個人事業主として開業するためにやったこと11(個人事業主か法人か)
自分が起業する際、個人事業主として開業するか、法人として設立するかについて書いてなかったことに気付いたので、今回はこちらをテーマにして書いてみたいと思います。
1.個人事業主と法人はどんな違いがあるのか
独立するとき、会社として起業したほうがよいのか、個人事業主として開業したほうがよいのか。
これ、結構迷うと思います。
どうすればよいか、本を買ったり、ググっていろんなページを検索してそれぞれのメリット・デメリットを自分なりに考えることになると思います。
法人と個人事業主の比較はいろんなサイトで詳しく説明してあるので詳細は割愛しますが、ざっくりと次のような特徴があります。
【個人事業主】
・開業の書類が簡単(開業届を出すだけ。厳密には出さなくても、自分が宣言したら、その瞬間から開業したことになる)
・青色申告により確定申告で控除が優遇される(ただし決算書の作成が必要)
・経費の上限なし。ただし、認められる範囲は狭い
・利益は生活費として使える
・所得税は個人と同じ税率
・法人との取引での信用が法人よりは低い
【法人】
・設立のための書類作成や準備が煩雑。費用も高額(定款、登記など)
・経費の範囲が広い(経営者への報酬など)
・経営者の給与は役員報酬として定款に定められ、簡単には変更できない
・利益を自由に使うことはできない
・法人税は個人の所得税率よりも上限が低い
・法人との取引での信用が個人事業主より高い
他にもいろいろな比較項目があると思いますが、ざっと私が思いつくのはこんな感じです。
いろいろ推敲して、最終的に個人事業主を選択した大きな理由は大きく3つでした。
2.個人事業主を選んだ理由(設立時の手続きが簡単)
立ち上げ時の手続きは圧倒的に個人事業主の方が簡単です。
法人を立ち上げるには実に様々の手続きや準備しないといけないものが必要になります。
登記の登録などは専門家にお任せすればいいですが、定款などはある程度自分の会社に対する思いを考えなければなりません。
ざっと用意しなければならないものはこんな感じです。
・各種印鑑の用意
・定款
・登記申請書
・登録免許税納付用台紙
・発起人の決定書
・取締役の就任承諾書
・ 代表取締役の就任承諾書
・ 監査役の就任承諾書
・ 取締役の印鑑証明書
・ 資本金の払込を証明する書類
・ 印鑑届出書
・ 登記すべきことを保存したCD-RかFD
個人事業主の場合は、以前にも書いた通り、青色申告を選ばなければ、必要ありません。
なので、個人事業主のほうが断然手っ取り早いし、お安く開業できます。
3.個人事業主を選んだ理由(資本金の調達が不要)
会社の設立は資本金1円以上から実施可能です。
しかし、その会社の概要を確認するときって、資本金をチェックされることがままあります。
なので、会社の信用を得るために、なんだかんだ資本金はある程度用意する必要があるんですよね。
このお金は自己資金を使うか、金融機関から借りるかといったことになります。
サラリーマン時代にためてきた貯金を資本金として割り当てるという話をしてみたら、家族から猛反対をくらいました(泣)
ま、まあそりゃそうか、、
となると金融機関から資本金を借りるということになります。
その場合、事業計画書を作成する必要があります。
正直、当時案件を受注できるアテは全くなかったし、そういった計画書を書くのが面倒だな、と思いました。
4.個人事業主を選んだ理由(稼いだ利益が自由になる)
法人として事業を行い稼いだ利益というものは、当然ですが、その会社のものです。
ですので、たとえ自分が代表であろうと勝手に使うことはできません。使ったらそれは横領になりますよね。
私が会社を設立する場合、ひとりで事業を行うことになるので、自分は社長になります。社長の報酬は定款に定める必要があります。
利益が出たら、都度定款を変更して自分の報酬を増やせばいいじゃん、と思いますが 役員報酬の変更は事業年度開始日から3カ月以内 に行う必要があります。
つまり、自由にいつでも変更するわけにはいかないんですね。
これって自分がどのくらい稼げるのかを想定し、法人税と自分が個人で払う所得税のバランスや実際に生活費としてどのくらい必要なのかを考え設定することになります。
なので、思わぬ多くの売り上げが出たとしてもそれは勝手には触れないのですね。
おそらく法人税の税率のメリットが効果的になるほどの売り上げにはならないだろうし、自分が稼いだお金を自分が自由にできない、というのが嫌だなと、強く思いました。
5.法人成りという選択肢
大きかったのはこの3つですね。
結局てっとりばやく事業を開始でき、稼いだお金は自分がそのまま自由にできるという点で私は個人事業主を選択しました。
これは、私のやろうとしていたビジネススタイル故というのもあります。
人によっては取引先から法人にしないと契約が難しいなどの理由から個人事業主を選べないといったこともあると思います。
ちなみに、個人事業主から法人に変更することもできます。これを
法人成り
といいます。
今後、タカハマプロジェクトを法人成りさせる可能性があるのかどうか。
当面はないでしょうね。
人を雇って事業を拡大するとか、めちゃくちゃ売り上げが伸びていったというようなことがあればわかりませんけどね。
6.今回のまとめ
個人事業主として開業するか、法人として開業するかについて考える場合、手っ取り早く、お安く開業する場合は個人事業主が良いと思います。
ただし、お金はそこそ必要になりますが、法人として設立したほうが社会的な信頼度は高いです。設立後の資金調達も、法人のほうが集まりやすいと思います。
私のように、自分のスキルでビジネスを行うという場合には資金が全く不要ですし、過去一緒に仕事をしてきた人達との仕事がメインでしたので、個人事業主で問題ありませんでした。
一番は、感覚的に自分で稼いだ利益が自分の自由にならない、というのがどうも違和感があったんですよね。。
どちらを選択するのが正解、ということはありません。自分がどうビジネスを行いたいか、どう発展させていきたいかによって決めればいいのではないかと思います。
あくまで私のように、ひとりで事業を行うような場合のケースのひとつとして参考にしていただければと思います。
それではまた!
日々感謝 m(_ _)m