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対話型ホワイトボードpiglyphを使ってみた

グラフィックレコーダー、とんぷです。タイトル通りですが、2023年9月13日より、piglyph(ピグリフ)という対話型ツールのトライアル提供が開始したという記事を見て、体験してみました。

こちらは音声認識がついたホワイトボードで、会話を認識しながら、それにあったイラストをツール側が自動で提供してくれることで、グラフィックを用いながら、話し合いを行うことができるものとして、リコーが開発しているものになります。

誰もがグラフィックレコーディングできるように、と開発されたもので、例えば「話し合い」と発言すれば、それに合わせたイラストが数パターン表示され、それをホワイトボードにぺたぺたと貼り付け、話を展開していくことができます。

使ってみた感想

正直なところを言うと、みんなが気軽に楽しむというポイントでは、話が瞬時にイラストになることを楽しめるかもしれませんが、会議で使う場合、現段階ではまだ、使う側のファシリテーション力にかなり左右されるものだと思います。
気軽にグラフィックが表示されるとはいえ、それをうまく整理し、まとめるのは結構大変だと思います。
今まであった、ファシリテーターとグラフィックレコーダーが組んで、会議をまとめる機会がpiglyphが広がった場合に、どう変化するかは気になるところがあります。

また、現状提案されるイラストは定型的なものに留まり、複雑なものをイラストとして出すことはできません。
(例)「空飛ぶ車」というと
車のアイコンが出てくるものと空のアイコンや翼のアイコンが出てきて、「空飛ぶ車」というイラストは生成できない。

ただ、これについては、いずれAIの技術が組み合わさった場合に解消されていくことが予想できるので、話し合いのアイデアだしでは、会話が記録されつつ、ポンポンとイラストが表示されていくことが期待されます。

ピグリフの打ち出し。ツールはたくさんある。

ピグリフは対話型ホワイトボードで、話し合ったものをみんなで見て作成し、それを議事録として出力することが可能です。
ただ、一般的に(何を一般的とするかは難しいですが)グラフィックレコーディングと認知されているような形式で出すことは難しいと思います。

と言うのも、AIでは、言語にそったイラストを提供することができますが、流石に今のAIに現場の「空気感」や「熱量」を読みとってイラストに落とし込むことはできません。(できているものあったらすみません)

あくまで、piglyphで可能なことは、話し合いでのテンプレートに沿った可視化、議事録の作成。
現場の生感のあるレコーディングはまだグラフィックレコーダーだからこそできるものだと考えています。

もちろん、そういったエモーショナルなものは抜きで、機能面だけで見れば、piglyphで十分という場もあると思いますが。

グラフィックレコーダーってなんだろう

piglyph(ピグリフ)の無料トライアルを受けてみたのは、もしかしたらこれが導入されることで、グラフィックレコーダーとしての仕事がなくなるかもしれない、とか。働き方を見つめ直さないといけないという可能性を考えてのことでした。上記のことを踏まえると、すぐになくなるなどの心配はしなくていいと思っています。

ただ、今回piglyphを試す中で、改めて自分たちの仕事とは何か?それを考えるいい機会になったと思っています。
グラフィックレコーダーは形のないものを商品として提供しています。
イラストを描くこと、グラフィックを用いることで、会議やイベント、人の話に付加価値をつけているんです。

グラフィックレコーディングというものはそれを使う人の価値観によって、用途がものすごく分かれるものです。
ただのイラストとして見る人にとっては価値は低いかもしれないですし、議事録としてだけみてる人にとっては、前述のpiglyph(ピグリフ)でこと足りるかもしれません。

ただ、現場の話し合いの空気感や熱量を残したい人は、より生のグラフィックレコーディングを大事にしてくれるのかな、と思いました。
とはいえ、まだまだライブで描くには緊張しますし、引き出しもうまくいかない身。

今後も精進します。


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