Yukihiro

アレクサンダーテクニーク教師。2024年2月にアイルランドのAlexander Technique Centre, Irelandでトレーニングを修了。 クラリネット吹き。博士(理学)。 Email: yukihiro.tkd@gmail.com

Yukihiro

アレクサンダーテクニーク教師。2024年2月にアイルランドのAlexander Technique Centre, Irelandでトレーニングを修了。 クラリネット吹き。博士(理学)。 Email: yukihiro.tkd@gmail.com

マガジン

  • アレクサンダーテクニークの共同マガジン

    • 695本

    不必要な緊張をやめて、能力を最大限に生かす、心身技法です。 アレクサンダーテクニーク教師と、学んでいる方々の記事を集めました。

  • 『局所性ジストニアを見つめる』

    局所性ジストニアとアレクサンダーテクニークに関する私の経験をまとめました。

最近の記事

「チェアワークの深さを探求する」を探求する(私なりに) その1

少し前になりますが5月22日にデビ・アダムス(Deborah Fishbein Adams)さんのワークショップに参加してきました。 主催者は石井ゆりこさん。私がアイルランドに行く前にお世話になっていたアレクサンダーテクニーク教師です。 今年の3月にアイルランドから戻り、ご挨拶に伺った際に今回のワークショップを計画していることをおしえていただきました。 これからこのワークショップに関することを書いていこうと思います。 と言っても、何が行われたなどのレポートではなく、ワークシ

    • 最近の私について

      みなさま、ご無沙汰しております。 お元気でしょうか? 私は最近シューベルトの弦楽五重奏曲に改めてどハマりしています。ぜひ聞いてみてください。 新生活もようやく落ち着いてきたので、継続的に文章を投稿していこうと考えています。そんな計画を立てていたところで、3月に日本に戻った報告をしてから何も書いていないことを思い出しました。 計画を実行する前にまずは現在の状況を、と思いこの文章を書いています。とりとめもない話になりますが、ご容赦ください。 3月にアイルランドから日本に戻りま

      • 卒業しました

        2024年2月22日でアイルランドでのティーチャートレーニングを修了し、2週間ほどアレクサンダーテクニーク教師としてアイルランドで過ごし、先日日本に戻りました。 3年半ほどトレーニングでアイルランドにいたわけですが、一言でまとめると、人生を変える経験でした。元々、アレクサンダーテクニークについてもっと知りたい、自分に何が起こっているのかを知りたい、というのと、指の課題(楽器演奏時の指の運動障害)をなんとかしたい、という2つの目的を持っていました。1つ目の目的はもちろんのこと

        • 『局所性ジストニアを見つめる』 9. おわりに

          この文章を書き始めた当初、私は自分が勝手に作った局所性ジストニア要因マップに重ねる形でアレクサンダーテクニークを位置付けるのがこの文章のゴールになると想定していた。 だが、すっかりそうでもないところまで来てしまったと思う。 何よりこの文章は、自分がアレクサンダーテクニークを見つめ直す良い機会になった。 それでも折角作ったのでやってみるならば、アレクサンダーテクニークは、神経・生理要因、心理要因、動作の3方向から同時に局所性ジストニアにアプローチできるのではないか。ただし、そ

        マガジン

        • アレクサンダーテクニークの共同マガジン
          695本
        • 『局所性ジストニアを見つめる』
          9本

        記事

          『局所性ジストニアを見つめる』 8. 局所性ジストニアと感覚

          『局所性ジストニアを見つめる』もそろそろ終わりが見えてきた感じがしている。書き進めるほどに「これでいいのか」と疑問に思うこともあったが、とりあえずここまできた。何よりの収穫は、書き始める前にぼんやり思い描いていたのとは違うところに着地しそうなことだ。こういう予想外はとても嬉しい。少なくとも私にとってはこの文章を書くことにすごく意味があったし、アレクサンダーテクニーク観を改めて見直す良い機会になった。メモを取っていてよかった。実は腹落ちするほどの実感を持っていなかったのか、私は

          『局所性ジストニアを見つめる』 8. 局所性ジストニアと感覚

          『局所性ジストニアを見つめる』 7. アレクサンダーテクニークのセッション

          楽器を使ったセッション以外の時間に私がアレクサンダーテクニークとどんなことをしていたのか?である。 私は以前、アレクサンダーテクニークを「無意識を意識化する」メソッドだと説明した。アレクサンダーテクニークは、知っている人間からは「教育」だと説明され、一般的には「補完医療」の一形式ととらえられていることが多い(例えば、私の学校 Alexander Technique Centre, Irelandをgoogle mapで調べるとAlternative Medicineと表示が

          『局所性ジストニアを見つめる』 7. アレクサンダーテクニークのセッション

          『局所性ジストニアを見つめる』 6. 私と楽器との付き合い

          今回から改めて、私の局所性ジストニア的症状に話を戻す。 「問題が起きている動作」の観察である。 これを私の経験に当てはめてみる。まず始めに私が楽器を持って受けたアレクサンダーテクニークのセッションでの出来事を紹介する。 気になること2020年11月下旬、私はアイルランドに来て初めて楽器を持ってレッスンを受けた。トレーニングコースをスタートして1ヶ月ほど経った頃である。それまでは新しい環境に慣れるのと、アレクサンダーテクニークそのものを学ぶのにフォーカスしていたため、それが目

          『局所性ジストニアを見つめる』 6. 私と楽器との付き合い

          『局所性ジストニアを見つめる』 5. アレクサンダーテクニークの学校 2時間目

          前回のおさらい学校と銘打っているので、おさらいから始める。 前回、アレクサンダーテクニークを「無意識の意識化」という観点から紹介した。おさらいになるが、アレクサンダーテクニークが注目する無意識とは私たちの持つ習慣である。特に、私たちが自分で気がついていない習慣のことを指す。 「無意識 = 気がついていない習慣」なんてそんなにたくさんはないだろうと思うかもしれない。しかし、それこそが盲点である。身近なところに実はたくさんある。それが私の実感である。 アレクサンダーテクニー

