大型類人猿はひとなのか、ひとでないのか(3)「人間±α」を乗り越える思想が必要
ここまで2回にわたり、大型類人猿を擬人化することについて考えてきました。現在では、大型類人猿に服を着せたり二足歩行をさせたりといったあからさまな擬人化をほどこすことはかれらの保全に悪影響があることが明らかになり、それが実体でない画像などであっても批判の対象となります。その一方で、そのような擬人化を批判する研究者の一部が、おそらくは大型類人猿の尊厳や本来的価値を強調し保全を訴える目的で、大型類人猿を「一人二人」と数えたり「男性・女性」というなどの擬人化をほどこしています。これは