はじめてレッズをみた日
2014年5月17日。私が初めて浦和レッズの試合で埼玉スタジアムを訪れた日だ。相手はセレッソ大阪。フォルラン選手や柿谷選手、若手だった南野選手も居た。W杯直前の試合だったことも重なり、55000人ほど入っていたらしい。当時10歳の私には詳しい事は分からなかったが、凄い熱気であったのはなんとなく覚えている。
行ったキッカケは父からの誘いだった。小さな頃からサッカーをやっていたが、両親共に未経験者で、プロサッカーに触れる機会は少なかったと思う。もちろん浦和サポでもない。埼スタは家から1番近いスタジアムだっただけだ。結果的に私はそこから浦和サポになるのだから、出逢えたのは奇跡とすら言える。
試合の内容はほとんど覚えてはいない。ただ、デビューイヤーの関根選手が途中出場からプロ初ゴールを決めたのは鮮明に覚えている。柏木選手とのワンツーからの美しい左足のシュートだった。先程はサポーターになったのを"奇跡"と言ったが、あのゴールと爆発するようなスタジアムの雰囲気を見れば必然かもしれない。
そこから私は少年団の試合がない日に埼スタに通った。当時FWをやっていたため、興梠選手に憧れて何度もプレー集を見て真似をした。中学にあがってもFWで、顧問の先生に「お前、動き出しがレッズの興梠みたいだな」と言われ、凄く嬉しかったのを覚えている。
ミシャ監督と共に築いた黄金時代、タイトルのかかった試合が沢山あったが、その殆どはテレビでの観戦だった。部活があったり、親の都合がつかなかったりで、頻繁には行けなかったのだ。特に辛かったのが2017年のACL決勝、2ndLegが中学の期末テストの前々日で、親に懇願しても許してもらえなかった。2019年のACL決勝はチケット争奪戦に敗れた。テレビの前で涙を流した。
私はもう大学生になった。今やシーチケホルダーである。5/6のACL決勝は"やっと"生で分かち合えた。北ゴール裏で声を枯らした。4年前とは違う涙を流した。
サッカーは高校で辞めてしまった。プロになりたいとぼんやり思っていた事もあったが、それはすぐ無理だと分かった。だからやはり伊藤敦樹選手には想いを乗せてしまう。あれこそまさに浦和の"歴史"だろう。高橋選手や安居選手も子供時代に埼スタに来ていたり、大畑選手が友達とレッズのチャントを歌っていたりしたらしい。浦和のサッカー文化の根付きを感じる。
私はただの1サポーターだが、それでもweの1人として、浦和のサッカー文化を継承していきたい。