でウォーキングもはさんだため、いつもより少し遅めに住宅街を折り返して海沿いに出る。
20時近いし、もうそろそろかな?
あっちの空かな?
ちょっと雲が多いから怪しいんじゃない?無理かも・・・
なんて会話をしながら空を見上げつつ蛇行して走っていると・・・
縁石に躓いて思いっきり転んでしまったのである。
走る速度は、時速に換算すると10~12kmほど。
このスピードで思いっきり躓いて転ぶのだから、それなりの衝撃だ。
ほんとうに痛かったし、たくさんの方に心配とご迷惑をおかけしたのでここからの詳細は省くが、とにかくほんとうに痛かった。
でも、一人じゃなくてよかった。この日はこのまま緊急搬送されました・・・
住所を聞かれ答えると(戸建てに住んでいます)、
「おうちにご家族は?」「一人暮らしなの、家族は町外?」「え、じゃあ親戚は?」「近くには誰もいないのね・・・わかりました」
こんな会話が繰り広げられ、改めてわたしは未踏の地にひとりで乗り込んだのだということを痛感させられた。
翌日から。
手も痛いし、足も腰も痛い。車がないとどこにも行けない場所に住んでいるのに、車に乗れなくなった。
さて、どうやって生きていこう。
とりあえず、普段よく連絡を取っている数名のおばあちゃんたちにだけ連絡。
すると、おかずを持って家まで来てくれました。泣
そのほかにも、湿布や大きい絆創膏をいただいたり、翌日仕事帰りに救援物資を持って家を訪ねてくれた方がいらっしゃったり、お風呂に入れないので美容師さんにシャンプーをお願いしたら送り迎えをしてくれたり、代行で買い物に行ってくれたり、イベントの際に野菜などを持って様子を見に来てくれたり・・・
この写真はほんの一部ですが、ほんとうにたくさんの方に支えていただきました。
普段毎日自炊をしているのに、一週間ほとんど料理ができなくても、それなりにちゃんとしたものを食べて生活していられたのは、間違いなく周りのみなさまのおかげ。
知り合い0人の中移住して11か月。
必死で生きていたら、気付けば周りにはたくさんのあたたかい人たちがいてくれて、それにより生かされているのだと心から実感できた怪我でした。(痛いけど)
この場を借りて、助けて支えてくださったみなさま、ほんとうにありがとうございました。
離れた場所にいる友人からもとっても嬉しい言葉をもらえて。
わたしはなんだかんだ、ここでの生活が、この町が好きになれているんだなと実感できた、良いキッカケでした。(痛いけど)