個人事業主として開業してからの経験を書いておく5(経費処理:家事按分について)
今回は、経費処理のひとつ、「家事按分(かじあんぶん)」というものについてお話したいと思います。
1.プライベートかビジネスかわからない経費が出てくる
私は自宅を事務所として登録しており、自宅でも業務を行っています。
お客様の業務をリモートで行う場合もありますし、京義業務やビジネス戦略を練るなどいろいろ自宅で行っています。
なので、自宅に関連して支払っているいろいろな費用が経費として計上できるんですね。
ところがですね、自宅はもともと生活するためにあるわけで、ビジネスのためだけに使っているのではありません。
また、自動車もそうです。ビジネスのために使用することもあれば、プライベートで使用することもあるはずです。
プライベートとビジネス、両方で使用するのは例えば以下のような費用です。
・マンション管理費
・修繕積立金
・インターネット使用料
・電気代
・固定電話代
・携帯電話代
・自動車に関する費用(駐車場代、ガソリン代、補修費)
・マンションの修繕費
など
2.家事按分という方法
こういった、プライベートとビジネス両方で使っている費用が発生したとき、経理上では「家事按分(かじあんぶん)」という処理を行います。
簡単に言えば、
プライベート(家事)とビジネス(事業)で使っている割合を決める
というものです。
例えば電気代が5000円かかったとして、家事按分でビジネスとプライベートの比率を50%ずつにしたとします。
この場合、経費としては「水道光熱費」という勘定科目で5000円を計上します。
参考までに、残りの5000円は、ビジネス用の資金や口座からプライベート用の支出をしたとして「事業主貸(じぎょうぬしかし)」という勘定科目で計上したりします。
3.按分の割合はどうやって決めるか
あとはこれを事業と家事でどう按分するかになりますが、これは正解がありません。
それぞれが理屈を作って割合を決めることになります。大事なことは、税務署からチェックが入ったときに筋が通っているようにロジックを組み立てておくことですね。
いろいろサイトを調べて確認しましたが、例えば以下のような決め方をするみたいです。
1.敷地面積に対し、事業用としてどのくらいの面積を使用しているかの比率から割り出す
2.全体の利用時間から事業に係る時間を算定し、比率を割り出す
私も、上記の2つをベースにして家事按分の比率を決めました。
4.家事按分の設定と計算は会計ソフトがやってくれる
家事按分の設定については、私が使っているクラウド会計ソフトFreeeの場合、とても簡単でした。
Freeeには、「品目」という項目を設定できます。そこに家事按分を行う対象のキーワードを入力しておきます。例えば「電気代」、「ガソリン代」のような感じです。
そして、特定の勘定科目でかつ特定の科目である場合には家事按分を何%適用するというような設定を行えばOKです。
普段経費を計上するときには家事按分を意識する必要はなく、そのまま100%の金額を入力すれば、あとはFreeeで決算書を作成する際に自動計算してくれます。
なんとも便利なものですね。
5.今回のまとめ
家事按分は一見面倒くさいような気もしますが、ロジックをしっかりと組み立ててしまえば、あとはクラウド会計ソフトが計算してくれます。
日々の経費データの入力の際には意識する必要がありません。
個人事業主の大きなメリットは、「経費計上ができる」ことにあります。
経費計上ができることの恩恵は、確定申告の際に痛いくらい実感できます。
なんせ、課税所得の対象外にできるわけですからね。
そんな中、一見生活のための費用だと思う物でも、ロジックさえしっかりしていれば事業用として家事按分できる経費があるかもしれません。
もちろん、明らかに生活費やプライベートでしか使っていない費用を計上することはいけませんよ(笑)
それではまた!
日々感謝 m(_ _)m