相手に説明が伝わらないエンジニアの共通点をあげてみた
システム構築プロジェクトを実施すると、お客様に対してシステムの要件をヒアリングしたり、システムの技術的な説明を行うというようなシーンがあります。
こういったときは、通常プロジェクトにアサインされたエンジニアの出番です。
お客様に技術を交えた説明をするのですが、なぜだか説明が伝わらないケースがままあります。
場合によっては、お客様がポカーンとしてしまい、全く話が進まないケースも見たことがあります。
エンジニア時代だった私自身も、なんどかやらかしたことがあります。。
こういったエンジニア君を見ていると、説明に共通点があります。
それは、こんな感じですね。
①相手の技術的な理解度に関係なく専門用語を多用している
②お客様の質問内容と、回答の着地点がずれてしまう
③会話ではなく一方的な講義をしてしまい、途中会話を差しはさむ余地を与えない
これ、過去の自分の失敗経験でもあるんですよね。
①相手の技術的な理解度に関係なく専門用語を多用している
これはエンジニアにいちばんありがちなケースです。お客様は基本自分達が扱っているシステムについては素人です。素人だからこそ、プロである私たちに設計や構築の依頼をしているわけです。
なので、エンジニア側から見て「こんなの常識でしょ」なんていう用語であっても、お客様にとっては何のことかわからない、という事は十分ありえるのです。
例えば、ネットワークの世界で「IPアドレス」「ルーティング」「スイッチング」なんて言葉は、エンジニアであれば基礎中の基礎の言葉です。
これらがわかりません、なんていうのはエンジニアとは呼べません。
ところが、IT部門にいるお客様であっても、ネットワークシステムに関わっていない人達からするとわからない言葉だったりします。
それを当然のように使って会話すると、かみ合わない場合があるのです。
一方、ネットワークをガンガン構築しているシステムインテグレーターがお客様であるようなケースもあります。こんな場合には、まわりくどい説明は不要で、逆に技術用語を使ったほうが会話は進んだりします。
なので、私はミーティングを行う際、最初にできる限り相手の技術的なバックボーンがどの程度か確認しています。
そして、最初にある程度会話をして、その人達の技術スキルを見ながら使う言葉を選ぶよう心掛けています。
②お客様の質問内容と、回答の着地点がずれてしまう
これは、本当にありがちなケースです。例えばこんな感じです。
お客様「こんなかんじの機能を使いたいんだけど可能?」
エンジニア「そのためには、システム内のxxxモジュールを有効にすれば可能です。」
お客様「・・・可能ってことですね?」
エンジニア「今回お客様が購入されているのは標準ライセンスで、その機能を使うには追加ライセンスが必要です。また、xxxモジュールを使うためにはサーバのCPUがxxコア以上、メモリがxxG以上である必要があります。」
お客様「・・・結局可能なの?」
うわーー、これ、本当によく見かける光景ですね(笑)
お客様としては、利用できるのかどうかが知りたいわけです。なので、
「その機能を使うには、サーバスペックを上げることと追加ライセンスを購入いただく必要があります」
と答えれば事足りるのですね。
これ、決してエンジニアに悪気があるのではありません。
エンジニアはシステム目線でどうであるかを考え始めるので、細かい話を正確にしがちなのです。
ただ、お客様は細かいことはどうでもよくて、要はできるのかできないのか、できるとしたら今よりもお金や期間がかかるのかどうかがポイントなんですよね。
このように、自分の回答をお客様向けの回答に「翻訳」して回答する必要があるのです。
③会話ではなく一方的な講義をしてしまい、途中会話を差しはさむ余地を与えない
これは②にも関連するかもしれませんが、そもそも技術レベルがことなることから会話がかみ合わないことを経験すると、自分の言いたいことを言い切ってしまえばよいという発想に傾くエンジニア君がいます。
つまり、相手のレベルに合わせて会話をする術がないので、相手からの質問させるスキを与えず言い切ってしまおうとするのですね。
こういうケースの場合、エンジニアが「演説」を終えたあとは会議がシーンとなります。ポカーンのほうが正しいかもしれません(笑)
技術レベルを俺たちまで上げてこいというのをお客様に要求するのはそもそも不可能です。
だから、自分達が相手に合わせてわかりやすくかみくだいて説明し、相手が理解できてなさそうだな、と思ったらさらに平易に説明するというふうなスキルを磨くことが大事なのですよね。
あと、これはエンジニアに限った話ではありませんが、
同じ説明を何回も繰り返し言ってしまう
という人がいます。
繰り返しいう必要があるのは、相手に念押しをするか、強く印象を残したいときです。
それ自体は決して悪くないのですが、同じ事を繰り返し言う癖がついている人の会話は、相手からしたら
「話が長くてクドクドしている」
と思われるだけです。
これ、私もやりがちなのですが。繰り返していってしまってるな、と思ったら途中でもいいので
「繰り返しになりますが」
とつけ添えることにしています。
エンジニアは技術力を磨けばそれでよいというふうに思っている人が多いかもしれませんが、コミュニケーション力を無視できるくらい突き抜けた技術力で生きていけるのは一握りの人だと思っています。
高収入なエンジニアを目指すには、お客様への説明力はやはり欠かせないんですよね。
技術力をもっていて、お客様がわかることばで話せる。
これは強いですよ。
私が関わっているエンジニア君達には、そういったことをできるだけ良くなってもらえるようにお手伝いしています。
身体一つなので対応できる企業は限られますが、ご縁があれば可能な時間の限り誠心誠意対応し、エンジニア君のソフトスキル面を育てますよ。
それではまた!
日々感謝 m(_ _)m
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