関係代名詞攻略
関係詞という単元は中学生でも苦手な子が多い……がやり方さえわかってしまえば、色んな英文法の中でもかなりかんたんな部類に入る、ということは意外と知られていない。今回はそんな関係詞の中で、関係代名詞についてなるべくわかりやすく解説していこう。
関係詞の範囲を決定する
まず関係詞の問題をやる上で、必ず関係詞の文章を見つけたらやってほしい作業がある。そのカバー範囲を( )をつけることで、どこからどこまでが関係詞の範囲なのか、明確にしておいてほしいのだ。
これは英語の偏差値が40だろうか50あろうか、60あろうが、必ずして欲しい作業である。
関係代名詞の範囲のイメージ
He is my friend ( who is walking across the street. )
やり方は簡単
① 文中に現れた関係詞の直前から「( 」をつける。
②2つ目の動詞の直前に「 )」をつける。
ちょっと練習してみよう。
He is my friend who is walking across the street.
さて文の中に「who」が入ってる。明らかにこれが関係詞くさそうだよね。なのでこの「who」の直前から「( 」をはじめる。
He is my friend ( who is walking across the street.
そして「who is……」と右へ読み進めていくと、「is」という動詞の1つ目を発見。そのまま目線を右へスライドさせていくと2つ目の動詞は見つからないので1番最後で「 )」を閉じる。
He is my friend ( who is walking across the street. )
ということでこれはSVCの第2文系。関係詞は最後の部分、とすっきりするね。一応説明しておくと「関係詞ってそもそもなにか?」ていうと、関係詞は名詞を修飾する形容詞節のことなんだ。この文章だとただの「my friend」なんかじゃなくて「そのとおりを渡ってるのは俺の友達なんだ」と先行詞「my friend」を詳しく説明してるよね。念の為もう1問
My English teacher who is teaching me English is 35 years old.
さてこの文章もごちゃごちゃしてて、関係詞に慣れていないとうまく読み取れないかもしれない。でも「( )」をつけてしまえば簡単。
My English teacher ( who is teaching me English ) is 35 years old.
「who」のところから「( )」をつけて右へ視点をスライドさせていくと「is」という1つ目の動詞。そして更に右へいくとまた「English is……」と2つ目の動詞が出てきたので、この直前までが関係詞の範囲だな、と「( )」を閉じる。するとこの文章は「 My English teacher is 35 years old」と第2文系の文章なんだな、とすっきりするよね。こんなふうにどこからどこまでが関係詞の範囲か、そうでないか、すっきりさせることが問題を解く前の下準備で必要だ。
関係代名詞の主格
さていよいよ本格的な関係代名詞の勉強だけど、あまりごちゃごちゃ書きすぎるのもめんどくさいのである程度中学レベルの知識についてははしょって書こうと思う。具体的にいうと人が主語のときは「who」とか、「that」で関係代名詞は言い換えできるとか、その辺の基礎は各自で確認してね。
さて関係代名詞の主格について説明するんだけど、主格とは要するに主語の代わりを果たしてるってことだ。「どういうこと?」と焦らなくても大丈夫、次の文章を見てくれ。
He is my friend ( who is walking across the street. )
S V C ( S" V" M" )
さてさっきもやったこの文章、( )の中を見ていくとSVMという第1文型の文章だけど、問題は関係詞「who」が果たしている役割。( )の中には本来の主語がない、でもその代わり「who」がその主語の代わりを果たしている。こんなふうに関係代名詞の主格は()内で主語の代わりを果たしてくれるんだ。では念の為もう1問。
My English teacher ( who is teaching me English ) is 35 years old.
S ( S" V" O1" O2" ) V C
さてこの文章、()の中を見ると本来主語が存在する位置に、代わりに「who」が入り込んでいるよね。つまりwhoが主語の代わりを務めているということ。まさに関係代名詞の主格だね。
関係代名詞の目的格
じゃあ関係代名詞の目的格とは一体なにか……。もう大体想像がつくね。()内で目的語の代わりを果たしているのが、関係代名詞の目的格だ。
The pen ( which I bought yesterday ) is on the desk.
