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差別化戦略②:VRIO分析で強みを言語化する
(特に愛媛の)中小企業や店舗の皆さんこんにちは!
前回は男女の三角関係を題材にして差別化戦略を考えてみました。
でも実際のところ、小さな会社や店舗は差別化戦略など考えているのでしょうか?
パターン①:差別化なんて考える暇もない!
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私が過去に関わってきた制作・広告業界は、マーケティングが身近なイメージもありますが、実際はそうではなかった気がします。
特に小さな会社は、力のあるデザイナーや既に取引先を持つ人が独立するケースが多く、日々の仕事に追われて「気づいたら取引先が増えていた」という会社が多いように思います。
おそらくこんな会社や店舗の方も多いのでは?
もちろん、それが悪いとは全く思いません。
しかし数年前の新型コロナの流行など、外的要因でやむを得ず窮地に陥ったとき、戦略の有無が差を生むように感じます。
パターン②:差別化が中途半端
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では私の場合はどうだったのか?というと、今思えば中途半端だったなと思います。
当時の私の戦略はこうでした。“現在と数年後に得る経営資源を予測し、自社の市場価値を判断した上で、戦う市場と稼ぎ方・売上額・割合を中期的に計画する”といった感じです。
客観的に理にかなった戦略でしたが、戦略はもちろん一つではありませんし、もっと戦略を全体化・組織化していれば…と反省点はいっぱいです。
パターン③:差別化するところを間違ってる?
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昔、制作業界でよく耳にしたのが「うちの会社の強みはデザイン力だ!」という会社です。しかし、常々私はこう思っていました。
何を以てデザイン力があるというのか客観性に欠ける
顧客はデザインの専門家ではないのに、それを正しく評価できるのか?
顧客が一番求めるのモノは本当にデザイン力なのか?
と言うことです。もちろん私の知り合いでデザインが抜群に良いデザイン事務所を知っていますが、意外と彼らは自社の強みをデザイン力だとは言わないんですよね。
そもそもデザインや味など、特に専門性や好みが介在する分野ではRTB(Reason To Believe:信じ得る根拠)がない限り、明らかな差別化は難しいのだと思います。
差別化を言語化する
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そこで、私がおススメしたいフレームワークの一つが”VRIO分析”です。
VRIO分析は、自社の強みが
V=Value(価値):価値があるか?
R=Rarity(希少性):希少か?
I=Imitability(模倣困難性):模倣されにくいものか?
O=Organization(組織):組織的に活用できているか?
ということを段階的に評価します。
例えば、①価値があり、②希少で、③模倣困難で、④組織的に活用できていれば「継続的な競争優位」があると評価されます。
わかりやすく言うと、
①V②R③I④Oすべて満たしていればvery good!
①V②R③Iだけでもgood!
①Vだけや、①V②RだけならNo good!
というわけです。
皆さんの会社やお店が思う”強み”は果たしてどの段階にあるでしょう?
VRIO分析の落とし穴
よくあるVRIO分析の落とし穴は「自社目線」でVRIO分析をしてしまうことです。
例えば、「自社の強みはデザインだ!」というA社があるとします。
しかしそのデザイン力は果たして市場価値のあるデザイン力であると言えるのでしょうか?
実はもっと他の「気づいていない強み」はないのでしょうか?
また、仮に本当に市場価値のあるデザイン力がある場合、①V=価値があり、②R=希少であったとしても、もし他社が報酬さえ出せば同じレベルのデザイナーを雇用できるなら、③模倣困難性はなく、持続的な競争優位と言えるほどの強みではありません。
何を強みと考えるか?またその強みは本当に強みと言えるのか?これらを顧客目線で判断できないと意味をなしません。
顧客目線で自社の強みを考えると意外な”強み”に気づくことも
VRIO分析を通じ、今まで自社の強みだと思っていたことが、実は強みでないことに気づいたり、今まで特に気にしていなかったことが自社の強みであると気づくこともあります。
大切なのは、多くの人が顧客目線で議論し、本当の強みを発見し、言語化し、合言葉のように社内共有することなんだと思います。
これは会社も飲食店などの店舗にも言えることです。ぜひ会社や店舗で話し合う機会を持ってみてはいかがでしょうか?
さて、次回は差別化戦略における”ターゲティング”という点について触れていきます。
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