認知症・障害当事者の人はどんな気持ちなのか|知ると介護する側も救われるお話
おはようございます。先週、原作をした漫画「認知症が見る世界」が発売になりました。
ですので、お世話になった方々に献本をさせていただきました。
認知症の人は自分とはかけ離れた世界に住む狂人なのか?
私はあいである広場の編集長兼ライターをしていますが、主に障害がある人やその支援者の取材ルポを書いています。
認知症の人が徘徊したり、人が変わったようになったり、家族やパートナーはその姿に傷つき悲しみます。
だけど、認知症当事者の方は恐怖の真っ只中で戸惑い、苦しんでいます。
認知症もある日、突然、発症して何も分からなくなるわけではありません。
初期症状が現れる。
物忘れをしてしまったり、いつもテキパキできていた仕事や家事でミスが増える。
だんだんとできることが減っていき、家族の顔さえ忘れていってしまう。
それを「真っ暗な舞台で一人だけスポットライトが当たっているみたいに感じる」と表現する人もいます。
その表現に私はものすごい孤独を感じました。そして、バックグラウンドを知るとあなたや私と変わらないような普通の生活を送っていた人たちだと分かります。
漫画は買うか迷っているという方は、漫画には掲載されなかった記事を公開しているので読んでみてください。
障害当事者は自分とはかけ離れた世界に住む狂人なのか?
うつ、不安障害、統合失調症、双極性障害など障害にも色々な症状がありますが、発症前はあなたと同じように普通に暮らしてきた人たちです。
いつあなた自身がなってもおかしくないし、高次脳機能障害など、後天的に脳に障害を負うと先天的な脳の機能障害と言われている発達障害とも似た症状が出ます。
そういう意味でおすすめな本は、ルポライターの鈴木大介氏が、自信が高次脳機能障害になった経験から書いた「脳コワさん支援ガイド」です。
認知症もやはり後天的に脳の機能に障害がでる疾患なので、似通った症状が出るのだなと取材をしていて感じました。
マイノリティと言われる人たちは決して自分とかけ離れた存在ではない
あいである広場では、ホームレス・宗教二世・障害当事者・依存症当事者など、マイノリティといわれる人たちの取材記事をたくさん掲載しています。
読んでいただくと分かりますが、自分がいつマイノリティと言われる側になるか分からないと感じてもらえると思います。
マスコミによる過剰報道による悪影響
私はマイノリティwebの編集長をしていますが、どんな記事がビュー数が出やすいかといえば「不幸で、転落してしまった人」など極端な人に関するものです。
だから、大手メディアがそういった過剰な記事を掲載しがちなのは分かりますが、実際には障害や病気でも「幸せに暮らしている人」もいれば「不幸な人」もいる。
そして、貧困に陥る理由にも多様性があって、一時期、生活保護を受給していた私は大卒で総合職で働いたキャリアがありました。
認知症の人は自分とは無縁な世界の人ではない
今、介護をして悩んでいる方も介護職の方も、どうか当事者の方は「自分とは遠い世界にいる人」として認知症の当事者の方を見ないで欲しいです。
そんな認知症の方の視点に立った漫画ですので、ぜひ、「認知症が見る世界」を読んでみてください。
では、今日から本格的にお休みという方も多いと思いますが、いい休日をお過ごしください♪
田口ゆう