『東アジアと東北』
歴史教育者協議会東北ブロック編『東アジアと東北』読み終った。
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古代の東北地方は征服される地域として歴史に乏しいあまり人も来ないような場所ではなく実は環日本海というべきアジアの交流が昔から盛んだった。
例えば百済という国が滅んだ時期には敗れた朝鮮の人たちが多数日本に渡来して東北地方にも稲作や先進的な土木工事といった各種技術を導入しそれが浸透していくという歴史がある、と書かれている。
それを読んで自分の地元も昔からあまり人が住んでないような寂しい地域だと思っていたが古代であっても外国から人がやってきて何かいろいろ活動していたというのを知ると何らかの魅力や将来性を感じて定着してくれたのだろうから少しうれしいなーという気持になった。
いいことばかりではなく時代が下がって幕末にはロシアの脅威に備えて蝦夷を開拓したり東北から藩兵を派遣する、冬の北海道にそまつな装備で越冬するといったあまり目立たないが文で読むとおそらく相当過酷だろうと想像する事件や各藩の対応といった描写や記録があり、世の中が近代化して物事が便利になれば地域の情勢や勢力範囲も変わってくるのだなと改めて分かる。
古本屋で100円で買った本だが新しい発見や自分の居住県だけでなく隣県の歴史や活躍した人物等を簡潔に広く紹介しているのでとてもいい読書だった。