「センスが良い人」と私は何が違うのか。「センスは知識から始まる」を読んで
今回は、最近お気に入りの水野 学さんシリーズ「センスは知識から始まる」の書籍を読んで、気づくことや得るものが多くあったのでご紹介します。
皆さんは、「センスがある人」と聞くと、、どのようなイメージを持ちますか?
・優れた芸術的な感覚を持っていて
・才能があって
・自分には無いアイディアや考え方を持っている人。
私はそう思って生きてきました。
しかしこの本では、知識がある人がセンスの良い人だと述べられています。
私が初めてデザインの4原則を知ったとき、「デザインにはセンスは必要ない」ということを少し実感していました。
しかし、経験が豊富な方々のクリエイティブやアイディアに触れるたび、「私はあんなふうになれない」「なんでそんな発想ができるんだろう」と別世界の人のように思ってしまうことも正直あります。
そんな中、尊敬するデザイナーさんにこんな質問をしました。
「デザインを見たとき、センスの有無は何から判断していますか?」
↓いただいた回答がこちら
・原理原則を知った上で違和感を見抜くこと。
・次にデザインを届ける人を知ること。
・そして、届いた先の人の視点でデザインされているかどうか。
これらにセンスの有無が隠れているようです。
私はその回答に納得し、そして同じタイミングでこの本に出会いました。
つい最近、センスがある方たちに対する考え方が大きく変わったので、今回はこの本を紹介します。
1. センスが良いの本当の意味とは?
本書ではセンスとは知識の集まりであり、知識豊富な人はセンスがいいと述べられています。
これはデザインだけでなく、企画など全ての事象に対して当てはまります。
どんなクリエイティブでも、基本を抑えることで見た目の美しい「センスある」ビジュアルになると言われています。
例えば、Webデザインだと、、
・デザインの4原則を守っているか
・余白やフォントを使用して印象操作ができているか
・色は使いすぎていないか
上記の例から、知っているかどうかが大切であり、それゆえ説明できないアウトプットは存在しないことがわかります。
裏を返せば、知識さえあればセンスが良い人になれるということです。
2. 知識とセンスを磨く方法
それでは、センスを磨くために必要な知識はどのように集めるのでしょうか?
ここでは、本書籍で紹介されていた誰でもセンスの良いアウトプットを作り出すことができる3つのステップを解説します。
その前に、流行っているもの=センスが良いではないということを知っておいてください。
ステップ1:王道のパターンを知る
最初のステップは、王道のパターンを集めることです。
どんなにオリジナルのものを作りたい時でも、まずは王道に触れ、その特徴を掴むことが大切です。
王道のものはすでに「最適化」されており、王道になった理由が隠されています。
そして、同時に「王道とは認定できないと判断したもの」との出会いを積み重ねることにより、センスアップに不可欠な知識を獲得することができます。
ステップ2:流行りのパターンを知る
次に流行のパターンを知ることです。
最も早く効果的に流行を知るためには、雑誌がおすすめだそうです。
(確かに、最先端のファッションやグッズは雑誌が先取りしているイメージがありますね。)
そうして流行を知っていく中で、王道からさらに幅を広げたものに出会い、知識を蓄えていくことができます。
ステップ3:共通項や一定のルールを知る
最後に、王道と流行、この二つで得た知識の中から、共通項がないか探します。
ここの共通項が、最低限守るべき原理原則ではないかと思いました。
「なぜそのデザインなのか?」を知り理解するためには、共通項を認識するだけではなく、共通項から出てきた事象に対して疑問を持ち、仮説を立てて、自分なりの答えを持っておくことが重要です。
(チョコレートは赤と茶色のパッケージが多い。とろける温かいイメージを醸し出すためではないか?..など)
普段の生活では見逃しがちな、細かい部分を知ってこだわってこそ、センスの良さが染み出してくることがわかりました。
まさに、デザインは細部に宿る、ブランドは細部に宿るです。
この3ステップを抑えることで、ある程度センスのあるアウトプットを作り出せることがわかりました。
3. 感受性と好奇心の重要性
センスを磨くには豊富な知識が必要です。
その上で、知識を吸収し自分のものにするには、感受性と好奇心が重要です。
感受性と好奇心があれば、知識を身につけること自体が楽しく、努力が努力ではない状態になるため、定着率がUPし、いざという時に備えて知識の引き出しを増やしておくことができます。
子供のように無邪気で好奇心旺盛な心を持ちながら、大人としての知識を蓄えることが、何にもとらわれず自分の枠を超えたアイディアが思いつくヒントになるかもしれません。
そのためには、まずは思い込みを捨ててまずは経験してみる、経験した人の話を聞いてみる。そうやって、自分が知らないことにも積極的に飛び込んでいくことが大切だと学びました。
4. まとめ
センスは天性的なものではない。
「わからないのはセンスがないせい」ではなく、「わからないのはセンスを磨く努力をしていないせい」
この本を最後まで読んで、知識を得ようとしない不勉強と、感受性や好奇心を捨てた思い込みは、センスアップの敵であることに心から共感しました。
そして、素晴らしいアイディアを持っている方々の背後には、目に見えない多大な努力があり、それをセンスがあるという言葉で片付けてしまうのは、とても失礼な考え方だったということに大きく反省しました。
ただセンスを磨くためにやるべき行動は、それほど多くないことがわかったので、実行してセンスを磨いていこうと思います。
知っているかどうかで大きく変わるセンスの本質を知った私は、本を読む前よりも少し、センスが良くなったんじゃないかなと思います。笑
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。
本書の内容が気になる方はぜひ読んでみてください。