2020/5/31 読書記録
レイモンド・カーヴァー『頼むから静かにしてくれ I』を読み始める。中央公論新社の村上春樹翻訳ライブラリーの一冊。
カーヴァーを読むのは実は2度目で、1度目の時は、まだ村上春樹の作品もほとんど読んでなかったし、内容が全然頭に入ってこなくて挫折した。そこから結構な年月が経って、今日もう一度手に取ってみたら、スルスルと読むことができることにびっくりした。自分も少しは「人生のやるせなさ」みたいなものを経験したからだろうか?
どの短編も日常の断片をとてもシンプルに描写してあって、読みやすいんだけれど、感情を揺さぶられる。シンプルな文章だからこそ、キャラクターが生き生きしているように感じる。私自身は、勤め先のレストランで太った男性に会ったことも、隣人夫婦の家でこっそり隣人の服を着替えてみたこともないのに、自分が経験したように読むことができるのは、そのキャラクターが抱く感情に、身に覚えがあるからかもしれない。
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