インターンシップの経験から得たこと

就活をしていたとき、私はプレゼンテーションやディスカッションの技術こそ社会人に必要なスキルだと思っていた。ただ、それ以外にもっと大切なものがあると気づいたのが、夏のインターンシップの経験だった。

私はあるコンサルタント企業のインターンシップに参加したのだが、正直人数合わせで入れてもらえたのかな、と思えるほど他の参加者が「優秀」だった。「優秀」という言い方は分かりにくいと以前友達に言われたときは思ったのだが、実際に「優秀」な人に直面するとその言葉しかでない、というのが事実だ。ファシリテーションやアイデアの豊富さ、ディスカッションの上手さがここまで出来るのか、とレベルの違いを痛感した。

インターンシップ自体は3日間で行われたのだが、もう2日目に入ったところで私は意気消沈していた。他のメンバーの主張が強すぎて、何も言えなくなっていたからだ。だが本当に良かったことは、企業のメンターがそんな私の現状に気づいていて、こんな言葉をかけてくれたからだ。

「発言をためらってしまうのは仕方ないけど、じゃあ君が何を考えているのか教えてほしい」

ここで、自分がそもそも何も考えられていないことに気が付いた。他の人に遠慮していたからではなく、そもそもその場で一緒に考えなければならない責任を放棄していたからだ。結局そのインターンシップでは何も結果を出せずに終わってしまったが、社会人になるために大事だと思えることを学んだ。

それは自分が出来ることを探す努力をするということだ。おそらく、今でもあの場所で素晴らしいアイデアを出すことは出来なかったと思う。しかし、相手の意見をしっかり聞いて論点の整理をしたり、ホワイトボードに議論をまとめるといった、自分でも出来る仕事を見つけることはできる。

この経験で、自分にとっての社会人に必要なスキルは自分が出来ることを探す努力をする=素直さではないか、と気づくことができた。