空想

倒れた電柱で綱渡りして 海までいけたらいいのにな

海についたら砂浜で 一緒に貝の欠片を探そう

夕日の沈む水平線に 細く揺れる飛行機雲が一筋

真っ赤に染まった飛行機雲は まるで世界の裂け目みたいだ

この心に隠した寂しさは 私が墓まで持ってくよ

君が探しても見つからないよ ずっと深くに沈めてしまった

大きなお城の跡は静か 人が憩うも知らぬ顔して

積み重なった刹那の果実 迸る汁 飲めやしないや

松が折れる 空に響く

遠くで響くアナウンス 間もなく列車が到着します

大きな河に乗っかって 船頭は待ってはくれないから

君の乗る舟に穴を開けて でも沈まずに連れていってくれたらな

春の兆しが雲の隙間から たんぽぽの綿毛で覆い隠すの

眠りは深い 起きてしまうともう眠れないの

星が降っても 遠くから眺めてるからでしょう

海沿い走る列車の向こう 朧げな君の乗る舟が

何を引き上げようというの 私の心は開けないのに

鍵なんてとっくに 溶かして指輪にしてしまったのに

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