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『局所性ジストニアを見つめる』 9. おわりに

この文章を書き始めた当初、私は自分が勝手に作った局所性ジストニア要因マップに重ねる形でアレクサンダーテクニークを位置付けるのがこの文章のゴールになると想定していた。
だが、すっかりそうでもないところまで来てしまったと思う。
何よりこの文章は、自分がアレクサンダーテクニークを見つめ直す良い機会になった。

それでも折角作ったのでやってみるならば、アレクサンダーテクニークは、神経・生理要因、心理要因、動作の3方向から同時に局所性ジストニアにアプローチできるのではないか。ただし、それは必ずしも直接的なやり方ではない。少なくとも私の経験は、局所性ジストニアに直接何かをするのではなく、結果的にそこに結びついたということがほとんどだった。それが要因マップへの位置付けを難しくしているところはある。要因マップでは直接的な要因・直接的な影響を考えていたからだ。

そういうものに比べると、アレクサンダーテクニークのアプローチは遠回り的だ。ブラジルの1匹の蝶の羽ばたきがテキサスに竜巻を起こすかもしれないように、自分に起こった何かが結果的に局所性ジストニアの要因へと影響を与える。アレクサンダーテクニークはそのような、局所ではなく全体性・総合性を目指したアプローチなのだと私は改めて実感した。

アレクサンダーテクニークの良さはこのホリスティックなアプローチにある。直接的でない分、わかりにくく理解されにくい部分も多く、時間と辛抱が必要な面はある。一方で、全体にはたらきかける分、局所だけのアプローチよりもその影響は幅広く、多岐にわたる。予想もしていなかったことも起こる。局所性ジストニアを改善したいと取り組んでいたら、肩こりも腰痛もなくなり、よく眠れるようになった、なんてことも起こりうる。
私の大好きな先生はよく、このテクニークでは「あらゆることが起こる Anything can happen」と言う。私もそれを日々実感している。

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ここまでの文章で、私のこれまでの経験やアレクサンダーテクニークについてうまく伝えられたのか、正直わからない。説明不足やうまく表現できていないところも多かっただろうと思う。それでも何かしら感じるところがあれば幸いである。もしさらに気になる部分や質問などがあれば遠慮なくコメントや連絡をいただけるととてもありがたい。私自身の理解をさらに深める良い機会にもなり、励みになります。

私のアレクサンダーテクニークのトレーニングも、順調に行けば、あと半年ほどで終わる予定である。今の私はいわば仮免許状態であり、修了してようやくアレクサンダーテクニーク教師を名乗ることを許されることになる。修了後の予定はまだ何も決まっていない。そんな私がこのタイミングで、これまでの自分の経過をまとめられたのは良かったかなと思っている。
最近は、「教えることから学ぶ時期にきている」と言われることもあり、その意味でもこの文章を書くのは良い機会になった。
これからも引き続き、こういう形で局所性ジストニアやアレクサンダーテクニークについて語る機会を作れればと思っている。

以上、ここまで読んでいただき、深く感謝いたします。
ありがとうございました。

Yukihiro
Email: yukihiro.tkd@gmail.com

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