長所はないけど生きている
ツイッターとかでよく流れてくる性格診断、たまにやるんですけど面白いですよね。答える人間が同じだから似た結果になるのは当たり前なんですけど、いつも同じことを言われるのでわたしという人間はそこそこ出来上がってしまっているんだなと実感します。
村谷由香里です。
noteをご覧いただきありがとうございます。
「あなたは感情で動くタイプで、良くも悪くもそのときの感覚がすべてです」というのが大体の結果に共通していて、わたし自身も異論がありません。気分屋、と言われるありがちな性格ですが、何分情緒が破綻しているので感情で動くとロクなことになりません。ロクな人間ではないということです。悲しい話だなあ。
就職活動をしているとき、自分がどのように長所をアピールしていたのか、一切思い出せないことに今気付きました。何を言っていたんだろう。
当時長所だと思って言っていた部分は、社会に出るとあっという間に折られた部分だったのかもしれません。順応能力があるとか、誰とでもチームワークを発揮できるとか。そんなこと言っちゃってたんじゃない?
狭い世界で生きていたから上手くいっていたような気がするけど、広い場所に出たら一撃でダメになることってありますよね。22歳の若かったわたしよ、わたしは順応能力ゼロだったよ。
31歳のわたしに、あなたの長所は何ですか、と尋ねても何にも返ってきません。
ないね。
ないけど生きているよ、としか言えない。
いいところなんかひとつもない割に、生活はそこそこ充実しているし、友達もいる。好きな人もいる。毎日文章を書く場所もある。わたしの力ではないけれど、環境と人に恵まれているのは運が良かったからでしょう。
自分のことは別に好きではない。自分がもうひとりいたら殺したいほど嫌いになっていると思うので、わたしがわたしとして、わたしひとりで良かったなと思います。
いいところはないけど生きてしまっている。
好きなものを愛して嫌いなものを憎んで、情緒に振り回されながら日々文章を書いていることを、赦されたいと思いながら生きています。
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