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【読書雑感】鋼の自己肯定感

自己肯定感。それは一度は手に入れた気になっても、磨き続けなければ保てないものだと思っていた。ただ正当なメンテナンスの仕方が分からない。という悩みを抱いている時に帯のキャッチコピーに惹かれて手に取った本。

そもそも自己肯定感とは?

筆者によって言葉の定義が違うことがある言葉なので、念のためこの本での用語の意味をまとめておく。

  • 自己肯定感:ありのままの自分を愛すること。

  • 自己有用感:自分は他者にとって役に立つ人間であるという自負。

  • 自己効力感:自分は能力がある人間であるという自負。

例えで出てくるのは赤ちゃん。赤ちゃんは一人では何もできないし役に立たないけど、ただそこにいるだけで周囲から愛されている。それと同じ性質の愛を自分自身へ抱くことを自己肯定感という。

自己有用感があっても自己肯定感がない場合、自己犠牲に走りやすい。他人の顔色を窺うことでしか、自分を保てないから。
また自己効力感があっても自己肯定感がない場合、競争社会に呑まれやすい。能力の証明をし続けないと、自分を保てないから。

なので核となる自己肯定感を育てなければならない。

自己肯定感の育て方

具体的な手法が複数紹介されていたので、それぞれのカテゴリにおいて自分ができそうなものを一つずつ程度挙げておく。

  • 言葉のワーク:アファメーション

  • 思考のワーク:アドラー心理学の「課題の分離」

  • 行動のワーク:アウトプットする(ジャーナリング、3 good things)

アファメーション:いうなればプラスの洗脳、つまり自己暗示。言霊という言葉があるように、人間は言葉に救われたり呪われたりする。神様への祈りに似た言葉を自分に向かって発し、願掛けをする。

課題の分離:人は主観の世界で生きている、つまり主観を変えれば世界を変えることができる。ニーバーの祈りのように、変えられぬものを変えようとして無力感に苛まれるのではなく、変えられるものを変える勇気を持つことで世界の変革は可能になる。その二つを見極めるための思考法。

アウトプット:人が自分の存在を証明するためにはアウトプットするしかない。アウトプットしなければ、深遠な哲学をうちに秘めていたとしても証明できないから。そして自分の精神の輪郭が浮き彫りになるのは結構面白い。

自分用アファメーション

上で挙げた中で今まで全くノータッチだったのがアファメーションなので、本の内容を参考にしつつ試行錯誤して自分用に調理したので恥ずかしいが晒しておく。ここが自分の現在地である。

私は自分のことが大好きです。
私は最愛の友である自分のことを大切にしています。
私には健康な肉体・成熟した精神・潤沢な資産があります。
私の人生は自由と調和と遊び心で満ち溢れています。
私は今自分が持っているものの豊かさに感謝します。

my アファメーション

内容としては前回の読書で導き出した自分の価値観と、昔々にやったwevoxバリューカードで出た価値観のメモが出てきたため、それを参考にした。(ちなみにwevoxバリューカードは単純に面白いし盛り上がるのでチームビルディングにおすすめ。web版なら無料でできる)

言葉選びについては「主語を明確にする」「現在形か現在進行形にする」「否定形は使用しない」という箇所に細心の注意を払った。そしてなるべく過去や未来ではなく"今この瞬間"だけを言及する表現を心がけた。

そして相変わらず人との関わり方への言及がないのだが、自分はそれほど他者との明確な関係を求めていないようで、無理に盛り込むのは気が引けたため「自由と調和と遊び心」でひっくるめて"理想の人や社会との関わり方"と解釈できるようにした。「人は他人に嫌われている時が最も自由である」「人生の究極の目的は社会と調和して暮らすことにある」といったことをかのベストセラーも言っているので、おかしくはないはず。なお遊び心は真面目になりすぎないためのスパイスとして追加した。

さて、ここまで言葉を盛り込む必要がある自精神の脆弱さには困ったものであるが、たった5行に圧縮した手腕は自らを褒めたいところである。

ただ、実際に朝晩と唱えてて気づいたのは、あまり内容を詰め込みすぎると脳が言葉の意味を理解できずに効力が弱まりそうということだ。
「健康な肉体・成熟した精神・潤沢な資産」「自由と調和と遊び心」あたりは意味が重複しないよう練りに練ったところ、強欲の塊となってしまった。そして作った自分自身でさえ暗唱している途中で「あれ?あと何があったっけ?」と首を傾げることも結構あるので、これから作られる方は留意されたし。まあ人は自分が当たり前に持っているものに対して鈍感な傾向があるんでね。すでに持っているようなものってワケよ。

自分はここからまた要素を削るとなると果てしない吟味が始まりそうなので、いったんこのまま続けてみることにする。
ひとまず年末くらいに効果を振り返ろうと思います。

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