プロジェクトあるある(102)
本日のプロジェクトあるある:
失敗するプロジェクトでは、最初に計画されたスケジュールを忠実に守る事に固執しすぎる
計画したスケジュールを守ることは当たり前じゃないか、と思われる人がかなり多いのではないでしょうか。
確かに、プロジェクト開始時、目的を達成するためにWBSを作成し、スケジュールの予定をたてるわけです。
一番最初に計画をたて、関係者で合意されたスケジュールのことをベースラインといいます。
このベースラインをもとにプロジェクトのスケジュールは管理されていきます。
スケジュールが管理される対象要素には、大きく2つあります。
ひとつは「タスク」です。WBSで管理され、プロジェクトを達成するためにやらなければならない作業ですね。
「タスク」とある列の作業に対して、開始日と終了日が書かれていて、これに対して、進捗を管理するのですね。
もうひとつは、「マイルストーン」です。マイルストーンは、プロジェクトを進めるうえで、絶対に遅延できないチェックポイントのようなものです。
プロジェクトの節目に設定され、多くは経営層への説明のためのものかなと思います。
マイルストーンもタスク同様スケジュール管理表に記載し、管理されていくことになります。
なので、原則プロマネは、マイルストーンをクリアするようにスケジュール進捗を管理していきます。
計画段階では、当然すべてのタスクがマイルストーンまでに完成することになっていますが、必ずしもその通りにはなりません。
ここで、タスクのスケジュールまでガチガチに期限を守るように強制するプロマネがいます。
それはそれで決して悪いとは言いませんが、タスクのスケジュールは本来、柔軟であるべきだと思っています。
最初に予定していたものが、実際に進めていくと効果的ではなかったりすることもあります。
そういう時は、プロマネが判断して柔軟にスケジュールを組み替えていくことが必要です。
例えば何回かにわたって要件定義を行うような場合。
ヒアリングの内容に応じて各回に参加してほしい人をあらかじめ設定していても、それより前の回が思ったより早く進んだり、時間が足りなかったような場合には、アジェンダを入れ替えたりしてスケジュールを組み替える事は全然ありだと思います。
上記の例でいえば、大事なことは「要件定義会のスケジュール期間内に関係者から要件をひきだすこと」ですから、その中でどのような順番で誰に聞いたって別に問題はないのです。
こういった柔軟性をプロマネは意識しておく必要があります。
一度告知してお願いしているので変更を依頼しにくい、とかいう申し訳なさというものも当然あるでしょうが、目的を達成するために必要であれば、プロマネは怒られたり嫌がられてもお願いするのです。
プロマネは、「相手に怒られたら」とか、「迷惑かも」とかいう気持ちはいったん捨てましょう。
もちろん、頼み方は丁寧に、誠実に行う必要がありますが、プロジェクト成功のために必要な行動をためらってはいけないのです。
そして、マイルストーンについてはなにがなんでも間に合わせるように進めていくのです。
タスクのスケジュールが計画通りに進むに越したことはありませんが、厳守することに固執してしまうと、プロジェクトに柔軟性がなくなり、結果失敗してしまうことになりかねないのです。
プロマネとしては、このあたりがきっちりわかっている事が、プロジェクトを成功に導くことの必要条件の一つだと思います。
それではまた!
日々感謝 m(_ _)m