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田植えの感想「ミシンで縫ってるみたい。」誰か共感してくれますか?

はじめまして、田植え。②

稲作の地・新潟に、まったく農業に興味がないのにひょんなことから来たわたし。作業用の長靴は持っていたが、もはや玄関前の除雪の際や仕事中の防寒具と化していた。もちろん、洗う必要のあるほど汚れたこともほとんどなかった。

この日、田植え機に乗った後、稲作の先生が到着されたため急に呼ばれ泥に飛び降りた瞬間・・・
ズブズブと見事にハマり、バランスを崩して前のめりに手から泥の中に突っ込んだ。恥ずかしながら、新潟に来て初めて泥や土にちゃんと触れた瞬間であった気がする。
ぜんぜん抜け出せなくて、歩くだけでこんなに大変なのかと思い知らされた。

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話は前後するが、植え始める前にセットした苗を水でよく濡らす。このじょうろがまた重くて、ぜんぜん上まで持ち上げられない。
女子にしては体力も筋力もある方だとは思っているが、ランナーなわたしの腕の力は弱く、こんなことも容易くできないのかと、足をひっぱってばかりな自分に少しへこんだ。

ようやく準備も整い、田植え機の上でお手本を学び、いざ。
マーカーの線に沿って、地面のでこぼことともに左右する車体をまっすぐ進むだけなのに意外と細かなハンドル操作で操りながら、苗を植えていく。
ここでも、「〇条植え」みたいな言い方がわかるのがひそかに嬉しい。(笑)

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振り向けば、ちゃんと植わっていて、感動。
線に沿って進んでいくところと、速い方が効率はいいけれど曲がる可能性があったり失敗すると後戻りできないところなどが、なんともミシンでの裁縫に似ていると思った。
が、このコメントはあまり共感してもらえなかった気がする。
改めて、わたしは農業とは遠い場所にいたのだなあと実感した。

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(無意識のうちに唇まで噛んでる)

無事に終わり、手を見ると、爪の間まで見事に真っ黒になっていた。
洗えど洗えど取れない。なんとも綺麗な世界で生きていたのかなあわたしは、とまた思う。
美味しいお米を作るために、こうして自然と触れ合って、時には真っ黒になったりもしながら(わたしが素人やからかもしれないけれど)、がんばっている人たちがいるのだと思うと、もっともっと味わって美味しく食べなくてはなあと気が引き締まる思いがした。

2年ほど前まで、仕事でガッツリ携わっていた「田植え機」
間近で見たことも、乗ったことも、中の構造や部品まで見たことも知識もあったけれど、実際に田んぼで稼働している泥だらけのものは一味も二味も違った。
この地に来てから日々実感していることではあるが、ほんとうにほんとうに、何事も当事者になって経験してみないとわからない。

辛いこともたくさんあるけれど、人よりひとつでも多くいろいろな経験ができているのだと信じて、引き続き前を向いていこうと思えた貴重な経験であった。

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