          『局所性ジストニアを見つめる』 5. アレクサンダーテクニークの学校 2時間目

          『局所性ジストニアを見つめる』 4. アレクサンダーテクニークの学校 1時間目

          私は元々『局所性ジストニアを見つめる』という文章の他に『アレクサンダーテクニークの学校』という文章もそのうち書きたいと思っていた。ここで早くも2つが合流した。今回はその1回目である。アレクサンダーテクニークとはどんなものかを私なりに書いていこうと思う。 アレクサンダーテクニークについて語る前に私は2020年11月からアイルランドにある学校 The Alexander Technique Centre, Ireland のアレクサンダーテクニーク教師養成コースに通っている。約

          『局所性ジストニアを見つめる』 4. アレクサンダーテクニークの学校 1時間目

          『局所性ジストニアを見つめる』 3. 知識の整理

          「局所性ジストニア」や「動作特異性ジストニア」が起こる原因や対処法はどこまで分かっているのだろうか。どんな要因が関わっていると考えられているのか。ここではそれを私でも理解できる形で整理してみようと思う。 あくまでも素人考えなので、その点は注意して読んでいただきたい。 「局所性ジストニア」研究の現状はまずはじめに理解しておいた方が良いと思うのは、「局所性ジストニア」も「動作特異性ジストニア」も、それが起こる原因やメカニズム、解決法が、科学的に完全に理解されているわけではない、

          『局所性ジストニアを見つめる』 3. 知識の整理

          『局所性ジストニアを見つめる』 2. まずは言葉の整理から

          まずは言葉の整理から『局所性ジストニアを見つめる』と題してこのシリーズを始めたが、そもそも「局所性ジストニアってなんだ?」をまずは整理したい。 私は言葉にこだわるところが結構あり、自分でその言葉を使う際にはこの辺りをすっきりさせないと気持ちが悪い。一応補足すると、普遍的な定義を求めているわけではなく、自分や他の方が「こういうつもりでこの言葉を使っている」というのをわかっておきたいという感じである。 問題をよく知っている方には釈迦に説法な話になってしまうが、私自身の整理のため

          『局所性ジストニアを見つめる』 2. まずは言葉の整理から

          『局所性ジストニアを見つめる』  1. はじめに

          はじめに前回、7月に局所性ジストニアに関する取り組みや経過をざっくりとまとめた文章をnoteに投稿しました(https://note.com/ytatlab/n/ne460ab10872a)。その中では、私の局所性ジストニア的症状の変化をまとめ、最近読んだ局所性ジストニアに対する心理療法的なアプローチと自分の経験を比較しながら、アレクサンダーテクニークについて話をしました。それ以降、今年の夏は局所性ジストニアに関係する文献をさらに読み続けてきました。さすがに本一冊とそれに関係

          『局所性ジストニアを見つめる』  1. はじめに

          局所性ジストニアとアレクサンダーテクニークに関する私のざっくりとしたまとめ

           みなさま、大変ご無沙汰しております。  アイルランドに来てから2年半以上が経ちまして、3回目の夏です。私のティーチャートレーニングも残りあと半年ほどになりました。ここらで少し私の現状をまとめてみようかと思いまして、久しぶりに投稿します。 【はじめに】  アイルランドにトレーニングに来るにあたり大きく2つの目的があった。  1つは、アレクサンダーテクニークについて知り、人に伝えられるようになること。これはそのまま、アレクサンダーテクニークの教師になることとつながっている。

          局所性ジストニアとアレクサンダーテクニークに関する私のざっくりとしたまとめ

          起こっても良さそうなのに起こらなかったことについて考えている

          みなさま、お久しぶりです。いかがお過ごしでしょうか? 私の方は、6月の半ばにクラスの学期が終わり、その後、ドイツとスロベニアでアレクサンダーテクニークのワークショップを受け、用事でトルコに行って、アイルランドに戻り、それからはひたすらトルコ語の勉強と読書、という引きこもり生活をしています。アイルランドにいるのにね。 8月になったところで改めて振り返ってみると、7月、そういえばほとんど誰とも喋っていない!と気がつき、そこに至ってこの場をようやく思い出したので、この文章を書いて

          起こっても良さそうなのに起こらなかったことについて考えている

          許す・宥す・Allow その2

          こんにちは。 私の住んでいるところは最近不安定な天気が続いています。 先週で私のトレーニングがちょうど折り返し地点に到達し、次週以降から後半に入ります。1600時間のトレーニングなので既に800時間を終えたということなのですが、かと言って、区切りがきたから急に何かが変わるというわけでもないので、引き続き、楽しく精進していきます。 * * * * * 何度か書こうと思いつつ忘れてしまっていたのですが、えりえりこさん (https://note.com/erierieriko

          許す・宥す・Allow その2

          「許す」と「宥す」と"Allow"  その1

          こんにちは。 私の住んでいるところは最近天気の良い日が続いています。 アイルランドは今が観光シーズンだと思います。 5月の頭から学校はVIsiting Teacher Weeks とも言える状況に入っており、先週と今週はヨーガも教える先生が来ています。 アレクサンダーテクニークとヨーガは相性がいい、というのがその先生の口癖の1つなのですが、1つの1つの動きやアーサナにどのように入るか、ここを意識することで、いつもの動作を普段とは異なる経験に変えることができる、というのを体

          「許す」と「宥す」と"Allow"  その1