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映画『名付けようのない踊り』

田中泯さんのドキュメンタリー。昨年公開の映画『HOKUSAI』では、雨の中で藍色の絵の具を浴びて佇んでいた。唯一無二の存在感。
今回はこれまでのダンス公演映像や、様々な街の中で踊る『場踊り』がたくさん観られる。

畑仕事で作った身体で踊ろうと決めたのが40歳。その後も世界中の劇場や街で踊る、というか存在し続けて36年。水戸美術館で霧アーティストの中谷芙二子さんとコラボした作品の映像は美しかった…。海とのコラボも良かった…。というか存在するだけでそこに在る何かとのコラボが成立していた。

屋外で踊る際の場の空気や環境音が気持ちよい。上野耕路さんの音楽はポスト坂本龍一風で良かったけど、田中泯さんのダンスは無音楽で観たいと思ってしまった。無音楽の公演では、足の擦れる音や着物の擦れる音までバッチリ感じられた。

無観客で踊った後、今までの厳しい表情から一変して、子供みたいなくしゃくしゃの笑顔で「幸せだ」と呟く姿。この人の中には踊らざるを得ない確固たる理由が、いつまでも在るんだなあと思った。同時に、人前で演奏するとはどういうことなのか、と考えてしまう。
いい時間でした。

#映画 #ドキュメンタリー
#田中泯 #名付けようのない踊り

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