S ( S " V" ∅ M" ) V M
さてこの文章、()の中を見てみると、「買った」とは言っているけれど、動詞「bought」の目的語が抜けているよね。と実は先頭のwhichがそんな足りない目的語の代わりを果たしている。こんなふうに()内で目的語の代役を務めるのが目的格の役割。念の為もう1例題。
That is the book ( which I read.)
S V C ( S " V" ∅)
はいこの文章も「オラ読んだ」と言ってるけど肝心の読んだモノ、目的語が抜けているよね。で代わりにwhichがそんな抜けた目的語の代わりをしているわけだね。
ということで関係代名詞の攻略法は以下の通り。
・関係詞の範囲を( )でくくってどこからどこまでかわかるようにする
・( )の範囲内で関係詞が果たす役割を見極める
これをきちんとこなしていけばこの単元はその問題も瞬殺で解けるようになるよ。
関係代名詞の目的格の省略
さてでは中学時代にもやった目的格の省略。中学のときにやったとはいえ、いまいちわかってなさそうな人も多そうなのでやっておくよ。
The pen ( which I bought yesterday ) is on the desk.
さっきやったこの文章、実はこの文の目的格を省略することができるんだ。
The pen I bought yesterday is on the desk.
はい「which」が消えて「The pen I…」という語順になったね。こんなことを書くと「え、関係詞って省略されるの!? それまでwhichとかwhoとかで関係詞の文章かどうか見極めてたのに、こんなんじゃわかんないじゃん!」と混乱するかもしれない。
でも普段から文型をとる癖をつけてさえいれば、ここは大丈夫。注意すべきは以下の2つ。
・名詞 + S V という不自然な語順になっている
・目的語が抜けている
この文章、「The pen I bought」とかな~~り不自然な語順になってるよね。「The pen」と1つ目の主語がでてきたのに「I」という2つ目の主語が出てきてしまっている。そうやって疑いの目を向けて視線を右へずらしていくと「I bought yesterday is……」とboughtの目的語が欠けている。以上の(異常の?)2点からはいこれは関係代名詞の目的格が省略された形だ、とわかっちゃうわけ。というわけできちんと文型を注意しながら文章を読んでれば簡単にわかっちゃうよ。
関係代名詞の非制限用法
はいでは関係代名詞の非制限用法について、これは口で説明するより実際に例文を見てもらったほうが早いのでこちらをどうぞ。
I met Bob ,who didn't give me any advice.
私はボブにあったが、いいアドバイスはしてくれなかった。
こんなふうに関係詞の直前に「,」を打つ用法。これを非制限用法という。どんなときに使われるかというと、私が会ったBobってのはこの世界中で1人しかいないよね? ありふれた量産品であるペンや本とかとは違うわけだ。こんな、世界でたった1つのものは、わざわざ限定する必要がないから、非制限用法が多く使われるんだ。
さて今まで関係詞の先行詞ってのは「ボブ」とか「本」とか1人、1つのことだったけど非制限用法の場合は、関係詞の直前の文章全体や、その一部を先行詞にできるってことだ。次の例文を見ていこう。
I didn't say anything , which made him angry.
この文章の先行詞は「I didn't say anything」全体。何も話さなかったことで彼は怒った。こんなふうにひとまとまりな文章を先行詞にできる、ちょっと変化球な用法があるので注意。なんでこんな用法があるかというと、書き手は文章の因果関係を明確にしたいんだ。彼は何も話さなくて、それが原因で怒っちゃったわけでしょ? そんなふうに「これのせいで、こうなった」と論理関係をぱっと表現したいときに使われるわけだね。
さて関係代名詞の基本はこれでおしまい。他に関係詞は関係副詞とか関係形容詞とか連鎖関係詞とか色々あるけど、関係代名詞のほとんどの問題はこれにて解けるはずだ。
それではお疲れ様でした!