チヂミとスマブラで世界は救えるかもしれない
引き続き、楽しかった時の話をする。
3月になったばかりくらいの時期に、久しぶりに高校の友人グループで旅行に行こうとしていた。が、世の中はこんな状態なので旅行はやむなくキャンセル。
しかしながら、せっかくの機会なので何かしたいと思った結果「家で遊ぶ」ことになった。
日曜の朝、友人宅の最寄駅に集合した。ピザをとって、家でみんなでチヂミを作ることにしていたので後は好きなものをスーパーで買おうということで、各々好きなお酒やお菓子等を買って家に向かった。休日の朝から快く迎え入れてくれた友人夫妻には感謝しかない。
旦那さんに挨拶をして手を洗ってうがいをして、ピザを並べて準備はできた。次はツマミのチヂミを作るためにキッチンを借りる。あれこれどこにあるの、と話している時にふとテーブルを見た友人が一言。
「なんかピザ増えてない?」
実は自宅にお邪魔するにあたって、みんなで結婚祝いの準備をしていたのだった。増えたピザと思われたものはアフター●ーンティーのペア食器だ。断じてピザではない。
家主夫妻へのサプライズも終わったところで気を取り直してチヂミを作ろうとした。が、ここで一つ問題が発生した。
パッケージの作り方が全てハングルで書かれている。
なんとか韓国語が読める人が数人いたので、クックパッドと並行して作ろうとしたがどうにも誤差がある。割と人数がいるのに全員料理が不得意とは誤算であった。見様見真似と友人の母の電話で作ってみる。味はチヂミだが、見た目が絶妙に違う。(写真撮っとけばよかった)
見ていた友人の旦那さんが残った粉で正しいチヂミを作ってくれた。本当にどこまでもありがとうございました。正しいチヂミが出た後に、最初のチヂミは何だったのかという話になったが最終的に「チヂミX」と呼ばれていた。
ちなみに我々の底辺に近い料理能力の争いは、先日鶏の唐揚げを作った私が優勝した。(勝因:揚げ物ができる)
スーパーで買ったお酒が程よく回ってきたところで夕方手前、そろそろ数名帰宅時間だ。お昼代の集計をしようとしたがどうやら細かい額がない。
「ウォンで払っていい?」
「じゃああとでルーブルに替えるわ」
「何で外貨でやりとりしてるの?」
1ウォンがいくらか初めてちゃんと知った。
用事がないならもう少しいてもいいという家主の言葉に甘えて私ともう1人残った。
「うち、スイッチあるよ」
というわけでスマブラをすることになった。が、ここでも問題が発生する。下手すぎる。何せ中学生以来ぶりくらいのスマブラなのだ。勝てない。ので一向にキャラが増えない。私としてはよくゼルダを使っていたのでゼルダが欲しかったのだが、まあ、勝てない。おかしいな、しずえ強いって聞いた気がするんだけどな、と思いながらしずえが崖から転落するたびに悲しい気持ちになった。ありがとう、しずえ、君はよくやってくれてた。
結局増えたキャラがネスだけだった。でも1戦勝てただけでも上々なのではないだろうか。操作方法って意外と覚えてるものだな。
その後初めてリングフィットをやらせてもらったんだが次の日普通に筋肉痛がきたので運動不足を反省した。
遊んでいたら旦那さんが夕食を作ってくれた。本当に今日一日お世話になりっぱなしである。
成人してから、人の家で遊ぶことが少なくなるので童心に帰るというか、小学生くらいに戻った気分だった。遠出できないのも、意外と近い場所で楽しめるのかもしれない。
何かと暗いニュースが多くて生きにくい世の中だけど、失敗したチヂミと下手くそなスマブラでその日の私はなんとなく救われて生きてるのだ。そういうことの繰り返しが、幸せってことなんだろうなとしみじみ噛み締めるのだった。