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マジ卍、言葉の中心にいない私たち

「マジ卍」
この言葉を聞くようになったのは、いつからだろうか。

女子高生流行語大賞なるものを調べてみると、2016年の第1位に「卍(まんじ)」2017年の第4位「まじ卍」がノミネートしていることがわかった。

言葉の中心にいた学生時代

2016年、私は何をしていたのだろうか。
今から4年前なので、ちょうど社会人になりたての頃だ。

思えば、大学生の頃までは、こういった流行語のようなものを自然に使えていた気がする。言葉を自分のものにできていて、言葉の中心に自分が入れているような感覚があった。

確かに、2014年の第1位「じわる」、2015年の第1位「それな」については、実際に使っていたし、使うべきタイミングについてもちゃんとわかる。

しかし、社会人になって突如現れた「卍」「まじ卍」。

この言葉については、意味がまったくわからないし。どのタイミングで使えば良いのかすらわからない。

どうやら社会人になり、流行語から取り残されてしまったみたいだ。

マジ卍について調べてみても意味がわからない

マジ卍とはいったいどういう意味なのだろうか。

「まじ卍」の意味は特に定まっておらず、感覚的な言葉であるとされる。LINEが制作した、女子高生を描く動画中では、この言葉に「信じられない!」という意味である、と注釈が入れられた。マジは「本気」、卍は「ヤバい」の意で用いられ、全体で「本当にすごく」あるいは「すごく」という形容詞になり、否定的な使い方と肯定的な使い方のどちらにも用いられると考えられており「文章語」では無く、「会話語」であるため、その場の文脈によりニュアンスが大きく変化することに留意し解釈する必要がある。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%BE%E3%81%98%E5%8D%8D

ようするに「マジでヤバい」ということなのだろうか。

例えば、めちゃくちゃ美味しい食べ物を食べたときにも「マジ卍じゃん!!」と使ってもよいのだろうか。

わかるようで使い方がよくわからない。調べれば調べるほどわからない。

なぜ若者は新たな言葉を生み出すのか

そもそも、なぜ毎年のように新たな言葉が生まれ、女子高生流行語大賞にノミネートされていくのだろうか。

同世代とのコミュニケーション量と雑談の割合が影響しているのかもしれない。

学生時代は、朝から晩まで同級生と同じ時間を過ごしていた。リアルでも話し、ラインでも話す。その内容は真面目な内容ではなく、ふざけたものばかりだ。

雑談だからこそ、新種の言葉が生まれ、同世代で同じコミュニティに属しているからこそ、その言葉を安心して使うことができるのかもしれない。

社会人になると、雑談の時間は減り、話している内容は仕事の話ばかりだ。そして、関わる年齢層も幅広い。だからこそ、誰にでも伝わる言葉、失礼にならない言葉を選んで使っているのだろう。

言葉の中心にいられないのがおじさんなのかもしれない

「いつの間にか、おじさんになってしまったな…」
そう感じたきっかけが「マジ卍」などの若者言葉だった。

言葉の中心にいた学生時代。言葉の中心にはいない今。流行語を使いこなせるかどうかが、若者とおじさんの境目なのかもしれない。

2020年にもなってマジ卍について触れている。その時代遅れ感こそが、私がおじさんであることの証明なのだろう。

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