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思い出に「栞」を、


「うつむいてるくらいが丁度いい」

大好きな曲、クリープハイプの「栞」の歌詞です。

この曲は、高校生の時に、私がどうしてもやりたくてバンドで演奏をした、とても思い入れのある曲です。軽音楽部だった私の高校生活の青春を代表する1曲といっても良いでしょう。この曲を聴く度に、私はキラキラとしていた高校時代を思い出します。


そんな今日は、このクリープハイプの「栞」が主題歌となった映画、「14歳の栞」を見てきました。



本当にとある中学2年生の教室を覗き見しているという感覚でした。お話と言えるほど、起承転結も何もありません。ただの「日常」です。

120分間、とある中学校の「2年6組」の1人1人にフォーカスが当てられる、「全員が主人公」の作品。

これは、私たちが一度立ち止まり、
いつでもあの頃の気持ちに立ち返るための
「栞」をはさむ映画です。


映画の公式サイトの紹介文の最後には、こんなことが書かれていました。

いやぁ、本当にこの言葉通り。

「あの頃何してたっけ」ってずっと考えながら見てたんですけど、だんだんと自分も中学2年生の頃にタイムスリップした気分になっていました。



あの頃は、勉強と部活をがむしゃらに頑張っていて、クラスではグループとかに入らないで満遍なく色んな子と話してふわふわ過ごしてたなぁ。(これでいいんだ)って自分には言い聞かせてたけど、特に楽しかった訳でもなく、かといって拒絶したくなる程学校が嫌だった訳でもない。でも、(早く1日が終わればいいのに)と思いながら過ごしていた気がします。部活では下手くそなのに監督から副キャプテンに指名されて、周りからどう思われるか怯えながらもとりあえず目の前のことに全力で取り組みました。今の私よりずっと真面目だったなぁ。。

いっぱい悩んでいっぱい努力した、そんな14歳。
はっきりとしたことは覚えてないけれど、そんな感じ。
この機会に夜な夜な中学の卒業アルバムを引っ張りだしてみると、(球技大会やったなあ、合唱コンみたいなものもあったな〜校外学習行ったなあ〜)とかもっと色んな記憶が蘇ってきました。前髪もボッサボサで、写真も全然盛れてないから見返すの嫌だったけど、なんかそれもひっくるめて懐かしかった。




映画に出てくる2年6組の35人には、それぞれ部活も家族環境も違って色んな背景があって、(あーーーこんな子うちのクラスにもいたなぁ)とか、(あー学校に来ない子もいたなぁ)とか色んなことを感じながら、自分の中学時代に思いを巡らせていました。なんだろう、特にこのシーンが〜!!!っていう感想とかは無くて、薄っぺらく聞こえてしまうのかもしれないけれど、繰り返しの毎日の何気ないその一瞬一瞬がとても愛おしく感じられた、そんな作品でした。

ちょっとダサい体操服、重たいカバン、めんどくさい給食当番、辛かった校舎周りのランニング。



あの頃からもう6年も経ってしまっていました。


将来何になりたいかとか、とうとう決めなきゃいけない時期になってきて、漠然としたものじゃダメになってきて、切羽詰まってる今。なにか行動を起こそうにもついつい後先のことを勝手に考えて怖くなって足がすくんでしまう。

でもあの頃は違ったな。(とりあえず「今」を乗り切ろう)って、そんな感じだったな。

そうやって、映画が終わりに近づくにつれて、なんだか意味分からない涙が勝手に出てきました。最後にクリープハイプの「栞」が流れた時、大学までの私の学生時代の思い出が一気に走馬灯のように頭の中に流れてどうしようもなかった。やっぱり中学生高校生の時期ってほんとに特別で、儚くて、今の自分を作る1部にもなるかけがえのないものなんだと確信した時でした。

忘れてなんかやるものか。辛かった思い出も、頑張った思い出も嬉しかった思い出も、今日、全部栞をつけた。



中学の卒業アルバムの1番最後のページの寄せ書き欄。2年間お世話になった担任の先生からはこんな言葉を頂いていました。

考えすぎないように!

すごく簡潔だけどそれが先生らしくて、この一言だけなのにすごく私のことを理解して頂いてたんだなぁと思えました。今でも考えすぎな性格は全然変わってませんが、あの頃よりかはだいぶ良い意味でも悪い意味でも適当になったと思います。





昔の色んな思い出に栞をつけられた今日はとても特別な日でした。
これからの私の人生も、思わず栞をつけたくなるような歩み方をしたい。


さぁ、明日はどう頑張ろうかな。


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