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優しい犬

去年、いや一昨年かな。おばあちゃんの家で飼っていた犬が亡くなりました。「ハナちゃん」という名前で、犬種はビーグルです。私のnoteの名前はそのワンちゃんからとっています。

お正月におばあちゃんの家に行って、ふとハナちゃんの話になった時、おばあちゃんが言ったことがなんか忘れられなくて。ほぼ自分用にnoteに書いておこうと思います。

「ハナちゃんはほんまにアホやったけど、すごい優しい子やったなぁ〜」

多分この言葉ってそこまで引っかかる言葉でもないと思うんですけど、私は「犬に優しいとかあるの?!」って何故か思ってしまってたんです。酷いですよね笑

犬に賢いとか賢くないとかはあるかもしれないけれど、一体おばあちゃんはハナちゃんのどんなところを見て「優しい」と思ったのだろう。

お母さんも頷いてた。

ハナちゃんはどう優しかったのかな。私には気づけなかった。「可愛い」ってそれだけで。

私はハナちゃんを家族としてじゃなくて「ペットの犬」としか見てなかったのかなって、悲しくもなりました。


もっとハナちゃんの優しさに気づきたかったな。




ハナちゃんは私と生まれた年が同じで、一緒に歳をとっていきました。ハナちゃんの方が勿論、一気に歳をとるのですが。

私の家のマンションでは犬が飼えなくて、それでも犬が本当に本当に大好きだったので、車で5分のおばあちゃんの家に行くたびにハナちゃんを撫で撫でしていました。

ハナちゃんは私が気づいた時には目が見えなくなっていました。目が見えなくなってからが長かったのでその状況にも慣れてしまっていましたが、本当は怖かったよね。でも私やお母さんが来るとすぐ匂いで気づいてしっぽを大きく振ってくれました。ありがとう。

でも、私が中学、高校と段々大きくなっていくにつれて忙しくなり、こんなにもおばあちゃんの家は近いのに全然おばあちゃんの家にいかなくなってしまいました。


目の前の日常をバタバタと過ごしていくうちに、私はついに大学生に。



そして久しぶりにおばあちゃんの家に行った時、ハナちゃんはとても痩せ細って、私が来たことも分からなさそうで、ご飯も食べず、くるくるとその場を回っていました。泣きそうになって、でも家族の前では泣けないので耐えました。


暫くしてまたおばあちゃんの家にまた行かない間に、ハナちゃんは静かに亡くなりました。でも、10何年も生きてくれたので、立派な長生きです。




ハナちゃん、今頃どうしてるかな。イマドキのトイプーとか柴犬とかじゃなかったのが嫌だったのか、おばあちゃんの家に行ってもあまりハナちゃんに触らなかった時期も正直あった。ごめんね。でもハナちゃんいつもしっぽ振ってくれて、ワン!って言ってくれて....。

ハナちゃんの優しさはこういうところにあったのかもしれない。全然わかんないけど。

全然わかんないけどハナちゃんは優しかったんだ。おばあちゃんとお母さんが言うからそうなんだ。




私もっと周りに目を向けたい。

つながりって人と人だけじゃない。


分かってたつもりだったけど、私がハナちゃんの優しさに、犬の優しさっていうものにすぐにピンとこなかったことが悔しい。ただ「好き」なだけじゃ全然ダメだ。何も分かってなかった。



後悔は、できる限りしたくないです。
ハナちゃんが亡くなったこと。定期的に思い出して涙が出るけど、私は優しいハナちゃんのおかげで、人と人との繋がりだけじゃない大切なことを知ることができました。

ここまで書いたら何だかスッキリしました。ハナちゃんの死に、「悲しくて辛い」だけの感情だったのが、「ありがとう」という感情もプラスされました。


これで私は前を向けそうです。

今日も誰かの優しさに気づけますように。

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